表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

40/100

第40話 ローランドの冒険者は強い①

「おい、ローランドの冒険者たちだ……」

「最近メキメキ強くなって、難易度の高い仕事もしっかりこなすらしいじゃないか」

「ローランド……この間まで貧乏で荒れ切った町だったのに……それを立て直したのが――」

「アルベルト・ガイゼル」


 周囲の兵士や冒険者の視線を痛いほど感じていた。

 なんでこんなに注目を浴びているのだろう。

 俺、何かやったかな? 

 いくつか仕事はやったけれど。


 レイナークの城門前、どこまでも広がる草原に戦士たちは集結していた。


 今回は上級冒険者に強そうな騎士たちも揃っているようで、前回デビルグリズリーと戦った時と比べると気持ち的にも余裕を感じる。

 強い仲間がいることによって、それはみんなも同じ考えのようで、軽く緊張はしているものの落ち着いた様子をしていた。


「アニキ、どんな敵が来るんですかね?」

「さぁ……まだ見当もつかないけど、無茶はするなよ」

「無茶するかどうかは分かんないですけど、相手を無茶苦茶にはしてやりますよ」


 ジオは歯を見せて笑いながらそう言った。


「……?」


 到着してから30分ほどしただろうか。

 突如、ドッドッドッと大地が揺れる地響きを感じる。


「なんだ? 一体なんなんだ?」


 それは俺だけではなく、周囲の人たちも感じていたようだ。


「……アルベルト様、あれを」


 ローズの頬をツーッと一筋の汗が流れる。

 彼女の示す方向――


 レイナークの北から、モンスターの集団が現れた。


「……どれだけ来るんだよ」


 俺はあまりの数に、呆れ乾いた笑い声を出す。


「……こ、こんな数、俺たちは勝てるのか?」

「お、俺こんなところで死にたくないよ」


 遥か向こうから群を成して進軍するモンスター。

 モンスターの姿で橋から草原がドンドン黒く染められていくような……

 夥しい数のモンスターが地平線から発生しているように見える。


 ガタガタ震え出す、レイナークの戦士たち。

 数人は敵を視認するなり逃げ出していた。


「ご主人様……これは想定外でございますね」

「想定外も想定外だ……どれだけの数を送り込んでくるんだよ」

「ア、アルベルトさん、どうすればいいだろうか?」


 レイナークの冒険者が俺に近づいてきて泣き言を言い出した。

 

 しかしどれだけ泣き言を言ったところで、戦況は変わらないし現実も変わらない。

 だったらやることは一つだけ。


「倒すしかないだろう」

「た、倒すったって」


 俺はローズに視線を向けて、首を縦に振る。

 ローズはそれに応え、ローランドの冒険者たちに向かって大声で叫ぶ。


「いいか! 貴様らは強い! どれだけの敵がいようとも、我々に敗北はない! 貴様らの強さに加えて、我らにはアルベルト様がついている!」

「「「イエス! マム!」」」

「決して押し負けるな! 気持ちで負けるな! この戦い、必ず勝つぞ!」

「「「イエス! マム!」」」


 ローランドの冒険者たちの目に殺気が宿り始める。

 武器を手に取り、その力を解放し始めた。

 

 彼らの異様なほどの強気と殺気に、レイナークの戦士たちはゴクリと息を飲み込んだ。


 そしてローズが手を挙げ、戦士たちに指示を出す。


「突撃せよ!!」

「「「おおおおおおおおっ!!!!」」」


 戦士たちが駆け出し、モンスター以上に大地を揺らす。

 レイナークの戦士たちはポカンとしてそれを見ていたが、騎士の命令でそれに続くように走り出した。


「ティア、ローズ。俺たちも行くぞ」


 ティアはバイクモードに移行する。

 俺がブルーティアに跨ると、ローズはサブマシンガンモードに変形する。

 黒く短い機関銃となったブラックローズを俺は右手で手にした。


「ローズ。【銃】スキルを全開で習得し、ステータスを表示してくれ」

『はっ』


 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


 神剣ブラックローズ・サブマシンガンモード

 FP:5100

 攻撃力:5100

 防御力:0


 スキル 銃10

 サポート 収納 自動回収 通信 呼び出し 空間移動

      成長加速10


 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


 ヒューマンモードを解放してから初めてローズを使うが、素晴らしいステータスをほこっている。


 俺はアクセルを全開にし、全速力で草原を駆け出した。


「俺が先行する。生きて帰るために、無謀なことはするなよ」

「了解っす! だけどみんな血の気が多いんで、約束はできないと思いますよ!」

「とりあえず、みんな死ぬな」



 俺の言葉にローランドのみんなは大声で応える。


 ブルーティアでみんなをかけ放す。

 敵の姿がドンドン近づいてくる。


 ゴブリンにコボルト、オークやゾンビなどあらゆる種類のモンスターの姿が確認できた。


 俺は左に車体を倒し、無言で駆けて行く。

 そしてキッとブルーティアを止め、180°方向を転換する。


「よーし。行くぞ、二人とも」

『かしこまりました』


 俺はモンスターに向かってブラックローズの銃口を向け、限界までアクセルを捻った。

【皆様へのお願い】


ここまで読んでいただいてありがとうございます。

大感謝です!


これからもこの作品を他の沢山の方にも読んでいただいて、楽しんでもらいたいと考えております。

ランキングが上がれば自然に読んでくれる方も増えるので、ぜひお力添えのほど、よろしくお願いいたします。


そのため、もし少しでも、面白かった、続きが気になる。

そう思っていただけたなら、ブックマーク、高評価をお願いします。


評価はこの小説の下にある【☆☆☆☆☆】を押してもらえたらできます。


ブックマーク、高評価は、作品作りの励みになり、モチベーションに繋がります。

是非とも、よろしくお願いいたします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 40話で気になったので ローズはそれに応え、ローランドの冒険者たちに向かって大声で叫ぶ。 「いいか! 貴様らは強い! どれだけの敵がいようとも、我々に敗北はない! 貴様らの強さに加え…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