ゴブリンの罠
ジンはブラックバットを集め、革袋に収納した。
大量だ。
ジンは前を向いて歩き出した。
ダンジョンにはまだ奥がある。
そろそろ、昼食にしよう。
ジンは思った。
歩きながら革袋からサンドイッチを取り出し、アリスにも一つ渡した。
時間を節約するため、ジンとアリスは歩きながら食べた。
ジンとアリスは奥を目指した。
ダンジョンをひたすら突き進む。
するとゴブリンが1匹飛び出してきた。
珍しい。
ゴブリンルーム以外でゴブリンと出会うなんて。
ジンは驚いた。
しかし、攻撃は迅速に行われ、ゴブリンはジンの剣で切り殺された。
カヒャ
ゴブリンが鳴いた。
すると周りからゴブリンの鳴き声が響き始めた。
カヒャヒャヒャ、カヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ、カヒャヒャヒャヒャ
カヒャヒャヒャ、カヒャヒャヒャヒャヒャヒャ
カヒャヒャヒャヒャ
なんて数だ!
こんなにゴブリンを見たことがない。
何かが起こっている。
シュン
ジンの後方から水球が飛んできた。
飛んできた水球は頰をかすめて壁に激突する。
壁には大きな穴が空いた。
さっきのは当たっていたらヤバかったな。
敵の姿が見えなかった。
ゴブリンウィッチにちがいない。ジンは思った。
ジンはシルバに背後を任せて目の前のゴブリン目掛けて、雷球を放った。
強い光がダンジョンを照らす
雷球に怯んだゴブリンがいるはずだ。
ジンは怯んだゴブリンを狩るつもりだった。
しかし
ジンの作戦は失敗した。
なんとゴブリンが仲間を盾にして攻撃を防いでいたのだ。
雷球に怯んだ様子は見てとれない。
どうやら先ほどのブラックバットとの戦いを見ていたらしい。
完全にこちらが不利な状況だった。
こうなったら無理やりにでも前に進むべきだとジンは考えた。
早く第2層に到達しなければ。
第2層にはゴブリンが出没しないと聞く。
ジンとアリスは目の前のゴブリンを押し分け、切り捨て前に進む。
第2層へと続くであろうワープパネルを探して。
カヒャヒャヒャヒャ、カヒャヒャヒャヒャ
ゴブリンの鳴き声が鳴り止まない。
どこまで行ってもゴブリンだった。
前に進むべきだ。
ジンは進む。
前に
前に
前に。
しかし、どんなにゴブリンを切り捨ててもゴブリンがいっこうにいなくならない。
それでも前に進めば希望があると、ジンは進む考えを変えなかった。
……………
あれから20時間以上、ジン達は戦い続けていた。
もうすでにダンジョンの外では2日目の太陽が昇っていることだろう。
迫り来るゴブリンは衰えを知らない。
しかし、それでもジン達は前に進んだ。
前に進んでいった。
だが、ついに進路が断たれた。
ジン達の目の前には壁が広がっていた。
完全に追いつめられたのだ。
ゴブリンの罠にかかった。
自分達は逃げ場のない空間に誘い込まれたのだとジンは理解した。
「アリス、ごめん僕たちはどうやらゴブリンたちに嵌められたらしい」
「その通りなのです」
アリスが淡々と答えた。
ジンは追いつめられた。
……………
ジンは自身に問う。
どうする?どうすればいい?
自分は弱い。
だけどこんなところで死にたくない。
どうすればいい?
意識は自然と内側へ向かっていった。
意識を完全に内側へ向ける前に、ジンは思った。
そういえば、ゴブリンがまだ近くにいるんだった。
アリス
アリス
「アリス、10秒時間を稼いでくれ」
「オーケー」
短い返事が聞こえた。
ジンは意識の底に沈んでいった。
……
(自分が戦っている。これは未来の記憶だろうか?
ああ、そうだこれは未来の記憶だ。
未来の自分はどうやってこのピンチを切り抜けたのだろう?
・・・・・。
ハハハ、アハハハハ
なんて滑稽な光景だろうか、しかしなるほど、
確かにこれなら切り抜けられる。
このピンチを抜け出せる。
さあ、反撃の時間だ)
意識を外に向けて現実に戻った。
「アリス、ちょっと力を貸してくれないか?」
「オーケー」
アリスは当たり前のように返事をした。
そしてジンは言った。
「アリス、僕を肩車して始めのワープパネルまで走ってくれないか?」
アリスは首を傾げたが、最後にコクンと頷いた。
「ありがとう、アリス。さあ、反撃開始だ。ゴブリンどもを皆殺しにするぞ!!」




