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ククッカ

種族・人間  名前・砂礫  生態・夏眠する


夏眠:夏を乗り切るために生命活動を低下させる状態。


 寝ていたら友人に呼吸確認されたんだが?生きてます。





 ククッカの見た目はまたもや黒い。


 この世界に動物を洗うという習慣がないのだろうか?それともニハールのように手出しできないだけなのか?いや、そうなったらこうして飼うことなんてできないだろうし・・・。


「・・・・で・・・・なんだけど・・・・ねぇ?聞いてる?」


 何か話しかけられていたらしい。柵の前でしゃがんでククッカ見てるだけで固まってたよ。


「聞いてない。もう一回お願い」


 ため息交じりで言うと「ちゃんと聞いてね」と怒られた。


「コレはククッカっていう魔獣なんだけど、他の魔獣よりは扱いが簡単で初心者向けなんだ。商人や駆け出し冒険者なんかが使うかな?」


「ふーん」


 生返事をしつつククッカの観察をしてみる。


 形としてはネズミ、というよりはモルモット?丸くて耳が小さくて尻尾も見えないがたぶんある。何故かって?尻尾の付け根辺りが小刻みに左右に揺れているから。でも、それが犬のように友好的表現なのかはわからないのでまだ手はださない。


 近づいて見ていると、柵の際まで来ていてこちらの様子を窺うようにしている。


 じーっと観察している間にもニハールの説明は続くが、右から左に流しつつ(だってククッカが何されるのが嫌いとかの情報はなかったし)、ふーっと息をかけてみる。耳の近くに吹きかければイヤイヤいうように首を振り、鼻先に吹きかければ小さくくしゃみっぽいモノをして、後ろ足付近に吹きかければくるくる回る。・・・・面白い。


「何してんの?」


「反応見てる」


 どうやらこのククッカは触っても平気そうだ。息吹きかけて威嚇しない子は大概触られることも好きな場合が多かった。後は反応次第だけど、どうやら耳付近は大丈夫そうで、足は嫌いっぽい。まぁ、犬と同じかなんてわからないけど。


 柵の間に指を入れてククッカを誘ってみる。もしもの時の為にすぐ引き抜けるくらいしか入れない(これ大事)。指に興味を持ったククッカが近づくと様子を見ながら指を動かしたり止めたりしてみる。噛みそうもないし威嚇もしないのでそのまま触ってみる。


 ちょっとザラついているのは汚れているからかな?固めの毛質ではあるが剛毛というほどでもない。


 大丈夫そうなので手を全部入れて撫でてみると体を摺り寄せるようにしてくる。


 可愛いな。あ、そうだ。扱い方だったっけ。


「こうすれば良いんだよ?」


 柵の間から入れた手でククッカを撫でつつ、押し付けてくる首のちょっと下辺りをくすぐるようにしてやりながらニハールを振り返ると、ニハールはぽかんと口を開けていた。


「いや、わからないよ」


 なぜ見ていないのかと。

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