〇サブストーリー 「列車内にて」
サブストーリーはメインストーリーに関係するお話となっています。
チャラ民「チャラ民はアイスクリームがいい!」
Mr.B「私はシーザーサラダ」
レイブン「ウィスキーストレート」
淘汰「お前らここはファミレスじゃねぇんだぞ?
ってか最後、仕事前にやばそうな奴頼むな!
俺はサトウキビで」
GM販売員♀「ワカリ マシタ。
イジョウ デ ヨロシイ デスカ?
……デハ ドウゾ」
片方の4人席で縦列内側に俺淘汰とMr.B。
もう片方の4人席にレイブン、チャラ民、織姫。
という編成で座っていた。
4人席と4人席の間をロボットのような販売員のGMが立つと各々のオーダーを受ける。
そしてGMがそれらをタブレットに記載した途端、テーブルに頼んだ物が即座に並んだ。
俺は仮想空間でも基本食べないが唯一好きなサトウキビがこの世界おいては簡単に食べれるのでそれだけは食べる。
仮想空間での食事は戦闘においてのステータス回復が主であるが更に満腹感や味を楽しむことが出来る。
これだけ見ると現実世界で食事をする必要は無いと思うが、昨今問題となっている事柄として現実世界での食事を怠り栄養失調になるケースが増えている。
夢の中で飯を食った所で現実世界では全く栄養が取れないからな。
さて長い話は悪い癖だ。
そいや、流してしまったがテキーラマジであいつ頼みやがったのか?
背筋が冷えた途端その予感は的中していた、仕上がった声が俺にぶつかる。
レイブン「おい、パンダ!
こないだの戦いはノーカンだ!
あっしがまだ弱いから闘うやる気がないのならあの、なんだっけ?
これから行く酢昆布みたいな名前の所で敵ぶっ倒してレベルとか言うやつあげて出直すから覚悟しやがれ!」
GM販売員♀「オキャクサマ コマリ マス。
オオゴエ ハ ヒカエテ クダサイ。」
レイブン「あ、わりぃわりぃ!
あっしも一応分別は付いてんだ!」
いや、付かなきゃ今回お帰り頂くしかねぇから本当頼むよ。
レイブンの隣で不機嫌な織姫は手を上げて注文をねだる。
織姫「ねぇ、GM指数1.00以下の雑魚。
私、カツ丼とカルーアミルクが欲しい」
GM販売員♀「ミタメ ガ ミセイネン ノ カタハ
ショウメイショウ ガ ヒツヨウ デス」
織姫「んなもんあるわけないでしょ?
私はGMよ?」
GM販売員♀「ショウメイショウ ガ ナケレバ
オダシ デキマセン、スミマセン。
ホカニ ゴヨウケン ガ ゴザイ マシタラ オヨビクダサイ」
そう言うとロボットの見た目の販売員は奥の席に歩いていった。
この時代に古くささを感じるGMだな。
すると目の前に座るMr.Bはニコッと笑った。
Mr.B「うちの子可愛いよね!」
チャラ民「うちの子?」
突然Mr.Bの口調や声が変わりそれは限りになくとある人物に近い優しい喋り方であった。
俺は一瞬この人からあの有名なVスターであるJINYAさんの雰囲気を感じた。
ただこの世界では声質や見た目、性別までを自由に変える事が出来る。
JINYAさんの見た目に仮面をつけたこの姿、俺としては彼が本人であるとは思えない。
なぜなら声や顔を変えられる世界で本人が姿を隠すのであらばここまであからさまな本人の見た目をしない。
するとMr.BはJINYAのファンが可能性が高いだろう、本人に関係するならこのような見た目で足を引っ張ることはしないからな。
言葉に迷ったMr.Bに俺はフォローをかける
淘汰「なんでも自分の女扱いするのは昔から相変わらずのチャラさだな。
チャラいのはうちのチャラ民で十分さ」
チャラ民「言っとくけど、チャラ民はどちらかというと中央よりの尽くすタイプだから!
それに恋愛対象がまず違うし!」
織姫「え?」
チャラ民「と、とにかくまずチャラチャラと不誠実は違うからね!
