表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【本編完結】異世界から戻ったので、とりあえず復讐します~少年が大人になる通過儀礼~  作者: 高取和生@コミック1巻発売中
第二部

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

38/243

【第二部】失くしたものと得たものと 一章 春の蕾 6


綿貫佳穂理が、友だちとの話を二人にしたのは、それから一か月後のことである。


その話を聞いて、恭介は自身の復讐の遂行計画を真剣に打ち立てることになる。


自分のことだけなら、目を瞑ることも出来た。

別人になりすました今、何事もなかったように、新たな人生を歩いていくことも不可能ではない。

しかし綿貫が明かした内容を知った時、連中をこのままにしておくことは、もはやできないと悟った。


入学して一週間もたつと、恭介は白井と冗談を言い合うような仲になり、同じクラスの連中とも、だいぶ親しくなっていた。


「俺さあ、初めてお前見た時、中二病こじらせたオタクだと思ったよ」


白井からそう言われて、恭介はちょっと笑った。

ぼさぼさの黒髪と、メガネの変装は、それなりに有効だったようだ。


「俺は白井のこと、単なるチャラ男だと思ってたけど」

「あ、それ、正解」


それとな、と白井は付け加える。

「俺のこと、ヒロと呼んでいいぞ。弘樹でも、まあ可」


四月の末に、侑太をはじめ、その取り巻きは、生徒会役員やら何かの委員会委員長やらになって、一層我が物顔で、校内を練り歩くようになる。


悠斗の姿もたまに見かけた。


大体、侑太の少し後ろを歩いていて、一部では用心棒などと囁かれていた。


悠斗の瞳が、曇りガラスのように見えるのは、なぜなのか。

そもそも、小学部時代には嫌っていたはずの、侑太の側にいるのだろう。


恭介は高校で、新しい生活と新しい友人を得ることができた。


だが、恭介の生還の喜びを、一番分かち合いたかった友は、河の向こうに行ってしまったのか。


高校からの帰り道、駅の手前に小さな公園がある。


通り過ぎようとしたその時に、恭介の耳には、猫の鳴き声と、争うような複数の男の声が聞こえた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