一部
動かないニハールに声をかけると凄い勢いで振り向いた。そしていきなり「ホワイトラビィ殺したの!?」と言われた。
ナンでしょうね?腕の中にいるホワイトラビィが見えないんですかね?というかなんで私が殺したとか言い出しやがるんですかね?
「ひぃ!」
小さく悲鳴をあげ驚愕というか恐怖に顔を歪め後ずさるニハール君、どうやら心の声がもれだしたようだ。というか自分よりも小さい女の子(見た目)になぜそこまで怯えるのかと?
「落ち着いてください。ホワイトラビィはここにいます。それは抜け毛です」
思わず敬語で言ってしまうがニハールはそれに気付くことも無くホワイトラビィと綿花状毛玉を交互に見ている。
「・・・えっとなんで?」
・・・・・なんで??ってなんだろう?意味がわからない。
「いや、だってホワイトラビィが白いし『ラビィの白毛』だってあるのにホワイトラビィは生きてるし・・・っていうか『白毛』って上質じゃないとならないはずなのに・・・」
何やら納得いかない事だらけのようだ。だんだん声が小さくなってブツブツと言い出した。
「説明してもらっていいですか?」
わからないなら聞いてしまったほうが楽だ。なので説明してもらったがまとめると
曰く、ホワイトラビィが白いというのがおかしい。野生であれば白に近い灰色がほとんどで飼育されるものは黒に近い灰色になる。
曰く、ラビィ種の一部である『ラビィの毛』の中でも『ラビィの白毛』はホワイトラビィの一部で上質品。
曰く、魔獣、魔物の一部は倒した後に残るモノであり、生きているのに一部があるなんて聞いた事が無い。
ということらしい。
「だってホワイトラビィなんだから汚れ落とせば白くなるのは当然かな?って思うんだけど?」
「なんで?」
「だってホワイトっていってるじゃん?」
「なんで種族が色と関係あるの????」
うん?ホワイトが白というのがわからないのかな??というかここでは 通じないということなのかな?まぁいいか。
「うん、まぁいいよ。でね、白くなったのは洗ったから汚れが落ちたの。乾かすときには抜け毛が出るもんだから『ラビィの白毛』があるの」
「ありえない・・・・」
「現実見ないとダメだよ?」
「・・・・・ありえない」
もはやそれしか言えない状態なのか頭を抱えてしまっているニハールはもう放っておくとして帰る事にしよう。一応声かけるものの反応薄いので仕方ない。
ホワイトラビィを柵の中に入れてから撫でてやってそのまま外へ出た。結構時間がたっていて太陽はだいぶ傾いていた。
前だったら1時間もかからなかったけど今回は2時間近くかかったのかな?
前とはもちろん前世でトリミングをした場合だ。ホワイトラビィはチワワサイズではあるが毛量がその4倍はある、それを考えると比較するのはそこそこ毛量のある小型犬のが良かったかもしれない。
自分の腕が鈍っているのか、この身体での作業に慣れてないのかはまだ良くわからないけど実際にできる事はあまり変わってないということにちょっと安心して家までの道を今度は迷わないようにしっかりと歩いていくリーア。
そしてそんなリーアが庶民区から出た頃にようやく再起動したニハールはホワイトラビィを撫でようとして手を近づけたところ後ろ蹴りをもらって落ち込んでいたのだが、もちろんリーアはそんな事は知らないのだった。
ドロップ アイテム 素材
いったいどれにしたものか(=^=;




