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第11話 第28回ダンジョンさん会議を始めるのですよー

書けたので投稿。


私は現在ダンジョンさんと雑談中です。


カンテラの異常性が分かってから4ヶ月経ちましたが、今だにカンテラが返ってこないので、ダンジョンさんに相談も兼ねて久しぶりに雑談する事になりました。

最近はお互い別々に活動する事が多くて話せてなかったのですよねー。

ダンジョンさんとのお話は楽しいので、もっと一緒に行動するべきですかねー?


「そういえば、この前マタムネさんの眷属の皆さんが未知なる食材を求めてダンジョンさんの外に旅立ったみたいですが、今頃どうしていますかねー?」


「……」


「通信手段があれば良いのですが、作ってもらおうにもルトラさん達があの状態じゃしばらく無理そうなのですよー」


最近魔物の皆さんが活発で、ダンジョンさんの外に出る事も多くなってきたのですよー。

人間さんを襲いに、ではありませんが。

風魔さん達は情報収集、マタムネさんの眷属は食材探し、ランテさんとその眷属のゴーストの皆さんは遊びに……

その他にも皆さん自由に外出しています。


「……」


「……確かに私はあまり外に出ませんが、さすがに今行くのは……カンテラが無い状況じゃ出たくても出られませんよー」


「……」


「外への興味はありますよ? でも町に行ったら殺される自信があるのですよー。私は殺されたくないです」


私も外に出て色々見て回りたいのですが、殺される可能性もありますからあまり町に近づくわけにも行きませんし、ここら一帯はダンジョンさんがあるので冒険者が多いのですよー。

魔王じゃなければ自由に外に出られるかもですねー?


「……」


「あー……すみません。ダンジョンさんの体作りの事、忘れていました」


「……!」


「作るのを諦めた訳じゃないですよー。でも今は肝心の生産組の皆さんが工房から出てきませんし、とりあえず今日は夜に皆を集めて会議を開くのはどうでしょうかー?」


「……!」


「じゃあ、早速暇な人に伝えましょうかー。ダンジョンさん、暇そうな人を探してください」


こんな感じで雑談が終わって夜の会議に向けて行動を開始しました。

あ、皆を集めるにしても外に行っている皆さんは集められませんね。

一部のダンジョンさんの中にいる人で集まりそうにない人もいますがー。

なるべく多く集まると良いですねー?




夜、会議室。


お馴染みのホワイトボードを出してもらって、集まったみなさんはスライムさんに座りつつホワイトボードの前にいる私に注目しています。

生産組の皆さんの目が死んでいるのは気にしないのですよー。


「それでは、第28回ダンジョンさん会議を始めるのですよー」


ダンジョンさん会議とはダンジョンさんに関わる会議の事です。

主にダンジョンさんの内外で起きた問題やトラブルなんかを解決のための会議ですかねー?


「今回の会議内容は、外出する皆さんとの連絡手段とダンジョンさんの体についてなのですよー」


今回の議題をホワイトボードに書き込むと早速挙手する人がいます。


「はい、ライラさん」


「ダンジョンさんの体って、どういう事かしら……?」


まるで幽鬼みたいで怖いのですよー。

生産組の皆さんに何があったのですかねー? カンテラが原因なのは分かりますが、何をしているかは分からないです。

最近生産組さん達の工房の近くから変な音が聞こえるのですよー。

一種のホラーですねー。


「えーと、言っていませんでしたっけー?」


「言ってないわよ。皆は?」


ライラさんが皆さんに尋ねると皆さんきょとんとした顔をしています。


「我らは誰も聞いていないようだな」


リザードマンのグラードさんの言葉に皆さんうんうんと言った感じで頷いていますねー。

あれ?


