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売ってみよう!

意気揚々と!

 午前中に神殿の書庫に行ってから道具屋に行ってみると回復薬や麻痺解除薬、解毒剤などなど冒険に必要な物が溢れてた。


 やっぱり道具屋ってこういうの売ってるんだな。とキョロキョロと店内を見て回ってると店員のお姉さんが声をかけてきた。


「お嬢ちゃんひとり?お父さんかお母さんは?」


「今日はお使いなの。これ買ってほしいです」


 ちょうどいいとばかりに小袋を差し出してみる。薬草の粉の入った小袋は大人の手なら片手で握って余る程度には膨らんでいる。


 店員さんは不思議そうに小袋を開けるとさらに不思議そうに首をかしげる。


 


「えーっと、これは何?」


 先ほど見回した商品棚にあったのは小瓶に入った液状ばかりだったので粉では扱ってないのだろうか?それだと非常にまずい気もしないでもない。・・・・・どうしよう?


「薬って言ってたよ?」


 とりあえずとぼけてみた。店員さんはなおも首をかしげて「うーん?」と唸ってしまう。


「ダメ?」


「うん。見たことないしごめんね」


 ダメだった。というか魔法で作れるのに見たこと無いってどういうことなんだろう。名前自体は薬草の粉なんだし効き目はあると思うんだけどな。仕方ないか。


「ご、ごめんね?でもそれ誰に頼まれたの?」


 考え込んでいただけなんだけど泣きそうとでも思ったのか店員さんは申し訳なさそうに頭を撫でてくれた。そして冷や汗が出てくる私。そうですよね、お使いっていっちゃってた。


 「な・・・・内緒」


 へらりと笑ってみたがきっと怪しい、絶対怪しい。そもそも子供ってひとりで売りにきたりするものなんだろうか?


 ってそう言えばこの歳になるまで他の子供と会ったこと無いんだけどどうしてなんだろう?まぁ、幼稚園やら保育園みたいなものがないようだしただ単に近い歳の子供が回りにいないだけなのかな?そして店員さんがなんかじっと見てきている。もう逃げよう。


 「お邪魔しました」


 頭を下げてから内心あせりながらも出口まで歩いて行って道具屋を後にした。


 道具屋で見たこと無いってことは薬草の粉は使われてないって事なのかな?でも魔法を使って出来たんだしあるんじゃないのかな?それとも出回ってない?いやそれにしたって薬なんだろうから道具屋で扱うと思うんだけどなー?


 そういえば説明みたいなのも出てなかったな。


 じっと見れば鑑定が発動するのか簡単な説明が分かる。薬草には確か「小さな傷を治せる草」という説明がついていたのだが薬草の粉にはそんな説明がついていなかったことに気付く。


 基準が分からない。どういう事なんだろうな?


 考え事をしながら歩いていたら家とはぜんぜん違う場所にいた。


 家があるのは少数ながら貴族の住む貴族区(高級店やらもあるけど各家が広い敷地を擁しているため割と広い)の片隅にあるが今いるのはたぶん庶民区の中でも中層の家があるあたり。もちろんもっと治安の悪いスラムほどじゃないのでそこは安全といえば安全なのか?先ほどの道具屋は商業区にあるので真逆に歩いてたことになる。


 街の北と南に門があり、そこから中央に向けて大通りが走り中央には冒険者ギルドや商人ギルドが、北東が貴族区、東に神殿や図書館、南東から大通りを挟んで南西に商業区(主に食料やら道具やら雑貨)、西に庶民区そのさらに外壁付近がスラムになってるらしい。北西は工房が多いので職人区とも言われ、北の大通りは武器や防具の店が多い。


 とまあ、そうなるとまったく逆に歩いていた訳なんだけどあまりジロジロ見るのも悪いだろうし(実は興味津々)戻ろうとしたときに目の前を過ぎ去る黒い影。


 驚いたけどこういう場合はネコだよね!野良っぽいけどこの街で始めてのネコ!!どんな子かな?


 ゆっくり近づいて何が入ってるんだか分からない木箱の脇に蹲るようにしていたのは・・・・黒い毛玉だった。

 

 

 

 

次回漸く本領発揮!出来るといいな

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