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裏切り者として死んで転生したら、私を憎んでいるはずの王太子殿下がなぜか優しくしてくるので、勘違いしないよう気を付けます  作者: みゅー


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文章が稚拙なのでちょいちょい改稿します。

 飛行機の中でこれ食べよう。


 そう思った翡翠は、肉巻きおにぎり弁当を手にするとレジに向かった。


 父方の祖父母のもとへ一人で向かうことになり、翡翠ははじめて行く一人旅に胸を膨らませていた。


 誰にも気兼ねなく自由に行動できる。最高だ。


 そう思いながら空港で旅行前の雰囲気を楽しんでいた。荷物は持ちたくないので、すでに祖父母の家に送ってしまっている。


 手荷物が少ない分、好きなだけ食べ物を買うことができるのでウキウキしながら惣菜を買い込んだ。


 搭乗手続きを終えて、保安検査を抜けると搭乗口へ向かう。


 買い物に夢中になっていたせいか、翡翠の乗る飛行機への搭乗案内はもう始まっており慌てて搭乗口を抜けた。


 チケットを確認しながら席に着くと、シートベルトをして備え付けの雑誌をペラペラとめくりながら離陸を待った。


 ボーディングブリッジが外され、扉がロックされると飛行機はトーイングトラクターによってバックし始める。


 そうして誘導路を走り出すと窓の外には手を振る整備士が見え、その整備士たちに手を振り返すと離陸に備える。


 滑走路に入り『ポーン』と音がすると、飛行機は急速にスピードをあげていく。翡翠はぐっと肘置きを握ると外を見つめ、これから行く旅先に思いを馳せた。


 機体が浮き上がると体にぐっと重力を感じ、眼下に広がる町並みを見つめる。


 我が家は見えるだろうか?


 そんなことを思いながら、建物の位置関係から見て場所の確認をしていた。


 飛行機はぐんぐんと上昇していきしばらくすると、水平飛行へ移行しシートベルト着用サインが消えた。


 それを確認すると、洗面所を使いたかった翡翠は早速席を立ち、通路に出たその時だった、突然後方からパン! と、大きな音がしたかと思うと猛烈な突風に襲われ、席を離れていた翡翠はあっという間に吹き飛ばされた。


 次の瞬間目の前に青空が広がっていた。そこはとても寒く、一瞬で意識をうしなった。





 気がつくと翡翠はベッドに横たわっていた。


 夢を見ていたのだろうか?


 そう思いながら起き上がり周囲を見渡すと、その部屋には天蓋つきのベッドや美しいレースのカーテンなどとても豪奢な調度品が取り揃えられていた。


 翡翠は、どこかの格式高いホテルにでも連れてこられたのだろうかと混乱しながら、窓の外に視線を移すとそこに見慣れた建物を見つけた。


「あれは国立アロイス魔法学校ノイアルベ校? ということはここはサイデューム国?!」


 翡翠は驚きながらこれが現実なのかと、部屋の中や窓の外をじっくりと観察した。


 翡翠にはサイデューム国でジェイドとして生きていた時の記憶があった。


 とはいえ、翡翠に生まれ変わってからは過去の記憶が現在の生活に影響することはなく、当時の記憶に振り回されることもなく平和に生きてきた。


 それにあまり考えたくはないが、ジェイドはきっとサイデューム国では裏切り者として扱われているはずだ。


 できればサイデュームでのことは忘れたいぐらいだった。それなのに、サイデュームへ戻ってきてしまった。


 落ち着こう。もしかして夢かもしれないし……。


 そう思いとりあえずソファーに座り呆然とした。


「お目覚めになったんですね?!」


 振り向くとメイドが立っていた。メイドはすぐに踵を返すと誰かを呼びに行ったようだった。


 翡翠はその間に壁に掛けてある鏡を覗き込む。そこには不安そうな表情の翡翠の顔が写っていた。


 翡翠とジェイドはそっくりだが、瞳の色と髪の色が違っているし戦争のない世界に生きてきたせいか、翡翠の方が少し温和な顔つきだ。


「そうだよね、今の私は翡翠だよね」


 そう呟いていると、部屋の入り口に誰か立っているのに気づきそちらを見ると、眼鏡をかけよれよれの白衣を着た男性が立っていた。


「起きたんですね。体の調子はどうですか? ここがどこだかわかりますか?」


「えっと、体の調子は大丈夫です。あの、あなたは?」


「あっ、すみません自己紹介もしていませんでした。僕はオオハラといいます。ここサイデュームで『ジェイド』を研究している学者です」


『ジェイド』という単語が出てきて翡翠は少し動揺したが、それを相手に悟られないようにこらえると質問する。


「オオハラさんですね、私は翡翠と申します。ところであの、ここはどこですか? 私はどうしてここに?」


「それはですね……」


 言いかけたところで、勢いよく背後から誰かが部屋へ駆け込んだ。見るとカーレルだった。


 翡翠はカーレルを見ると驚いてソファーから立ち上がり後ずさった。カーレルはジェイドのことをきっと恨んでいるだろう。


 カーレルはつらそうな悲しそうななんともいえない顔で翡翠を見つめると叫ぶように言った。


「ジェイド!!」


 そして翡翠の方へ駆け寄る。横に立っていたオオハラが慌ててそれを止めた。


「殿下、気持ちはわかりますが彼女は今ジェイドの頃の記憶を有していません! とにかく落ち着いて」


 翡翠はそんな様子のカーレルを見て、胸の奥がギュッとしめつけられるような感覚を覚えたが、それを隠すと笑顔でカーレルに質問する。


「あの、あなたは私をご存知なんですか?」


 するとカーレルは少し落ち着きを取り戻したようで、オオハラの手を振り払うと自身の乱れたジャケットを整えた。


「知っている」


「そうなんですね。ごめんなさい、どこで会ったか覚えていないのですが」


 翡翠がそう答えると、カーレルはがっかりした顔をした。


 当然だろう。カーレルたちにしてみれば、なぜジェイドがあんなことをしでかしたのかその真相を知りたかったはずだ。


 そう思いながらジェイドについて話すべきかどうか迷っていた。


 そのとき、もう一人誰かが部屋へ駆け込むとカーレルに飛び付いた。


「カーレル殿下! お久しぶりです!!」


 それはミリナだった。カーレルはミリナを鬱陶しそうに無言で払いのけた。ミリナはそんなカーレルの反応を見て驚いていたが、カーレルの視線を辿って翡翠に視線を向けると笑顔を見せた。


「あら、あなたは……、ジェイド?」


 翡翠は驚いてブンブンと首を横に振った。


「ち、違います。私は翡翠って言います」


 するとミリナは翡翠の元へ駆け寄り、手を取ると優しく握った。


「そう、私はミリナ! よろしくね」


 そう言うと振り返りカーレルの方を見た。


「ごめんなさい。久しぶりに会えたから嬉しくて飛び付いちゃったけど、取り込み中だったのね。邪魔しちゃったわ」

誤字脱字報告ありがとうございます。


書籍化希望される方は、高評価・ブックマークをよろしくお願いいたします。


※この作品フィクションであり、架空の世界のお話です。実在の人物や団体などとは関係ありません。また、階級などの詳細な点について、実際の歴史とは異なることがありますのでご了承下さい。


私の作品を読んでいただいて、本当にありがとうございます。


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