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第96話 ロイは燃え上がる

 燃えろ……燃えろ僕の全て!

 体も心も魂も――この人を倒せるほどに燃え上がれ!


 全身から炎を巻き起こし、ロイはブラットニーに向かって飛翔する。

 心に迷いも恐怖も何も無い。

 ただ燃え上がる闘志のみで敵に狙いを定めていた。


「わ、私たちはアルベルト様に呼び出された――」

「皆なら、勝てるって信じてるから!」


 ローズとカトレアは【呼出】でアルの下に飛び、その場からいなくなってしまう。


「アルさんが二人を呼んだってことは、それだけ相手が強いってことだ! ローズとカトレアの二人がいなく負けたなんて言わせねえ……俺たちだけでもやるぞ!」

「当然だ! 教官の教えが胸にあれば、俺たちは負けねえ!」

「カトレアちゃんのために、全力で行くぞ!」


 エイドルフの激により、仲間たちは勢いを取り戻す。

 だがそれは彼の言葉だけではなく、魂を燃やして戦うロイの姿を見たからだ。

 あんな気合入った奴が隣で戦っていて、自分たちが燃えないなんて嘘だろ!

 ロイの炎は、ローランドの仲間たち全員に伝播していた。


「俺は負けられな、い……クリフレッドのため、に!」

「僕はみんなのために、町のために、人間の未来のために戦っている! だから、絶対に勝つ! 死んでもあなたに勝ってみせる!」


 ロイの巻き起こす炎は鳳凰となり、更に勢いを増して行く。

 ロイが燃えれば燃えるほどに増す力――今、彼の力は果てしなくこの世の誰よりも燃え上がっていた。


 ブラットニーは大量の冷や汗を流しながら、両手を槍状に変化させ――ロイを穿つために放つ。

 右往左往に槍は伸びて行き、ロイの左肩と腹部の右側を貫いた。


「勝っ、た」

「まだだ!」


 ロイの炎はブラットニーの槍をドロドロに溶かし、傷口を完治させる。

 町を丸ごと包み込んでしまうほどの巨大な翼を広げるロイ。


「【鳳凰烈火拳】!!」


 鳳凰と化したロイは上昇を続け――ブラットニーを捉えた。

 打ち貫ききれないブラットニーの肉体。

 ロイは全生命力を、心を燃やし、空を駆け上がる。


「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

「――俺の負け、か」


 とうとうロイの一撃はブラットニーを貫き、勝敗を決した。


「や……った」


 空中で意識を失ったロイ。

 炎は意識と共にフッと消え、その体は自然落下を始める。


「ロイ……ロイ!」


 ブラットニーがやられたことによりモンスターたちは撤退を開始する。

 ボランは自由の利かない体で、ロイの落下地点へと向かってフラフラと歩き出す。


 そしてロイを見事キャッチし、彼の異常なまでに熱くなった体を抱きしめながら、その場に膝をつく。


「すげーぜ……凄すぎるぜ、ロイ! てめえは最高だよ、ああっ!?」


 仲間たちが歓喜の声を上げながらロイたちの下へと集まる。

 そして意識を失ったロイに対して敬意を払い、全員が胸を高らせながら彼の寝顔を見守っていた。



 ◇◇◇◇◇◇◇


同時解放(フルイグニッション)モード』


 ブルーティアの周囲を浮遊し始める【神剣】たち。

 俺はブルーティアを振るい、クリフレッドの攻撃に対応する。


「なっ……」


 神剣の力で、【穏やかなる死を(レクイエム)】の腕を弾き返してやると、クリフレッドは珍しく、驚愕の表情を浮かべる。

 俺は勝機への高揚感を胸に、腹に、全身に感じ、必殺の一撃を放つ。


「【スパイラルストリーム】!」


 世界を揺るがしそうなほどの激しい嵐を巻き起こすブルーティア。

 俺は螺旋状に巻き起こる力を、クリフレッドに向かって解き放つ。


「不自然極まりないものだな、君は!」


 クリフレッドは【スパイラルストリーム】の力に対抗するため、力の限り腕を振るう。

 拮抗する螺旋の力と【穏やかなる死を(レクイエム)】。


「だが……まだ終わりじゃない!」


 クリフレッドが大声で叫ぶと、彼の目は紅く光り、【穏やかなる死を(レクイエム)】の力が増していく。

 徐々に押される俺たち。


『げ、限界じゃなっかったの?』

『驚嘆すべき力だ』

『だけどこっちだって、限界じゃないしっ☆』


 カトレアが【補助】を発動し、全身に力が漲ってくる。

 再度力は拮抗し、大地が割れ始め、激しい衝撃に周囲のモンスターと兵士たちが吹き飛ばされていく。


「こ、これが【人類最強トップ・オブ・ザ・ワールド】と最強魔族との戦い……」

「異次元の戦いだ……生物の限界を超えている!」

「彼が負けたら、俺たちが奴と……」


 兵士たちの悲鳴に近い声が聞こえて来る。

 

「くっ……うおおおおおおおお!!」


 クリフレッドは歯を食いしばり、持てる力を全部出し切るかのように爆発的なエネルギーを全身から放出する。

 限界だとばかり思っていた【穏やかなる死を(レクイエム)】の力がさらに膨張していく。


「統率のクリフレッド……まさか、ここまでの実力者だったとは」


 あまりにも強大な力を前に俺たちは完全に押し込まれ――


 四本の【神剣】が粉々に砕け散り、粒子となった。

【皆様へのお願い】


ここまで読んでいただいてありがとうございます。

大感謝です!


これからもこの作品を他の沢山の方にも読んでいただいて、楽しんでもらいたいと考えております。

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