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2050~ステータス1の廃人  作者: 烈火
第二章『厄災軍師と駄美男子』
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〇サブストーリー 「仮想空間最強の男」

サブストーリーはメインストーリーに関係するお話となっています。

アダマス鉱山へ向かうマッハ列車で最も速い猩騎士団専用の列車内。

金と銀の狐が縄でぐるぐる巻きにされ2席に座らされていた。


銀閣「あぁ、しっくたなぁこれ」


金閣「お偉いさんの御二方が来るとは驚いたわぁ。

なぁ、団長はんと左腕はん?」


向かいには2人の男が座っている。

その一人筋骨隆々で髭を蓄えた豪傑は呆れた表情でため息をついた。


ダンケルハイト「ったくよぉ、団長が与えてくれた役職に泥塗って」


銀閣「どうせこないな厄介な女狐共は僻地で処分するんやろ?

これで私らの不注意でロストした奴とおなじ運命や」


銀閣は悪びらずに悪態をつく。

さすがにその様子を見て左腕が歯を食いしばった。


ダンケルハイト「お前らが間接的にした事と変わらねぇ。

俺は納得いかねぇんだよ、団長さんよぉ。

『俺は失望した、今すぐ切り捨てる』

ぐれぇ言わなきゃ、俺は帰った後やけ酒配信するぜ?」


団長と呼ばれた、白いコートを着る黒髪の男。

その男は終始穏やかな表情で、その様子を終始静観していた。

しかし、周囲の雰囲気が熱くなるのを感じたのか、慌てて両手を前に出しぶんぶん振った。


JINYA「わわわ、落ち着いて!

俺も確かに君達が、職務を怠慢してロスト者を出したこと、それについては許せない。

猛省して欲しい。

てかしなさい。

でも事情は後で話しを聞くし、互いに考えようよ。

そこから心を入れ替えて、頑張ってくれるなら応援したいしさ!

髭おじもさ、ストレスは溜まるかもしれないけど、これからも俺達の友達は増えてくんだ。

なら必要なのは順応性じゃないかな」


ダンケルハイト「そうは言うが失ったアバターは戻らねぇ」


JINYA「でも人の命までは失わないのがこの世界。

ただだからこそ、軽薄で残酷な奴らがいる。

そこは俺達が動き変えていけばいいのさ!

世界平和が俺ら猩騎士団の夢だからね!」


金閣「……」


通称髭おじは目を細めた金閣を見て、舌打ちを打ちつつも渋々頷いた。


ダンケルハイド「ったく、頭お花畑な団長を抱えてると、俺も心配でやけ酒すらしてらんねぇぜ」


銀閣「金さん、やったなぁ!

私たちまだこの世界で遊んでも良いみたいやで!

……あが!」


ダンケルハイト「ちったぁ、言葉選びと反省って物を覚えやがれってんだ。

ここまでやって許す懐の広い奴はいないぜ」


銀閣「殴ったな!?パワハラや!

後指毛、胸毛、髭ぼーぼーな体で私を触るな!」


優しい表情を浮かべていた団長のJINYAであったが急に表情を冷たくした。


JINYA「許してないけどね。

ロストした友達、つまり団員の名前は全部覚えてる」


「……」


金閣と銀閣は表情を固め、言葉を詰まらせる。

髭おじは腕を組んで目をつぶった。


ダンケルハイト「こいつの暗記力の凄まじさはあるが、数千万人のこの団体で出たロスト者数万人を覚え切っている。

団長の職務だけでも大変なのに、Vスターとして音楽活動をしてるんだ。

あんまり迷惑かけんなよ?」


金閣「うち少しなめとったわ。

あんた戦いが強いって噂だけじゃないんやね」


周囲の目が集まるのを見て再び団長は焦り始めた。


JINYA「迷惑とかじゃないよ。

ただ皆が仲悪くなったら、悲しいだけ。

ここまで大きくなったら一人一人と向き合いたくても難しい。

だから誠意だけは見せたいんだ。

団長の職務も音楽活動も、皆に笑顔になって貰いたいから!」


金閣「全く、本当に人間なのか疑うわぁ。

本当はGMはんとちゃいますの?」


ダンケルハイト「おい、失礼極まりないぞ!」


JINYA「ははは!その考えは面白いね!

それに全く髭おじは、すぐ誰とでも仲良くなれるんだから」


ダンケルハイト「いや、むしろ世界で1番嫌いな人種なんだが!」


団長はまた穏やかな表情で笑い始めた。

左腕の髭おじも金と銀の狐も、その時は呆れて、同じ表情でため息をつく。

少し経ち不意に銀閣は、ハッとした表情で質問を投げかけた。


銀閣「それで私たちはどないするんや?

捕縛されて連れていかれて?」


金閣「お揚げにされてきつねうどんになる」


団長は金閣が不意に放った毒に、ツボったらしくお腹を抱えた。


JINYA「あっははは!

これが西の地方のジョークか!

レベルが、随分高あははは!」


金閣「いや笑い過ぎやろ?

団長はんは心のお調子優れない方どすか?」


ダンケルハイト「ブラックジョークってか、嫌味がここまで通用しない辺り、逆に困るよな分かる」


金閣「共感されると余計腹立つわぁ」


団長はひとしきり笑うとお腹をさすってにこやかに話し始めた。


JINYA「ああそうそう、ごめん目的だね。

やっとなんだ。

やっと同じ実力の相手に会えそうなんだ!

あ、いやそれが主な目的じゃない。

彼が俺達猩騎士団の管理する、アダマス鉱山にいる事で奴らが来る」


銀閣「どないなヤツらや?

強いヤツがいる事が分かるなら普通つつかない。

そんなのは自然界の動物でも知っとるで?」


金閣「多分やけど。

団長と同じくような戦闘狂の人種やない?

例えば、Vipuumとか」


銀閣「あの最強の戦闘組織が!?」


JINYA「俺は平和主義だよ。

確かによくしてるけど、決闘ははさみと同じさ。

人を傷付けることもあれば、エンターテイメントとして楽しむことが出来る。

それは置いて、さっき話したアダマス鉱山に入った男。

彼はVipuumに縁があり彼等と共に一悶着がこれからやってくる」


横にいた髭おじが頭を悩ましそうに呟いた。


ダンケルハイト「その一悶着が普通の奴らならどうでもいい事なんだが、Vipuum四人も来て暴れたら地形が変わる。

いやアダマス鉱山が消し飛ぶ可能性がある。

遅れはするかもしれないが、俺たちはそれを止めに来た」


銀閣「一人一人が、一日でギルドや団体を壊滅させるような奴が、うちらの管理するダンジョンなんかに4人も来たら……戦争や!

逆に何故他の騎士団連中は呼ばんかったん!?」


JINYA「俺らの目的は彼らと条約を結びに行くことだからね。

やむ得ず戦闘にはなるが極力ロスト者を出したくない。

だから一番隊の隊長兼副団長、ダンケルハイト以外は戦力外と判断した」


金閣「うちらと並ぶ円卓の幹部達が、東に居るのにそれすらも戦力外とは。

まさかロスト覚悟でうちらを採用したんちゃいます?」


JINYA「失っていい人なんていない。

自分の命を優先に、そして騎士団の幹部である事を忘れず、アダマス鉱山にいる人の避難指示を手伝ってもらいたい」


金閣「了解、ただ一つお聞きしたい事が。

その条約ってどないどすか?」


団長は少し目をつぶり言葉を整理すると口を開いた。

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