それはさておき、よく見るとMr.Bさんの服装良いかも」
Mr.b「サンキュー、スイートビューティ!
貴方こそ細かいアクセにも力を入れているようで私としてはBeautifulポイントを100点上げたいですね!」
チャラ民「そんな事を言ってると色んな意味で後ろからブスっとされるかもよ?」
そんな茶番を見ながら俺は既に届いていたサトウキビをかじり考察に耽っていた。
全くこの男は一瞬隙は見せたもののテンションは相変わらずだ。
ただあの時見せたヘラヘラした笑みではない素の優しそうな笑みは本人の性格なのだろうか?
しかしこいつが神谷の第2人格Bと関わりがあるのは確かであり信用できない。
何を企んでいるのか気になる。
これはサシで話を引き出せれば良いのだが。
その時丁度レイブンが声を抑えて話しかけてきた。
レイブン「おいぱんだ。
なぁ、結局レベルってなんだぁ?
高けりゃ強えのか?」
そういえば詳しいことを話していなかった
と思ったその時、Mr.Bが説明をした。
Mr.B「簡単に言うとGMの頼みを聞いて得られる報酬だと思えばいいですね。
レベルが高ければ高い程、現実では出来ない事が出来る」
レイブン「すげぇなそりゃ」
チャラ民「淘汰よりも端的な説明だね!」
うっせ、とは言いたいが説明が長くなる俺よりも物を教えることに慣れているように感じる。
そしてまたあの表情を見せる。
顔に影が差すよう笑みだ。
Mr.B「まぁ、レベルが全てじゃないですが……
【強い奴はみんなレベルが高い】」
その言葉にサトウキビを思わずテーブルの上に落とした。
Vipuumと呼ばれる仮想空間において最強とよばれた団体。
過去にその中でもレベルを過剰に得た最強の男がいた。
現在は消えた伝説のVIPが語った言葉だ。
実際に会った時も全く同じ言葉をこちらに放ってきた事を鮮烈な恐怖と共に覚えている。
俺は体が冷たくなるのを感じながらこちらに話題が飛ぶのを防ぐように誘導した。
淘汰「ま、まぁ詳しく聞きたいことがありゃチャラ民に質問するといい。
こいつも気が付けば地味にレベル50さ。
そこらの戦闘団体のしたっぱ以上に戦闘慣れはしている」
レイブン「パンダより強いのか!?」
チャラ民「チャラ民は非戦闘要員だからそんなんじゃないってば!
でもいきなり襲ってくる君みたいなヤバい奴もいるから護身は心がけてるよ。
織姫も好戦的ではないのは知ってるけど自分を守るのは自分だから」
織姫「もぐもぐ。
わたちは、たたかぁないわよ、もぐもぐ」
淘汰「とりあえず飲み込んでから喋ろ」
GMも飯食うんだよな。
織姫本人、この前もカツ丼食っててお腹いっぱいとか言ってたし。
チャラ民「まぁ、食べたままでも良いから説明を聞いてくれると嬉しいな!
最後まで聞いてくれたらチャラ民が二人のために用意した武器があるからそれあげるね!」
しかしチャラ民こういう所も気を遣ってるんだな、そこが俺との違いか。
よし、やっと一対一となった。
何を話そうかと考えた瞬間Mr.Bは不思議な質問をした
Mr.B「いきなりだけどさ。
君の心に対して前提に問うよ。
モノクロの世界に黒は必要かい?」
俺は意表を突かれ黙ってしまった。
どういう意図なんだ?
Mr.B「バットクエスチョンだったね。
でもこのクエストが終わり次第君に再び問うことになるだろうし君も察するだろう」
淘汰「まぁ、それがあんたの目的なら勝手にすりゃあいい。
ただする事だけしてこちらの目的を忘れちゃ困るがな」
Mr.B「もちろんさ。
この初心者クエストは私にとっても君にとっても互いの目的を果たす為に必要となるモノが待っているだろう。
先程話したモノクロの世界にある黒がね」
彼はそう言って以降、はぐらかすような会話ばかりをして結局列車を降りるまで本質を全く触れさせなかった。




