ダンジョン1日目
ツアーから2週間が経った。
ジンは今依頼を受けている。
ジンの革袋にたくさんの食料が入っている。
アリスと集合し終えると言った。
「準備はいいね?じゃあ出発だ!」
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ジンは今日も掲示板を眺めていた。
あのツアー以来、ダンジョンに潜りたくてしょうがなかった。
まだ見ぬ景色がダンジョンにはある。
まだ経験したことのない冒険がそこにある。
何かダンジョンの依頼はないのだろうか?
ゴブリンルームのさらに先の依頼は無いのだろうか?
2日前も昨日もゴブリンルームまでの依頼しか掲示板には無かった。
今日こそはダンジョンの奥深くに潜れる依頼がある気がした。
掲示板を見る。
するとある一枚の依頼書が目に飛び込んできた。
自然と手が依頼書にのびる。
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ダンジョン探索依頼
ランクE
ランクEがどこまで潜れるかデータを取りたい。
他には最近のモンスターの傾向を知りたい。出来るだけたくさんモンスターを運べるランクEのパーティーはぜひ受けに来てください。
依頼者 ギルド
成功報酬 倒したモンスターを買い取り
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これだとジンは思った。
すぐにアリスを捕まえに行き、依頼を受注した。
ランクEの冒険者が依頼を受けた場合、依頼を受けてから1週間後には受注者の捜索隊が派遣される。
ジンは捜索隊が送られない期日のギリギリである7日間でダンジョンの探索をすることにした。
アリスとはいったん別れ、ジンは冒険の準備に取り掛かった。
店に行き、7日分の食料を買った。
アリスには食料は自分が用意すると言ってある。
今日から7日なので、今日の朝ご飯、最終日の夕飯を考えると二食分余分に買ったことになる。
これはジンなりの備えだった。
ダンジョンでは何が起こっても不思議ではない。
そして準備が終わり、いよいよダンジョンに潜ることになったのだ。
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ジンは今ゴブリンルームを通っていた。
前のゴブリン狩りがあったおかげか、ゴブリンは見当たらない。
どうも、戦闘をせずにゴブリンルームを抜けられそうだ。
カシャカシャ、シュシュウ
遠くでゴブリンの鳴き声が聞こえた。
そしてジンはいよいよ、人生で初めてワープパネルを使用する。
ワープパネルに手を当て、魔力を流す。
パネルが赤く光った。
気がつくと周りの風景が変わっていた。
変わった形の岩が並んでいる。
ジンが風景を眺めていると足元にフサフサした感触が突如現れた。
ジンは慌てて飛び退いた。
ワープパネルの上にはシルバが立っていた。
どうやらワープパネルはワープ後すぐにどかないといけないらしい。
シルバの後にアリスが現れてシルバが尻尾を踏まれ、ガルルルとアリスに唸っていた。
ワープが重なるものでなくて本当に良かった。
ジンは製作者の安全性への配慮に本当に感謝した。
ジンはアリスと共にダンジョンを進んだ。
壁には白い粉で1と書かれている。
どうやらまだ自分達が1層にいるらしいことがわかった。
通路の先に分かれ道が見えた。
ジンは分かれ道に近づく。
右か、左か?
どちらがいいのか正直わからない。
結局、シルバの鼻に頼ることにした。
シルバならば美味しいモンスターを見つけてくれるだろう。
シルバに従い、ジンは右の道に進む。
アリスは黙って後に続いた。
しばらく進み、沼に入った。
すると、上からモンスターが大量に降ってきた。
慌てて風足を発動し、沼から脱出した。
モンスターはブラックバットだった。
暗闇に潜み、空を飛んで獲物を取るハンターだ。
ジンは空中で雷球を発動してかべにぶつけた。
ゴロゴロ、ドッカーン
すさまじ音とともに光が発生し、洞窟を照らした。
ブラックバット。
名前にバットとつくだけのことはある。
要はただの凶暴なコウモリだ。
ブラックバットは鳴り響く音に、超音波の反射を阻害され、次々と壁や地面、そして天井にぶつかった。
地面に落ちたブラックバットをアリスがナイフで次々と刺し殺し、壁に当たってよろける敵をシルバがその鋭い牙で噛み殺した。
もちろんジンもただ突っ立っているわけではない。
空中に浮かんでいたジンは天井に近い。
ジンは天井にぶつかったブラックバットを逃さなかった。
ダンジョン1日目、この日ジンたちは大量のブラックバットを手に入れた。




