・キャラストーリー (見た目が)ヤクザと幼女と陰キャを連れて寿司屋に行った話 ※挿絵有
見た目 名前 詳細
パンダ 淘汰 主人公
幼女 織姫 ヒロイン
陰キャ ねこさん
じじい スミス
キャラストーリーはメインストーリーに直接関係しないお話となっています。
~仮想空間・ギルドハウスにて
織姫「もぐもぐ」
淘汰「おーい、またカツ丼食ってるのか?
お前カツ丼食ってるとこしか見た事ねぇぞ」
休日の昼、ギルドハウスに入ると、織姫は無表情無言でカツ丼を食べていた。
美味しいのか不味いのか、全く察することも出来ない。
俺はサトウキビを机に置いて、近くの席に座る。
返事も無いし暗黙の了解って事で、とりあえず飯食うか。
隣でサトウキビにかじりつくと、急に織姫が怒った。
織姫「アンタ!日本人のマナーで、食べる前には頂きますって言うの知らないの!?
本で読んだんだから!」
淘汰「わ、わりぃ。
頂きます。
ところでお前はカツ丼ばっかで飽きないのか?」
織姫「ごくん。
食べ物をお口に入れて話さない!
もう、クチャってて周りが不快になるじゃない!
ちなみにカツ丼以上の美味い物を、私は知らないからこれだけでいいの。
これ以上美味しいものを探す労力は、効率的に考えて最悪だから」
淘汰「食事マナーにわか厄介おばさんか?
しかし折角味覚あるのに勿体ねえな。
ラーメンとか寿司とか美味いぞ?
いや俺は食事は非常に苦手だが、それでも少しは貰って食べるくらいだ」
織姫「へぇ、説得力あるじゃない?
食べる事を死にかけてもしない、あんたがそれ程まで言う食べ物。
興味あるわ。
特に寿司って名前が気になる、名前が二文字で短いから。
後、次ばばあ呼ばわりしたらぶっとばすわよ!」
口調は刺々しいが、珍しく織姫は目を輝かせていた。
そういった表情は表に出さない奴なのに、もろにワクワクした顔をしている。
仕方ねぇ、飯奢るか。
俺は財布を確認した。
いや、やっべ札すらねぇ。
最近ねこさんと、高レベル帯の狩りに行けてないから、お金が全然ないんだよなぁ。
淘汰「わり、金が……」
その時だ。
ギルドハウスの奥から大きな声が響いた。
スミス「女を飯に連れて行けない奴が、男を名乗るのは失格じゃけぇ!」
俺は突然ぶっ飛んできた、長財布が顔にぶつけよろけた。
スミス「あ、しまった。
ノリで投げちまったが、保険証とクレジットと運転免許入っとるからシャレにならん。
すまぬ、丁寧に返してくれたまえ」
淘汰「時速百何十kmで返せばいい?」
スミス「硬式野球じゃないんだよ!?」
すると他にもギルドハウスに、誰かが入ってきた。
尻尾をビンと立たせ、興奮して両手を握る猫メガネ女だ。
ねこさん「やった!
じいさんの奢りっすね!
お魚大好きなんで最高っす!」
淘汰「お前ホントこういう時、恐ろしい程に食いつき良いよな」
~仮想空間・寿司屋前
大将「へい!らっしゃい!
おお、スミスじいさん!
息子とその奥さん、孫連れて3代で来るなんたぁ、粋じゃねぇかぁ!!」
めちゃくちゃ声がデカくて耳が痛い。
相変わらずだこの店の大将。
しかも相変わらず俺の事、じいさんの子供と勘違いしてるし。
スミス「息子はくそパンダだが、孫娘に関しては可愛いじゃろ?
発育も良くての」
大将「かっかっか!!
良い事じゃねぇか!
胸がでっかくて嫌な男はいねぇからな!
おう、3名様のお通りでぃ!」
ねこさん「あのう、この人私が見えてない?」
淘汰「散々に言われてるが、織姫的にはどうなの?」
織姫「え!?私が孫!?
発育がいい?
最高じゃない!
若い事は良い事だし、女らしいって事は綺ってことでしょ?
これからは孫らしく行こうかしら」
淘汰「GMってやっぱ、どこか認知が歪んでるのかな」
ねこさん「3名のお通りって、私人数に入ってないんすけどっ!?
ここまでくると軽くホラーっすよ!」
俺らは案内され席に着く。
すると皿が流れていく、見慣れた回転寿司の光景が目に入った。
奥には大将が接客をしたり、店員に指示を出している。
俺と織姫、向かいの席にスミスとねこさん、2人ずつで並んで座る。
するとスミスが大声を出した。
スミス「今日は私の奢りだ!!
