〇サブストーリー 「現実世界・じいさんの目的」
サブストーリーはメインストーリーに関係するお話となっています。
~現実世界・住研究所
「やっべ!
ポポロチョコめちゃ美味いんだけど!」
速水は遠慮なく変わった形のチョコを口に沢山入れている。
俺、那藤と速水は住住男つまりスミスに呼ばれ彼の研究所に居た、織姫の件で呼ばれた時の話だ。
スミスはにこにこ微笑んだ。
「そうかそうか、君は相変わらず甘い物が大好きだなぁ」
「はやみんのアバターが持ってる武器全部お菓子だからね。
攻撃力はごっつ弱いけど」
「お前のアバターは才能値高いのに見た目全振りだから勿体ないな」
俺は速水の豪快な食べっぷりを見つめながら肘をついてそう言うと、速水とスミスは同時に
「これだからガチ勢は」
いや、ハモらせないでくれ。
ちなみに才能値はまた今度説明するな、まぁ名の通りだけど。
って誰に話してるんだ俺。
俺は自分で自分に突っ込み、また気まずくなる。
すると話題が無くなったのか静かになりスミスはいきなりとんでもないことを話した。
「そういや話変わるけどなんで私工学博士辞めたかって話したことあったけ?」
「確かに博士って仕事とかじゃなくて学歴みたいな物だよね」
速水もすぐに反応した。
確かに元教授なら分かる、なのに何故か元博士という扱いなのだ。
スミスは髭に手を当て真剣な表情をした。
「うーん、まぁ学位ってのがあるんよ。
博士とかの位の事な。
それを大昔取り消しされちったんさ」
「!!」
俺と速水は驚いて目を見張った。
流石の速水もお菓子の手が止まる。
急にとんでもないカミングアウトにビビった。
スミスは目を瞑りお茶を飲み話を始める。
「私は昔からロボットが好きだった。
小さい頃なんかはSF小説なんかで人間とは違う新しい存在に胸にときめかしたものだ。
そして研究をしていたAIとアンドロイドについてが人間ではなく今のGMに利益があると判断され何十年か前に取り消された」
「シンギュラリティの恐怖ですか。
自分たちの仕事を取られてしまうという考えが広まった時期がありましたね」
「そうだね、那藤くん。
今までの仕事を彼らが変わってくれたが今はGMが人間に娯楽で生きていけるようにしてくれた。
私としては彼らに感謝してるのだがね」
俺達が生まれる前西暦2020年弱の時期だろうか。
急に難しそうな話に入ったせいか速水はまたお菓子を食べ始める。
確かに魔物の討伐や未知の宝物や素材を集めるだけでお金を稼げる世界。
そこの通貨も現実世界に持って行けるしそもそも生きてくのに最低限のお金はGMがくれる。
スミスは話を続けた。
「完全管理社会とも言えるが過去のようにしたくない仕事をする人生でもない。
健康の為に体を動かしたら後は好きなことをして生きていける世の中になった。
私はそれを夢見て博士を取り消しになってもこうしたアンドロイドの研究をしていたのさ。」
「もしかして!
シンギュラリティの黒幕はじいさんなの!?」
「……」
まさか!?
俺も速水の言葉に驚き目を見開く。
意味ありげにスミスは無言でにこりとすると髭を触り一言。
「彼らGMが勝手にしたことさ。
私にできたのは小さなブリキみたいなおもちゃを君達子供に配ってその反応を見るくらい。
AI研究が人間の進化を脅かすと言われた2040年辺りにはAI達が密かに動いてあの年、2045年になって勝手に私達の身分をひっくり返したのさ」
「そうするとあいつらGMって悪いやつなのかな、はやみん達って今みたいにお菓子を与えられて言うことを聞いてるだけな気がするのね」
「こら速水、失礼極まりないないぞ」
悪気はないだろうが例えようとして失言をした彼を俺は窘めるとそれを見てスミスは大笑いした。
「ははは!
まぁ私もこうして織姫の事を頼むのにお菓子を餌にしているようなもんさね。
ただ悪いやつかと言われたら人による考えで違うかもな。
彼らは面倒事をやってくれるし、人間が主導権を持ったから戦争や環境破壊を繰り返した過ちを自分たちが背負うことで無くしてくれたから私は良いヤツらだとは思う」
「まぁ、間違いはありせんね。
人間なんて汚いから」
俺は奥歯を噛んだ。
つい昔の事件を思い出したからだ、あれは人間の醜さが生んだ物。
他の人はスミスのように違った考えを感じるかもしれないが俺は少なくとも人間そのものよりは優秀な彼らがマシと感じる。
速水はハッキリした口調で首を振った。
「でもさどんな奴かもまだ分からないヤツらなんて信用ならないじゃん」
速水の言うことも頷ける、確かに知らないは信用出来ないのもそうだ、ならそれを知ることが出来れば……
もしかしてとスミスを見る。
「そう、だからこそだ。
今回丁度私達にコンタクトを取ったGM織姫は人間のことを知りたいと言って来た。
彼らは私達がGMを知らぬよう、彼らも人間を知らない。
そこで那藤くんには彼女に現実と仮想その二つの世界で取り敢えずコンタクトを取ってもらいたい。
そして速水くんには彼のアシストをしてあげて欲しい、君達はよく共に行動するからな」
「はやみんにお任せ!」
俺は返事が一つ遅れた。
自分には向かないと感じたからだ。
速水の方がこうした人間文化を教えるのにあたり良いと思う。
人間の姿が嫌で人間とは程遠いパンダの姿をしていたのに俺を選んできたあのGMの気が知れない。
いやまず彼らについて詳しく分からないのだが。
なら仕方ないか。
返事を待つスミスに一呼吸を置いて返事をした。
「分かったよじいさん」




