第二十一話 柚葉ちゃんと健康診断に行きましたっ!
アレから数ヶ月が経ち、姉様と俊太郎様は都会へと戻られました。
そして、本日私は年一度の猫耳健康診断があります。この健康診断は今日、柚葉ちゃんと待ち合わせをして一緒に行く予定になってます。
なので、今日は着替えやすい服装……つまり洋服です。今日の私は洋服を着ています。
「心雪、何か食えよ」
「湊二郎さまっ、今日が何の日かはご存知のはずです。女の子に対してそのようなことを申してはいけませんよ」
私は湊二郎様に注意をしたところで私は大切なことを思い出したので、それを付け加えて言いました。
「……夏海さんには好きなだけ言うといいですが」
「おいおい……」
「さっ、早く召し上がってください。すぐに出ますので」
湊二郎様の朝食は食パン1枚と心雪特製オリジナルブレンドです。私の服装が洋服だったので、朝食も洋風に決めてみました。
湊二郎様が朝食を食べ終えると私は食パンの乗っていたお皿と湊二郎様のコップを洗い、あらかじめ用意しておいた鞄とお気に入りの帽子を持って玄関へと向かいました。
「では行きましょうか」
「ああ、そうだな」
湊二郎様も本日は学校があるので、途中までは共に向かいます。
家を出て少し歩くと待ち合わせをしていた多久郎さん、柚葉ちゃんペアと合流しました。
「おはよう湊二郎。心雪ちゃんも」
「ああ、おはよう多久郎」
「おはようございます。多久郎さん、柚葉ちゃん」
そのまま4人で別れる場所まで向かいました。
ここで湊二郎様と多久郎さんとはお別れです。
「多久郎さん、湊二郎様をお願いします。くれぐれも夏海さんには近づけさせないように」
「あっ、はい」
「では湊二郎さまっ、行ってらっしゃいませ」
「ああ、行ってきます」
私と柚葉ちゃんは湊二郎様と多久郎さんを見送り、商店街を通って駅へと向かいました。
「なあ心雪、体重は最後に行くぞ」
「当然です。私は昨日のお昼から何も食べてませんよ? 柚葉ちゃんはどうです?」
私は少し自慢気な顔をして柚葉ちゃんに言いましたが、柚葉ちゃんは右手を額に当てて微かに笑いながら言いました。
「残念だったの。心雪ッ! 妾は3日前から何も食べておらんぞ!」
「っ!?」
柚葉ちゃんの衝撃の一言で私は膝から崩れ落ち、地面に手をつけました。
そ、そんなに前から体重を恐れていたなんて……っ!?
「そ、そんなに太って居たんですね……」
「ふっ!? 太っておらんわッ!!!」
私は柚葉ちゃんとお話をしていると鉄道が到着したので、柚葉ちゃんと共に鉄道に乗り、健康診断の会場のある駅へと向かいました。
会場は駅を降りてすぐ近くにあります。中に入ると案内表と白紙の診断書を渡されました。
順番は決まってないので、取り敢えず歯科から順番に行きました。
「まだ少ないの」
「朝一で来ましたからね。もう少しすれば混みますよ」
猫耳の健康診断は今日のみで、全国で八箇所しかないので、大変混雑します。ですが、皆さんのんびり屋さんが多いので、お昼過ぎぐらいからやって来ます。
なので今回私たちは朝早くに来てみました。
すると私たちの予測通り、お昼過ぎとは異なり、ほとんどの人が居ませんでした。
「はい、次の方どうぞ」
「はいっ、よろしくお願いします」
それから時間が経ち、私と柚葉ちゃんは様々な検査を受けました。
そして、全てを乗り越えたその先に待っていたのは━━━━━━
「心雪さん28kgですね。柚葉さんは39kgです。二人ともコレで終わりのようですね。お疲れ様でした」
体重計の上では思ったよりも太っておらず、安心した私と去年よりも2kg痩せていた柚葉ちゃんが握手をしてる光景がありました。
私と柚葉ちゃんの体重差は身長からきてるものです。なので柚葉ちゃんも私の体重を見ても何とも思いません。
私は柚葉ちゃんの身長が羨ましいですが……
「次の人が待ってますので早く行ってください」
「「すいません……」」
全てを終えた私と柚葉ちゃんは記入して戴いた診断書を提出し、駅へと向かいました。
しかし、私たちの街へと向かう鉄道は1時間後になっており、しばらく帰れないことが確定しました。━━━━というわけで。
「お疲れさまでした!」
「たくさん食べるとするかの!」
今まで散々我慢をしていたので、お食事の時間です!
翌日、柚葉ちゃんの所には健康診断の一部に誤りがあったらしく、もう一度受けさせられる嵌めになって、顔が真っ青になってました。
学校が始まってしまったので、次回から二日毎更新になります。
……っと、言って予約投稿のセットをしておくと心が落ち着きます。あっ、二日更新は本当ですよ?
今回は予定よりもだいぶ早めに連載開始してるのでシンプルにストックがないのです。許して…




