表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【本編完結】異世界から戻ったので、とりあえず復讐します~少年が大人になる通過儀礼~  作者: 高取和生@コミック1巻発売中
第三部

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

80/243

【第三部】 開始   四章  天翔る日 2


悠斗は、当然のごとく反対した。

「お前に、もしものことがあったら、俺どうすんだよ!」


せめて、オーキッドの成分結果が出てからにしてくれと言う悠斗の顔は、昔の心配性のままだった。


では、オーキッド成分の分析は、どうなったのだろうか。


「ねえ、例の薬の成分て、もう分かったの?」

白井はある日、父に尋ねた。


白井の高校進学と同時に、地元を離れ、白井は父と二人暮らしを始めた。

月イチで、白井の母がやって来る。


「国家機密につき、回答できません」

そう答えた父の首を絞めようかと、白井は一瞬思った。


「そんなことより、ヒロくーん」

父は猫なで声で白井にすり寄る。

「あん時、君と一緒に来た女性いたでしょ」

「ああ、畑野さん」

「美人でキュートで、パパのど真ん中どストライクなんだけど」


知るか!


「SNSのID、交換して良いかな」

「おかんに言いつけるぞ!」


実は既に、オーキッドの分析結果は出ていた。

メイン成分は、エフェドリン、カフェイン、アスピリン。

有名なやせ薬と同様の成分だった。


「あれ、でも、この組み合わせって、国内では不可じゃなかったっけ?」

結果を聞いた白井一樹は、同じ省内の検査官に質問した。


「諸外国でも禁止になってますよ」

検査官は、もう一点、気になる成分を見つけたと言った。


「え、何なに? ヒ素とかトリカブトとか?」

「それじゃ死人が出ますね。 まあ、緩慢な脳破壊を、起こすかもしれないですけど」

白井一樹の視線が動く。


「化学式はC6H15NO4」

「カイニン酸か!」


カイニン酸。

動物に寄生する回虫を駆除する生薬、海人草の主成分である。

寄生虫を興奮させたのち、麻痺させることが出来る薬効を持つ。

ただし

脳の中枢に損傷を与える、神経毒としての側面もある。


「それって、やばくね?」

「だから、あなたに報告しているのですが、白井さん」


その成分の詳細を、恭介はまだ知らされていなかったが、牧江や戸賀崎と対峙して得た仮説があった。


彼らは依存性の高い薬物を与えられ、結果脳の一部に損傷を受けた。損傷した部位に、何かが棲みついたのではないだろうかと。


その脳の部位とは


海馬。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