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足跡

中に進もうとする意思とは裏腹に、実際は待ち望んでいたはずの町へ向かっていた


まぁ、気が付かなかったが



「なんだ?開けた所に出たな…………。」


穴から離れて大体一時間、延々と歩き続けた俺の前に、開けた広場のような場所に出た


「焚き火のあと…………。人か?」


残念なことに、焚き火の後があった場所には人はいなく、見事に片付けられていた


周囲に誰も居ないことを確認して、広場に向かってみる


「おぉ………?まだ新しいな………?」


何となくで見るしか無いが、焚き火の後はまだ新しいようだ


砂をかけて火を消したようで、炭の上には砂が被さっている


それが合計4つ


中々に大所帯のようだ


しかし、それ以外には何もな………い訳ではないようだ


見分けにくいが、草むらに何か置いてある



「薪に………?袋?」


草むらには纏められた薪と、皮袋が数個見付かった


どうやら前の人が置いていった物らしい


もう一度辺りを見回して、誰も居ないことを確認してから袋の中を確認する


ひとつは、道具類がごちゃごちゃと混ざった袋だ


黒い石は………火打ち石か?


他にも料理用のナイフやら薪にするための斧、料理を乗せるためか、木の皿が入っていた


料理用の袋だったのか……?


次の袋にはビスケットのような物だけが幾つも入っていた


その次はの袋は………幾つもの皮袋


なんの皮だ?これ?


皮製品はベルトと時計くらいしか持ってなかった俺には検討もつかないな………。


他の袋は何に使うのか分からないものから、紐や包帯のようなもの、幾つも有った


ふむ………。


黙って持ってくのは悪いし………。


かと言って何かを置いていく訳にもいかないし………。


つーか、なんも持ってねー。


まぁ、服とか見当たらないから良いか


服があったら貰っていったかも知れないが………。


袋をもとに戻して、立ち上がる


これで一つ確定したのは、どうやら人は居る………っぽい


確定してないかも知れないが、少なくとも知的な人?はいるようだ


他にも何か無いか確認するが、こんどこそ何もない


「どうするかな………。」


選択肢としては3つ


ひとつ目はここで待ってみる


良い点は下手に動いてすれ違いになる心配が少ないこと


悪い点は来なければ延々と待ちぼうけになること


あと、相手が友好的か分からないこと



ふたつ目は、ここにいた人の足跡を追ってみる


まとまった幾つかの足跡は同じ方向へ進んでいるようだった


この足跡を追ってみれば人には会えるかも


これはひとつ目と被っていて、すれ違うこのもあるだろう


だが、延々と待つよりは会える確率が高い


3つ目


何も見なかったことにして袋だけ貰って帰る


泥棒だが、一先ずの食料は解決する


悪い点は人に会えない


まぁ、どれも一長一短だ


人に会えるなら会っておきたいし、でも裸なのを説明するのはめんどくさそうだ


何かいいアイディアは無いか………?


まぁ、無いよな………。


その3つの中で一番良いのは………足跡を追うことだろう


ここで待つにしても、今日中に戻るかは分からないのだし、戻らないかもしれない


なら、追ってみるのが一番だろう


人に会えたら飯問題も服問題も解決の糸口になるはずだ


と言うわけで、俺は足跡を辿ることにした



足跡

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