ギルド
ジンは門をくぐると目前の光景に驚いた。
外からは分からなかったが城壁の中にまた壁があったのだ。
この街いったい何人の人が住んでいるのだろう?
周りを見ながら街を進む。
背後では例の白装束がこちらを睨んでいた。
視線がひどく気になった。
グー、キュルキュル
ジンのお腹が鳴った。
するとそれを合図にするようにシルバが駆け出した。
ジンは慌てて後を追う。
「こら、待て!貴様逃げる気か!」
あいつが叫んでいる。
しかしそんなことはどうだっていい。
こちらは一大事なのだ。
ジンとシルバは腹が減っていた。
シルバが町をかけ
ジンが後を追う
そしてようやくシルバがある一軒の店の前で止まった。
看板を見る。
ジンは看板の文字を読むことができた。
ジニー精肉店と書いてあった。
ていうか料理店じゃないの?
ジンはガックリと肩を落とした。
店に入るとジンは1番でかい肉を買った。
この世界も10進法が適応され、銅貨10枚で銀貨1枚、銀貨10枚で金貨1枚になるらしい。
ジンは肉代として銅貨8枚払った。
店を出てジンは店先で肉を焼いた。
魔法回路を肉に指定して肉を焼いた。
肉が墨にならないように絶妙な火加減がなされている。
セツナに学んだ魔力制御の賜物だ。
肉が焼けると肉を切り分けた。肉切り包丁がないため剣で真っ二つにした。
切った剣は魔法で油を飛ばした。
やっぱり戦闘で使う剣は大切にしないとね!
ジンとシルバは肉を頬張った。満足のいく味で十分にお腹が膨れた。
しばらくしてまた白装束がやってきた。
肩で息をしている。
どうやら相当走り回ったらしい。
シルバがいるのにどうしてすぐに見つからなかったのだろう?
「かってに行動するしないでもらえないか?」
あいつが言ってきた。
まあ、こちらは空腹という危機を脱したわけだし、断る理由がなかった。
ジンは頷いた。
白装束に連れられ、ジンはある建物に入った。
白装束は建物に入ると真っ直ぐに受付に歩いていった。
「あら、コニーさん。今は勤務中ではなくって?」
受付の綺麗な女性が白装束に話しかける。
白装束はコニーというらしい。
「勤務中だから来たんだ。ちょっと厄介なことになってね。こいつの冒険者登録を済ませたい」
コニーが言ってこちらを見た。
受付のお姉さんはこっちを見て驚いた顔をした後、営業スマイルを浮かべて言った。
「お客様、新規の冒険者登録でよろしいですね?」
ジンは頷く。
「では出身、性別、名前そして戦闘時に使う武器を書いてください。また、魔法を使う場合はこちらに魔法回路を構成してください」
ジンは受付のお姉さんから紙と羽ペンを受け取って書き込んだ。
(出身) トーネ山
(性別)男
(名前)ジン
(武器)剣、ナイフ
ジンは書き終えると固有回路を引きのばし、魔法回路を指定の位置に構築した。
紙が僅かに光った気がした。
「では次に使い魔をお持ちのかたはこちらの紙に使い魔の手形を押させていただきます。使い魔は動物、モンスターどちらでもかまいません。お客様は、、、あちらのオオカミが使い魔ですか?」
若干、最後の方でお姉さんの顔が引きつっていた。
「はい、そうです。シルバ、ちょっとこっち来て!」
シルバを呼んだらこちらに近づいてきた。
受付に顔を突っ込んできた。
「きゃっ」
受付のお姉さんが悲鳴をあげた。
「大丈夫、噛んだりしませんよ。そちらに敵意がなければね」
ジンは笑って言った。
受付のお姉さんが朱肉と紙を出してきた。
どうやらまだ怖いらしく腰が引けている。
さっきは手形を取らせていただくと言っていなかったっけ?
ジンは朱肉をシルバの前足に押して紙に手形を取った。
シルバは嫌そうな顔をした。




