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2050~ステータス1の廃人  作者: 烈火
第三章『娯楽都市 アクアリゾート』
33/47

☆メインストーリー 3-1 アクアリゾートの招待状 ※挿絵有

登場人物

〇現実世界名=仮想空間名


那藤太郎(なとうたろう)=淘汰

神谷亀(かみやひさし) =???

住住男(すみすみお)=スミス

速水剛(はやみごう)=チャラ民

烏丸響子(からすまるきょうこ)=レイブン

天歳秀人(てんさいひでと)=天裁


ぷち姫=織姫

~現実世界・病院


俺は慣れない感覚に気が付く。

腕に何かが繋がれている感覚がする。

目を開けるとここは病院だろうか?

白いベットの上に寝ているようだ。

頭にモヤがかかった感覚であったが、高い声が聞こえ横を向いた。


「……那藤君!?」


そこに居たのは幼なじみの神谷であった。

たった1人パイプ椅子の上で座って、こちらを心配そうに見つめている。

俺は静かに呟いた。


「ここはどこだ?あの世か?

兄貴が居るんならそれで構わねぇけどさ」


「最低!!」


彼女はその言葉に鋭く反応すると、走り去っていった。


いいんだ。

こんなろくに動けない状況で、あいつと話をしたくはない。

JINYAさんに言われた事には反しているが。


看護師が入れ違いに入り、状況を説明してくれた。

現在栄養と水分補給の為に点滴の処理をしていて、状態自体は安定しているため、意識が戻り用意ができ次第退院させるようであった。


どうやら俺は自宅で意識不明の状態で、チャラ民もとい速水が見つけたらしい。


原因は分かっているが、極度なストレスと深刻な睡眠不足、栄養不足であった。


仮想空間からログアウトしたのに、意識が回復せず現時点で16時半だが、それまで3日間寝込んでいたそうだ。


そんな中、休日をはさみスミスじいさんや速水や学級委員長、担任まで見舞いに来たという。


最後の二人についてだが学級委員長とは、多分現実世界での天裁だろう。

担任は生徒の心配をして来たと思うが、色々な人がここに来たもんだな。


その中でも神谷に関しては、誰も来ない時間を狙って、学校以外の時間、ずっと俺の傍で椅子に座っていたという。

しかもその日にあった出来事を、独りで語りかけるように、俺に投げかけていたそうだ。


それを聞いたら複雑な気持ちだ。

あいつは俺の事が嫌いじゃなかったのか?


そこまでする程、俺はお前にとって必要な人間ではないはずなのに。


どうやら学校が終わり、先生の仕事が片付いた17時。

それに合わせ速水、スミスじいさん、学級委員長、担任の烏丸先生が来るそうだ。

昨日もそのメンバーで顔を出していたらしい、不思議なメンバーだ。


さて、どうしたものか。

と考えていた途端、大きな声が響いた。


「那藤少年、大丈夫か!?

あの一日に色んな事がありすぎたのに、その場に入れず申し訳なかった。

じいさんは、いや皆すごく心配したぞい」


スミスは珍しく大きい声で、話しかけた。

後ろからは、速水や学級委員長、烏丸先生と続々入ってきた。

速水、チャラ民の中の人は、スミスに方を回すと指を振る。


「じいさん、はやみん達も心配してたけど病み上がりなんだから、あんまり声大にしちゃだめだよ?

そもそもここ病院だし」


その後にかなりの長身の男、学級委員長が入ってきた。

赤い眼鏡をクイッとあげて話す。


「まず、線引きをさせてもらいますが、私は仮想空間の私とは別ですからね。

私、天歳(てんさい) 秀人(ひでと)は現実世界の学友である、あなたを心配して来ました」


「おいパンダ本当、心配かけんなよな!」


食うように先生が走りよってきた。


先生?


その表情や口調は、レイブンに一致した。


いやレイブン、お前中の人うちの担任だったのかよ!?

烏丸先生はいつものように、失言を訂正した。


「……じゃなかった。

那藤君体調は大丈夫?

