第三十話 これが世界地図ですよっ!
改行を減らしてみました。どうです?見やすいですか?見づらいですか?
答えてくれないと病みますよ。(メンヘラ脳)
紗由理様と温泉から上がると、私は夕食を食べようとしましたが、お箸がなくて困っていました。
「……明日、色々買いに行こっか?」
「ありがとうございます」
「じゃあ今日は私が食べさせてあげるね?」
紗由理様がそう仰ると紗由理様は自分のお箸を使って食べさせようとしますが、私はそれを無視してお米を握り始めます。おかずは暗黒物質の影響でちくわだけですので、問題ありません。
「おにぎりにしますので、大丈夫ですよ?」
「……それもそっか」
紗由理様が少ししょんぼりしていたので、私は紗由理様のお米が乗ったお箸を口に咥えて食べます。
紗由理様の方を見ると顔を赤く染め、おどおどしてました。紗由理様は初心です。自分からやる分には何ともありませんが、奇襲をかけられると阿保になります。
もしかしたら湊二郎様もそうなのかもしれません。また逢えたらやってみましょう。
夕食を食べ終えて洗い物を済ませると、私と紗由理様は母屋から出て、離れ屋へと向かいました。紗由理様は離れ屋で寝ているので、私も紗由理様と共に離れ屋で寝ます。
「心雪、おいで」
「はいっ」
私は紗由理様と同じ布団に入って横になります。
そして、紗由理様の小さな胸に顔を埋めて私は眠りにつきました。
「(なんか……バカにされた気がする)」
翌朝、私は目を覚ますと紗由理様の上に乗って起こします。本来ならこの日、私は寝坊してます。そして紗由理様が遅刻して反省文を書かされる嵌めになってます。
過去には改変できない部分があります。それはこの月詠歴の理で、月詠さんが全てを詠むことで調節されているのです。
けれど、それが真実なのか。私はそれが確めたくなったので、紗由理様を遅刻させないようにします。
「紗由理さまっ、朝ですよ」
私が揺さぶって紗由理様を起こそうとしますが、紗由理様は目を覚ます気配もありませんでした。
「……はむっ」
紗由理様の耳をはむはむしますが、紗由理様がぴくぴくと震えるぐらいで目を覚ます気配はありません。……ん? なんか足元が湿ってるような気がします。
気になって布団を捲ると紗由理様の世界地図が……
「ま、まさか先ほどのはむはむで……」
紗由理様が目を覚ます前に布団から放り出して学校の制服に着替えさせます。布団とシーツはバレないうちに洗濯かごへ。あとは紗由理様が目を覚まされる前に朝食を作ります。
昨日と同じくおにぎりです。おにぎり2つもあれば充分でしょう。味は鮭と塩です。具材もないので、紗由理様のお弁当もおにぎりにしましょう。おにぎりの横にちくわでも添えておけば大丈夫です。
私がおにぎりを作り終えると丁度紗由理様がお目覚めになられたようで、大慌てで居間に入ってきました。時計を見ると紗由理様が学校に遅刻するぐらいの時間でした。
やはりこの日は変えられないみたいですね。今日は紗由理様とあの人が出逢う日なのですから━━━━━━
「心雪、留守番おねがい! いってきまーす!」
「行ってらっしゃいませ」
紗由理様を見送ると私はお布団とシーツを洗濯します。そういえば紗由理様は何とも思ってなさそうでしたね。寝惚けて着替えいたと思っているのでしょう。
さて、紗由理様の世界地図を処理しましょう。
お布団とシーツを綺麗に洗い、物干し竿にかけて乾かします。
……そういえば紗由理様、お弁当持ってましたっけ?
不安になって確認してみるとおにぎりとちくわの入ったお弁当箱がちゃぶ台の上に置いてありました。もう遅いとは思いますが、お届けしましょう。
私はお弁当箱を持って玄関を出ると、紗由理様の通う学舎の看板が見えました。私はその看板に従って歩くと紗由理様の通う学舎を発見しました。
湊二郎様が通う高校もこの場所にあるらしいので、この学舎が未来で建て直されたのでしょう。
ちなみに途中で下校する生徒とすれ違ったので、授業は終わってるものかと思われます。紗由理様は居残り反省文なのでまだ教室に残ってるはずです。
私が校舎に侵入して紗由理様のいる教室の扉を開けようとしたその時でした。中から声が聞こえてきたのです。
『心雪は変な娘だ。きっと君に寄り添うだろう。君は彼女にどう接するのか。楽しみに待ってるよ』
扉を少し開けてその声の主を確認しようとするも、夕陽の逆光で顔が見えませんでした。
けれど、私はあの人を知ってます。実際に私が会うのは10年後ですが、あの人が現在この世界を統べる神。月詠さんです。
あんな偉そうな口を叩いてますが、実際は幼稚な子供っぽい性格をしていて自由奔放。私に餌付けされる。そして、紗由理様の番になる方です。
紗由理様はあんな方の何処がよろしいのでしょうか? 絶対に湊二郎様の方が良いに決まってます。
……そろそろ入っても大丈夫でしょうか?
「紗由理さまっ」
「心雪? どうしてここに?」
「紗由理さまがお弁当を忘れて行ったのでお届けしようと……遅くなってすみません……」
紗由理様は私の頭をゆっくりと撫でると、両手で私を抱きしめてきました。
「ありがと。すぐ終わるから待ってて」
「はいっ」
それから紗由理様が反省文を書き終えると、私と紗由理様は教室でおにぎりを半分にして食べました。夕食もあまり入らないと思うので、帰り道にある駄菓子屋で何か買って帰ることに。
「紗由理さまっ! これ凄い安いですよッ!」
「まあ、駄菓子だからね」
駄菓子ってこんなに安かったんですね。全く知りませんでした。今度から駄菓子だけで生活できるのではないでしょうか?
「心雪、行くよ」
「は、はいっ!」
いつの間にかお会計を済ませていた紗由理様の元に駆け寄り、紗由理様と家へと帰ったのでした。
「なんで布団が干されてるの?」
「きょ、今日はたいへん良いお天気だったので!!」
「ふーん……」




