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第四十四話 退院しました!


 あれから1ヶ月が経ち、私は杖をつけば歩けるぐらいにまで成長しました。おかげで本日退院です!


「湊二郎さまっ、帰りましょうか」

「ん? どこ行くんだ? 早く乗れよ」


 私が歩いて行こうとすると、湊二郎様に呼び止められると見たことない黒い物体に湊二郎様が入っていました。

 な、なんですかコレ……


「車だよ。ほら、早く乗れ」


 すると湊二郎様が箱の扉を開けました。中には椅子があって、なんか凄い感じになってます。

 私はその椅子に座ると突然、湊二郎様が私に顔を近付けてきました。何も反応できずにいると私の後ろにある黒い帯を手にとって、私の左下にある赤い部分挿し込みました。


「え?」

「ん? どうした?」

「い、いえっ、なんでもありません……」


 まさかキスしてもらえると期待してたなんて言えません……!

 私が頬っぺたに手を当てているといきなり車とやらが変な音を鳴らして振動し始めました。


「湊二郎さまっ! こ、これ大丈夫なんですか!?」

「これぐらいで騒ぐな。大丈夫だから気にするな。そこで座ってろ」


 すると湊二郎様は目の前にある円状の何かを握りました。そして、横にある黒いレバーを下ろすと車とやらが動き始めました。


「う、動いてますよ!?」

「そういうものだ。これぐらいで驚いてたら腰を抜かすぞ」

「いったい何が私を待っていると言うのですかッ!?」


 そこからは驚きのオンパレードでした。まずコンクリートが道を作っていて、たくさんの車が走っていました。お家なんかも平屋立ての建物は無く、どこの家も二階建てになっていました。他にもとても大きな建物やよくわからない柱。天にも届きそうなぐらいの高さがある赤い鉄塔。他にもまだまだ驚くことがありました。


「本当に10年ですか!?」

「ああ」

「変わりすぎじゃないですか!?」

「ああ、そうだな」


 すると湊二郎様はとても大きな家の前で止まりました。山の上にあるのでお城みたいです。


「ここが新しい家だ」

「大きいですね」


 でも紗由理様との思い出が消えてしまったみたいで少し寂しい気がします……


「そんな顔をすると思って、ほら、アレ見てみな」

「え?」

 

 湊二郎様が指をさしていたので、そちらの方を見るとそこには思い出深い離れ屋がありました。


「なんであるんですか!?」

「一度崩して、使える部分は再利用しつつ、新しい素材を使って組み立てたんだ。見てわかるよう、母屋と繋がってるから心雪はそこで寝ていいぞ。それに心雪だとベッドは落ち着かないって言いそうだしな」

「ベッドとやらはわかりませんが、ありがとうございます!」


 私は湊二郎様にお礼を言うと、湊二郎様と母屋に入りました。


「チョリーッス」


 外に出ました。


 なんで柚葉ちゃんがいるんですか。確かにこんな大きなお家、お掃除とか大変そうなのでわからなくはないですが、よりにもよってどうしてこの人選をしたのですか。まだ恋愛勝負に惨敗した夏海さんの方がマシですよ。

 私が考え事をしていると湊二郎様が突然、私を持ち上げてお姫さま抱っこをしました。


「ふぇっ!?」

「ほら、行くぞ」


 私は湊二郎様に誘拐されました。すると、湊二郎様は早速離れ屋に向かってくれて、荷物整理を手伝ってくれました。



 ◇◇◇



 荷物整理を終えると既に夕方になっていました。


「しばらくは柚葉ちゃんが作ってくれてるから気にすんな。足が治ってからでいいからな」

「……はいっ」


 湊二郎様は私の頭を撫でて言ってくれました。ですが、私としても何もしないのは少し心苦しいです。なにかできることはないのでしょうか?



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