昨日ね、普段つるまない天歳君と速水君が、一緒に帰ろうとしてたの。

心配して話に入ったら、仮想空間のあなた達と繋がってることを知って……。

でもとにかく先生は安心しました!」


皆一斉にわーわー声をかけてくる。

うるさいのは苦手だが、不思議と気持ちが落ち着いてきた。


「ありがとう。

こんなに心配してくれる人がいたなんて」


その時だ。

鼻声のような、酒やけしたような、それでいて女性味のある独特なあの声。

それがじいさんが手に持つ、携帯端末から聞こえた。



挿絵(By みてみん)



『相変わらず、こちらの世界のアンタは死にかけね。

大丈夫?無事に三途の川が見えた?』


「うっせ、同じ川でも天の川に帰らない、織姫には言われたくない」


軽口で発破をかける常套手段。

じいさんはその声がした、携帯端末を俺に渡した。

俺の端末だ。

じいさんはニコッと笑いかけた。


「ほい、依頼された織姫のアップグレードは終わったぞ。

チャット種類の増加、通話機能、データ処理能力強化、情報収集機能強化、そして留守電機能、コスチュームカスタマイズ機能、触れ合い機能等盛り込みじゃけぇ」


「そして以降の機能は、依頼した記憶が無いんすけど。

しかし織姫自体の性能上がりましたね」


「ああ携帯端末の中だけど、その中でも携帯端末、言わばスマホを使えるようにしたんよ。

GMなのに処理能力が微妙でなァ」


『うるさいわね。

私はGMよりも感情的な代わりに、情報処理が苦手なだけだから』


ただのポンコツじゃねぇか。

いいのか?

こんな奴を依代にしている、GMの大ボスGGMさんよ。


俺はとにかく面倒臭くなるので、必死にその言葉をかみ殺した。

じいさんは機嫌が良いようで、ニコニコしながら話を続けた。


「他にもお前さんが寝てる間に、ギルドハウスの改造とかしとったよ。

レイブンさんとかいう戦闘狂が入ったから、戦闘シミュレーション施設、消費アイテム補給自販機とか適当に用意した。

あそうそう他にも、ギルドハウスを空とか飛べるようにしたわ」


随分と力を入れたなぁと感心していたが、さらに斜め上の仕事に唖然とした。

レイブンの中の人、おしとやかを装う烏丸先生は肩をすぼめた。


「いやぁ、この工学博士のやる事ときたら規模が違ぇのなんのって!

……すみません、失言しました。

身近にこんな心強い方がいるのは助かります!」


「昔からこういう作業は、ずっとやっていられるタチでね、好きでやった事だよ。

てか時々垣間見える、堅気じゃない雰囲気がめちゃくちゃ怖いんじゃけど」


ヤンキー系が苦手な為、顔をひきつらせながら話しているスミス。

その様子を見ながら天裁の中の人、学級委員長の天歳は顎に手を当てた。


「住 住男さん。

経歴については不明なのですよね」


「ああ何、私はだだのじじい。

強いて言うならガラクタいじりがちょっと好きなだけさ。

ところでここに来てだが那藤少年、お前さんに報告がある。

良い報告とグレーな報告と悪い報告だ。

どれから聞きたい?」


天裁の質問を上手く切りかわすと、じいさん不意に三択を投げかけてきた。


性格上問題が発生したら、直ぐに解決しないと不安になる。

しかし先に良い話を聞いた方が、後は悪い話の問題解決に集中できる。

だから悪い話は後に聞くことが多い。


「良い方から順に聞いてもいいですか?」


「猩騎士団からアクアリゾートへの招待が来た。

お前さんの体調が整い次第、というかもうそろ終業式だったかね?

そこで夏休みに行きたいと思う。

皆で疲れを癒していこうや。

これは微妙なラインの報告。

一応既に察してると思うが、私の権限で天裁をegoに加えることにした。

行く宛てがないから匿う形だな。

構わんか?那藤少年、いや淘汰」


「俺らegoのギルド理念は、責任を持って自分のエゴを叶える。

来るは拒まず去るは地獄まで。

ギルマスがいいのなら、俺も別に構わないですよ。

敵に置くとタチが悪いから味方に置きたいし、面倒なやつだから手元に置いて監視した方がいいって、今回の件で分かったし。

そして問題は?」


「天裁が入った事がどうやら原因らしい。

ねこさんがギルドに退団届けを出した」


「はぁ!?」


俺は思わず体を起こし驚いた。

まぁ点滴の身、すぐ周りに怒られたが

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