「私、言い忘れていたみたいですねー?」


「……!」


大事な事を言い忘れるなとダンジョンさんお怒りです。

うっかりなのですよー。

では、気を取り直して。


「えー……ダンジョンさんの体とはダンジョンさんが自由に動くための器……肉体ですかねー? 生産組さん、作れそうでしょうか? ダンジョンさんの体」


生産組さん達はそれぞれ顔を見合わせ軽く話し合ったあと、代表でルトラさんが答えてくれました。


『それは精神を移して一時的に動かすものでも良いのか?』


「言いそうですよ。軽くお散歩とか出来るだけでも満足みたいですねー」


「それならなんとかなるかもしれんの。ただ、ちと特殊な素材が必要となるから時間が掛かってしまうのじゃが、良いかの?」


「……!」


ダンジョンさん大興奮です。

とても嬉しそうなのですよー。

これなら早めに皆さんに相談すべきでしたねー。


「ダンジョンさん大喜びですよ。時間が掛かっても大丈夫みたいです。いくらでも待つって言っていますよー」


『そうか、なら素材を探さなければならないが……この付近にない素材もあるのが問題だな』


ダンジョンさんの近くにない素材ですか、遠出をしなければいけないですねー。

でも、遠出が出来そうな暗殺諜報部隊の皆さんに素材集めの仕事をさせるのは大変そうなのですよー。

誰か適任な人が他にいますかねー?

困っているとグラードさんが提案してくれました。


「それならばソルジェスとランテの眷属に任せてみてはどうだろうか?」


スケルトンのソルジェスさんとゴーストのランテさん。

彼らの眷属も同じ種族ですからスケルトンとゴーストさん達ですか。

でも、彼らって夜にしか行動できないし、人間さんに見つかったらすぐに襲われそうなのですが大丈夫ですかねー?

隠れながら素材集め、無理なのではー?


「彼らを選んだ理由はなんですかー?」


「彼らは夜に活動しているが、人間は夜にあまり活動せん。それにスケルトンは地中を移動できるし、ゴーストは暗闇に隠れる事に長けている。人間に見つかる可能性も低く、積極的に殺しに行くような性格でもない。……まあ、別の意味で若干ゴースト達は心配だが」


他にもゴーストの皆さんは珍しいもの好きで、そう言ったものを見つけるのが得意な上、スケルトンの皆さんは疲れ知らずだから適任だと追加で説明してくれました。


なるほどー、わざわざ昼間に行かせる必要性ないですもんね。

彼ら、夜型ですし夜目も利くので明かりも必要ありませんし。

確かに素材探しのメンバーとしては良さそうなのですよー。


「ソルジェスさん、ランテさん。お任せして良いでしょうかー?」


「カタカタ……」


「ケケケッ! イイヨ~。クロマノ頼ミダシネ」


ソルジェスさんは喋れないためカタカタと口を動かしつつ頷いて、ランテさんは楽しそうに答えてくれました。


「ありがとうございます。探索隊結成ですねー」


他にも色々と頼めそうなのでもっと探索隊が増えると良いでしょうかねー?


『ナァ、クロマ。俺ハ外ニ出シテハクレネェノカ?』


「底冷えするような念話を頭の中で響かせないでくださいよーディルスさん。なんだか鳥肌が立つのですよー」


珍しく会議に参加しているリッチのディルスさん。

いつもはサボっているのですがねー?

気まぐれでしょうかー?


『ソリャア悪カッタナ? コレデモ普通ニシテイルツモリナンダケドナ』


全く悪いと思ってない様子で笑っています。

魔物さん達の中でも最大の問題児の名は伊達じゃないのですよー。


「ディルスさん外に出したら厄介事が起きそうじゃないですかー。外に出たら手当たり次第に生き物を殺しそうですよー」


『ハハッ! 分カッテルジャナイカ! 人間ヲ殺スノモ楽シイガ……人間以外ノ生キ物ハ殺ス感覚ハドンナモノダロウナァ?』


殺人じゃなくて殺しジャンキーですかねー?

爛々とした目で見ないで欲しいのですよー。私の命も狙っています?

