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第六話 わらしべ長者ですかッ!?



 長老に荷物を持たされた私は商店街に着くとすぐにパン屋へと向かいました。

 パン屋にキノコを届けるとパンの残りをいただきました。



「さて、買い物をしましょう」



 まずは野菜からですね。とりあえず白菜とオクラ、キャベツが安いのでソレを買って行きましょう。



「白菜とオクラとキャベツを下さい」

「心雪ちゃん、お米やるからそのパンくれないか?」

「はいっ、構いませんよ」



 私はパン1袋を渡すと、野菜屋さんからそれと同じぐらいのお米をいただきました。

 野菜と一緒に買い物かごに入れて、次のお店に向かいます。次は魚屋さんです。



「秋刀魚を下さい」

「あいよ。お? 心雪ちゃん、このマグロとそのお米交換してくれないか?」



 わらしべ長者ですかッ!? でもマグロなんて戴いて良いのでしょうか……? なにか裏があるのではないでしょうか?



「そ、そんな高価なモノは貰えませんッ!」

「コイツはそこまで高価じゃないさ。それに1袋だけだし。気にすんな」

「まあ、そこまで仰るのでしたら……」



 私はお米を差し出すと魚屋さんの店主はマグロを出して交換しました。

 次はお豆腐屋さんですね。お豆腐屋さんなら交換すると言ってもそこまで高価にはならないでしょう。



「お豆腐ありますか?」

「心雪ちゃんか。出来立てがあるぞ」

「では2丁ください」

「あいよ。400円だ」



 私はお財布から400円を取り出してお豆腐屋さんに渡します。その次に私はお豆腐屋さんからお豆腐を受け取りました。

 ちょっとだけこのマグロとなにかを交換するのではないかと期待してしまいました……


 そろそろ帰らないと湊二郎様を待たせてしまいますね。早く帰らないといけません。



「……っと、その前に忘れるところでしたね」



 フルーツポンチを作るのに足りない物がありましたので、買って行きましょう。


 私はさくらんぼとみかん、パイナップルを購入してお家へと向かいました。

 そして、その帰り道のことです。奴らが私の前に立ち塞がりました。



「(心雪! そのマグロを寄越すのじゃ!)」

「私の仕事はキノコを届けることです。そこにマグロは関係ありません。それでは失礼しますね」



 私は長老と愉快な仲間たちを無視して家に帰ろうとしましたが、彼らはマグロを渡すまで引くつもりはないようです。

 彼らは猫さんです。やはりマグロが欲しいのでしょう。けれど、私だって猫さんです。私だってマグロは食べたいです。なのでコレは私のです。



「(この不敬者を捕らえよ!)」

「ひゃあっ!?」



 私はたくさんの猫さんたちに押し倒されて、その場に伏せられました。

 すると長老たちは私の買い物かごの中を漁り始めました。せっかく買ってきたフルーツが……


 湊二郎さまっ、申し訳ありません━━━━━━





「おい、クソ猫ども。俺の心雪に何してやがる」

「(湊二郎どの……これはその……さらばッ!)」



 長老たちは一斉に散って行きました。すると湊二郎様は私に駆け寄って、私をお姫さま抱っこしました。

 恥ずかしくて私は湊二郎様の胸に顔を埋めました。



「湊二郎さまっ……」

「心雪、大丈夫か?」



 湊二郎様の胸に顔を埋めてもぞもぞとした後、私は湊二郎様の顔を見て笑って答えました。



「はいっ、ありがとうございます」

「じゃあ帰るか」



 湊二郎様は私の顔を見て言うと買い物かごを拾い上げて、私に持たせるとそのまま家へと帰ったのでした。


 湊二郎さま…………



「だいすきっ」


「ん? 何か言ったか?」

「ふふっ、何も言ってませんよ?」

「そうか」





作者「長老……」

長老「(なんじゃ?)」

作者「お前クビっ!!」

長老「(ファッ!?)」


というわけで長老の出番は今回で終わりです。

そもそも柚葉ちゃんとキャラが被ってましたからね。仕方ありませんよ。

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