表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
死に損ないは笑う  作者: 真咲 タキ
第2章 冒険者見習い篇
17/28

 セツナのもとを離れてからジンは革袋の中身を確認した。

 中には


 ・セツナの笹舟

 ・塩

 ・方位磁針

 ・水袋

 ・ナイフ9本

 ・ゴブリンの内臓

 *銅貨13枚

 *銀貨30枚

 *金貨10枚


 が入っていた。

 ジンの上着にはナイフが1本

 腰には鉄剣が1本ぶら下がっている。


 ジンはゴブリンの内臓が入っていることを確認して自身が革袋の性能を確認しようとしていたことを思い出した。


 果たしたして、この魔法道具は物体の腐敗を止めることができるのだろうか。


 ジンは革袋からゴブリンの内臓を取り出した。


 頭の中で目標を選択すると、革袋に入れた手にねちゃりとした感触が伝わってきた。


 これはまずい。


 手がヌメヌメする。

 これは絶対腐っている。

 ジンは確信した。



 手をゆっくりと革袋から引き抜く。

 隣では何が出てくるのか楽しむようにシルバがしっぽを振っている。


 シルバごめんな。

 これはオオカミには辛いやつだ。


 袋から手と共に茶色の液体と緑色の物体が飛び出してきて地面に模様を描いた。


 ベチャ、ドッローーーーン


 糸を引いている。

 けっこうな匂いがジンの周りに広がった。

 シルバは匂いを嗅ぐやいなや目を白黒させている。

 シルバの歩調がこんがらがっている。


 右前足と右後ろ足、左後ろ足を同時にだし、遅れて左前足を出している。


 シルバごめんな


 本当に申し訳ない気持ちになった。

 …………






 ジンは迷うことなく匂い爆弾を処理することにした。

 正直これはオオカミだけでなく人までも殺せる臭さだった。


 ジンは穴を地面に掘って爆弾を埋めた。


 爆弾を掘り返すやつがいないように地中深くにしっかりと埋めた。


 しかし匂いが手からなくならない。

 シルバはジンから距離をとって地面に背中を擦り付けている。


 ジンは水場を探して水浴びをすることにした。

 記憶を参照していればよかった。

 ジンは後悔した。

 もっとも、記憶とずれが生じないようにジンならば匂い爆弾を作動させたであろうが。


 ジンは小川を見つけ、川に沿って歩いた。

 小川は次第に幾本も混じり合い、人1人がつかれるほどの深さになった。


 ジンは装備を外し手を水で清めた。

 そして装備もからだも水で洗った。

 その川で匂いにやられたのか魚が浮いてきたのはラッキーだと思っておこう。


 革袋には魚が3匹追加された。

 そして装備を背負いなおし、再び歩きだした。

 目的地は首都のボランだ。


 匂いはすっかりとれてシルバが隣に戻ってきた。

 しかしオオカミにとってはまだ匂うらしく、いつもよりジンとシルバの間には距離があった。


 ポタリ、服から水が滴り落ちる。


 ジンは服を乾かすため魔法を使った。


 目標座標を設定して固有回路から魔法回路を形成した。

 今回使うのは火と風に属する魔法だ。


 シュウー


 ジンの体の側面から蒸気が出た。

 もちろんジンが火傷するほどの熱さではない。

 ただ水分を飛ばしただけだ。


 ジンは歩き出した。

 シルバと共に


 ああ、酷い目にあった。

 しかし分かったことがある。


 ゴブリンの内臓は腐るとものすごく臭い。

 そしてあの革袋は中のものの腐敗を止められない。


 まあ、よく考えてみれば分かることだった。

 革袋の中身の腐敗を止めるためには革袋内の時間を止めなくてはならない。

 もしそうであれば手を入れた瞬間、入れた手は時間を止められて壊死していただろう。


 ジンは息を吐き出した。


 ウォウン?


 シルバが鳴いた。


 首都のボランの影が続く大地の向こうに見えた気がした。








評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