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薬草採取

 神殿に通いつつこっそり街の外に出てみた。


 街を出るためには入り口に立っている兵士に証明書を出す必要があるようで最初はもちろん止められた。


 街の外には魔物が出るから危険だと言われたのだ。


 いるんだ・・・魔物・・・。


 いまだに日本にいた頃の感覚が抜けないのはいかんともし難いものがあるが、魔法があるなら魔物くらいいるかと妙に納得もしたりした。意外と柔軟な自分にびっくりだ。


 なので。こっそり出てみたのだ。


 ここはレラプスが手伝ってくれた。なんとこの犬、兵士やら他の人達に見つからずに門を突破出来るほどの速さの持ち主だった。


 物陰からレラプスに乗って様子を伺い隙を突いてスパ-ンと外に出るのだ。うん。ありえないなんだこの犬。いや精霊獣ならできることなのか??


 ちゃんと褒めて撫でてやることも忘れない。良い子には褒めることは大事です。


 なぜそうまでして外に出てるかというと。


「あった」


 門からは離れ外壁沿いに行ったところで目当ての物・薬草を見つける。


 肩掛けのポーチほどの大きさしかないカバンに入れていくつか集めていく。


 道具生成で薬剤とあったのだからポーションとか回復薬みたいなのが出来るのだろうと思ったのだ。


 実際に出来るかどうかはまだ試していない。集めておいて損はないだろうくらいのものだ。


 「プローリクス王国ガイド」によると草原地帯や森の多い国だというのでここアディーラの街(プローリクス王国内で東に位置する)の周辺でも取れるのではないかと思って「薬草図鑑」に出ていた薬草を探してみていた。


 そうしたら意外と見つかるのですぐにカバンがいっぱいになってしまった。


「これ以上取っても持ち帰れないしこのくらいでいいか」


 重くはないけど溢れるほどに持って帰っても落とすだけだしなと思い帰ることにしてレラプスに乗せてもらう。


 ちなみに薬草集めのときにレラプスは悠々と寝そべって欠伸までしていたのだから遠慮なんてしない。


 リーアを乗せてもビクともしなかったのだし大丈夫なんだろう。


「見つからないようにお願いね」


 跨りながら首を撫でてやると「任せろ!」と言わんばかりにこちらを振り返った。


 そのまま首に両手をまわしてしっかり掴るとそれを待っていたかのように走り出して門の見えるところで一度止まったかと思うとすぐにスピードを上げて門に駆け込んで行くと建物の影に身を潜める。


 巻き上がった風に混じった砂で兵は驚いたように声を上げたけど辺りを見回して何も異常がないと判断すると職務を続ける。それを確認した後でほっと一息ついてレラプスを撫でてあげた。


「ありがとう。あとは隠れててね?」


 基本的に街には動物を見かけない。だとすればレラプスが一緒だと目立ってしまうからアリーの前以外でも隠れてもらっているのだ。


 不満そうな態度のレラプスだけど後でブラッシングしてあげるからというと素直に隠れてくれる。そんなに好きかブラッシング。


 そういえば生成魔法とは別に道具生成でもブラシがあったはず。帰ったら試してみよう。


 でも、この薬草で生成魔法使えるのかどうかも確認したい。


 やってみたい事があるっていいな。こんなにも楽しい気分は久しく忘れていた。日本にいた頃は気付かなかったけど。楽しみが増えるのは面白い。


 リーアはついついニヤけながら家までもどるのだった。

 


 

 

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