流れてくるお皿を取って、好きな寿司を取りあがれぃ!!」
織姫「じぃじ、だいちゅき!」
淘汰「うわぁ、やめろなんだその口調気持ち悪い!」
普段の声とは違う猫なで声がし、悪寒が走った。
すると織姫は俺に何かねだる。
織姫「ぱぁぱ」
淘汰「なんだ?
ってかマジでやめろそれ」
織姫「おり、あのルビーみたいな食べ物が欲しい!」
淘汰「あー、マグロか」
俺は敢えて取りやすい席に座っていた。
勢いよく寿司を取っていくねこさんを、ちらっと見ながら、俺は織姫に寿司を渡した。
辛子は多分嫌がるから中から取り除く。
すると織姫が器用に箸を使って、そのまま口に持っていった。
織姫「ねぇ、生臭くて微妙な味なんだけど」
淘汰「急に素に戻ったな」
スミス「これはな、こうやって醤油にネタをつけて食べるんよ」
織姫「やってみるわね。
……あら案外いけるじゃない」
確かにあるあるだよなぁ、と不思議と心が和むのも束の間だった。
ちょっとしたドタバタが始まったのだ。
反対側のねこさんが、先程から寿司を取りネタを食べ俺にシャリを渡す。
じいさんはねこさんに寿司を頼む。
しかしたまにシャリだけ届くので、不満をじいさんは向けた。
スミス「こら、ねこさんシャリだけ残さない」
ねこさん「あっ、私大将以外からは普通に、認識されてたんすね。
だって刺身だけ食べたいんだもん。
シャリは淘汰が食べてくれるし」
知らぬ間に俺がシャリを処理することになっている。
まぁ俺は偏食であるから別に構わない。
割と酢飯って美味しいから、普段より食えるのよね。
そんな中、ねこさんの行動を気付いたのであろうか、大将は怒った。
大将「喝っ!!」
ねこさん「ぎゃああ、耳が!!」
怒られて当たり前よな、寿司はシャリも含めて完成体だ。
それを見越して作った料理人の目の前で、そのような食べ方は失礼だ。
シャリだけ食う俺も言えたギリではないが
大将「おい、そこのパンダ。
相変わらずシャリだけ食うやがるな。
せめて何かを乗せて食え!
お前が大好きなサトウキビなら持ってきている。
その名もサトウキビ寿司!!
頼むなら頼んでシャリと共に食いなぁ!
せめてそれが寿司の形になるなら、もはや俺は構わねぇ!!」
淘汰「た、大将……!」
ねこさん「いやだからさ!
なんなんすか?
私見えてないんすか、この大将!!
シャリ残しの黒幕は私っすよ!?」
思わずタッチパネルの特別メニューから、速攻でサトウキビ寿司を選んだ。
普通に良心価格で心が熱い。
淘汰「ホント、わりぃ。
いつもシャリばっか食ってて」
大将「なに多様化の時代だ。
タネ (ネタ)とシャリの芯を貫きゃ、後はニーズに沿ってく。
それがうちのやり方よ!!
じいさんが奮発してるんだ、今日は楽しんできな!!」
スミス「おう、任せろ!
ギルド資本金に手出す一歩手前までならやってやらぁ!!」
淘汰「いや、それじいさんの武器屋を質にだす前提になってないか!?」
ねこさん「無視しないで下さいっす!!」
全員して声を張り上げる。
大将並みの声はなかなか上がらないが、不思議とこの店は皆大声を上げて賑やかだ。
やはり大将の人柄もあるだろう。
不意に織姫が俺の裾を引っ張った。
織姫「ねぇ、ぱぁぱ」
淘汰「だからどっからそんな声出してんだ?」
織姫「かるうあみゆくちょうだい」
いやガキの振りしてふざけんな、しれっと酒頼もうとしてんじゃねぇぞ!
そこにじいさんが入ってきた。
スミス「なぁ、織姫。
じぃじのこと好きか?」
織姫「ぱぁぱもまぁまもだいちゅき。
だけどじぃじはもっとだいちゅき!
……さて、このトロってやつ本当美味しいわね」
スミス「ようし、酒持ってこい!!
カルーアないなら私が作ってやろう!!
おらミルクとリキュールだしなっ!」
ねこさん「私も一応要る子扱いしてくれたから、とりあえず味方するっす。
とりあえずネタどんどん食べるから、淘汰シャリの処理だけお願い」
淘汰「おい、マジでこいつら止めろ!!
それにもう俺は寿司で頼んだから、シャリ単体は要らねぇ!」
身分証の確認で自称成人の織姫が、証明出来るものがなかったので、飲酒未遂に終わったのは、後の顛末だ。




