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第34話 町のみんなは訓練をする②

 訓練が開始されてから2時間。

 男たちはみるみるうちに強くなっていた。


「やればできるじゃないか! そうだ! 貴様らはもっともっと強くなれるぞ!」

「え~みんなすごいよぉ~。こんなに強くなっちゃたら、私好きになっちゃうかもぉ」


 勢いは止まることなく、モンスターと戦っていく男たち。

 ペトラはその様子を見て、驚いているようだった。


「今朝まで自信も無かった人たちが本当に強くなり始めてますね……」

「うん。この間、人を褒めろって言ったろ?」

「はい」

「そして人の能力は効率よく伸ばしていこうと思うなら、これまた褒めてあげた方がいいんだよ」

「え? 褒めた方が伸びるんですか?」


 俺はゆっくり首肯する。


「うん。犬だって褒めてやれば芸をどんどん覚えていくだろ? それと同じで、人間も褒められた方が伸びていくものなんだよ。叱った方が伸びるなんて考えは幻想もいいところだ。本当の能力の伸ばし方は、褒めて伸ばす。これが真実だと俺は信じている」

「なるほど……だからローズさんとカトレアさんはみんなを褒めているんですね」

「そういうことさ」


 二人に褒められ、喜びに震えながら戦う男たち。


「でも本当に、どんどん強くなっていますね……」

「マーム! 自分、ローズ教官のためにももっと強くなるであります!」

「カトレアちゃーん! 強くなるから俺のこと好きになってねぇ~」

 

 ペトラは青い顔をして男たちを見ていた。


「どんどん強くなるのはいいんですが……どんどんおかしくなってるような気もするんですが……」

「ははは。それは否定できないなぁ……」

「妹たちは可愛いですから。惚れてしまうのも致し方ないかと」


 完全にローズとカトレアに骨抜きにされた男たち。

 俺も呆れながらみんなを見ていた。


 だがそんなことを言うティアにも、人気があることを俺は知っている。

 二人と比べてもそん色ないぐらい美人のティアには、町に大勢のファンがいるのだ。

 俺の神剣たちがこんなに人気があるなんて、ちょっと鼻が高いな。

 可愛い妹たちが褒められるといったような気分であろうか。

 妹いないから分からないけど。


「ん?」


 最後尾からヨロヨロとこちらに向かってくる少年の姿があり、彼はボロボロになって泣いている。


「ひん……ひん……」

「ど、どうしたんだ?」

「ロイ……参加してたのね」


 ロイ……たしか、ペトラの妹に惚れている少年だったけ。


 彼は俺の足元で膝をつき、大粒の涙を流している。


「ぼ、僕も強くなりたいと思って参加したけど……全然ダメなんです」

「そのうちできるようになるんじゃない、かな……? 誰だって最初はできないものさ」

「でも、みんなは戦えてるじゃないですか……」


 ロイはぐずって俯くばかりであった。

 俺は嘆息しながら、言う。


「今度君でも安全に戦える場所に連れて行ってあげるから。今日は後方から見学でもしておきなよ。せめてみんなの気迫だけでも感じればいいさ」

「は、はぁ……」


 力無く頷くロイ。

 俺はティアに視線を向けると、彼女は静かに首を縦に振る。


「じゃあペトラ。俺たちは別の仕事に行くから、ペトラもみんなのことを褒めて応援してきてやってくれ」

「は、はい……私相手じゃ、皆さんもおかしくなりませんよね? お二人みたいに可愛くないですし」


 それは分からんぞ。

 というか、ペトラも十分可愛いからその可能性は大ありだと思う。


 ペトラはロイを連れて、ローズたちの近くまで移動する。


 俺はレイナークに空間を繋げ、ティアと共に穴を抜けた。


「さてと、俺たちが向かうのは……西の山だったな」

「さようでございます……」


 ティアは一度頭を下げると、なんと俺の腕に手を回してきた。

 大きくて柔らかく素晴らしい感触を得る。


「ど、どうしたんだよ、急に」

「ご無礼をお許しください。ですが、二人きりというのは久々なもので……」

「はぁ」


 そう言えばそうか。

 ずっと誰かと一緒だったから二人きりになることって無かったもんな。

 しかし、ティアがそんなことを気にしていたとは……


 今もちょっぴり紅潮させ、嬉しそうに猫耳を動かしていた。


「にゃふふふ……」

「…………」


 なんだか照れるなぁ。

 だけどティアが嬉しいならこのままでもいいけど。

 というか俺も結構嬉しかったりして。


 ティアは上機嫌のまま俺から離れ、バイクモードに変形した。


『ではまいりましょう』


 

 ◇◇◇◇◇◇◇



 ブルーティアに跨り、グロートの森を迂回しながら西へ進んで行く。


「ティア。ステータスの確認をしたい」

『かしこまりました』


 スピードメーター辺りからステータス画面が表示される。


 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


 神剣ブルーティア・バイクモード

 FP:5700

 攻撃力:0

 防御力:5700


 スキル 剣10 弓1 銃1 火術10 水術10 

     錬金術10 鑑定10 操縦技術10

 サポート 収納 自動回収 通信 呼び出し 空間移動

      遠隔接続 異世界ショップ 眷属 身体能力強化10 

      状態異常無効 成長加速10



 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


「おおっ。これはまたずいぶん強くなったものだね」

『毎日狩りをしていますから』

「いやーティアが頑張ってくれるおかげで俺も自動的に強くなれる。本当によくできた子だよ。ありがとう」

『ご主人様に喜んでいただくのが私の生き甲斐ですから』


 俺はティアの好意的な言葉に心底喜んでいた。


 これなら高難易度の依頼が来ようとも問題なく攻略できそうだ。

 もっと金を稼いでもっと町を大きく発展させられる。


 本当、神剣様様だなぁ。

 ティアたちを与えてくれてありがとう、神様。

【皆様へのお願い】


ここまで読んでいただいてありがとうございます。

大感謝です!


これからもこの作品を他の沢山の方にも読んでいただいて、楽しんでもらいたいと考えております。

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