止めて欲しいのですよー。


「そんなに人間さん以外が殺したいんだったら、マタムネさん達の手伝いで家畜の屠殺でもすれば良いじゃないですかー」


『アァ? ソウ言ヤァソンナ事を猫ドモガヤッテイタナ。ヒャハハッ! 任セナ1頭残ラズ殺シテヤルヨ!』


「にゃ!? 全部殺しちゃ駄目にゃ!! にゃーーーーー!! 待ってぇぇぇ!! お願いにゃから! お願いにゃから全部殺さにゃいでーーーーー!!」


家畜の居る部屋へと飛んでいくディルスさん。

そしてそれを必死の形相でマタムネさんが追って行きました。

私、やばそうな事言っちゃったみたいですねー?

これから食糧問題が発生するかもですよー。

隊ディルスさん用に家畜を守る係を決めなきゃいけないかもですよ。


「ガ、ガガ……」


「あ、すみません。話が脱線しちゃいましたね。皆さん、会議を続けますよー」


ガーゴイルのガルディアさんが声をかけてくれたおかげで、議題が残っているの思い出しましましたー。

危なかったです。

さっきまですっかり忘れていました。


「えーと、あとは外出する皆さんとの連絡手段についてですねー。通信機とか作れませんかね?」


『作れん事はないが数を揃えるのに時間が掛かりそうだな』


「そうね……はぁ……やる事が多すぎるわ」


「そうじゃのう……とりあえず、クロマ殿。暗殺諜報部隊を最優先、次に探索隊の分を優先して作れば良いかの?」


「そうですねー、それが良いと思います」


生産組の皆さんに負担掛かりすぎですねー。

もっと増やしたほうが良いでしょうかー?

人手不足です。


「……我らの分は1つでも十分です」


『なんでだ? 一番多く必要そうだが』


いつの間にか会議に来ていた風魔さん。

そういえば会議には必ず出席していますね。

毎回突発的に開催しているような気がするのですが、皆勤賞なのですよー。


「……我らの間ではすでに独自の連絡手段を持っています。……しかし、長距離の連絡手段がない故に報告の時は戻っております」


「報告用の連絡手段が欲しいと。……ふむ。しかし念のため予備も作っておく必要がありそうじゃな。とりあえず2~3個作ろうかの」


『ああ。できたら連絡するが……どこに連絡すりゃいいんだ?』


「……ラムリスへ」


『わかった』


おお、珍しく風魔さんが長く喋っています!

とっても珍しいのですよ。

普段ももっと喋っても良いと思うんですけどねー?


話が終わった風魔さんはシュバッと忍者みたいに消えちゃいました。

いつ見てもかっこいいですねー。

やり方を教わりたいのですよー。


「ねえ、会議、これで終わり……?」


「はい、終わりですねー」


いつの間にか私の横にちょこんと座っていたシェーネさん。

彼女も会議は皆勤賞です。

真面目で良い子なのですねー。

ちょっと眠そうで船漕いでいますがー。

あ、よく見るとシェーネさんの隣でカルマさんとこだまさんは、疲れたのか寝ちゃっています。

子供は寝る時間になっているのですよー。

早く会議を終わらせて寝かせなきゃですねー。


「では、第28回ダンジョンさん会議はこれで終了です。皆さん、持ち場に戻ってくださいねー」


一部の人には聞こえてないみたいですが、何時もの事なので放置ですよー。

皆さんそれぞれ移動を始めますが、子供組は皆さん眠ってしまったようです。

起こさずに部屋まで運べそうな人、いませんねー。

最近子供組さんの遊び場になっている部屋を子供部屋にして、そこに布団敷いちゃいましょう。

きっとお泊まり感覚で面白がると思います。

じゃ、行きますかー。


「良い夢が見られると良いですねー」





今まで名前しか出てこなかった人に喋ってもらいました。

なんかわりと個性的になったかも?

もっと出番が増やせれば良いのですがー。


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