表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
45/48

御礼SS 1.シュゼイン公爵の一日

長めです。流血表現注意。



 シュゼイン公爵の朝は早い。




 夜明けすぐ、瞼越しに光を感じて目を覚ますと、そこは自身の屋敷の屋根の上だった。



 べちょりとした手触りと猛烈な鉄の匂いを不快に思い、周囲を見渡す。




 血の海に、夥しい数の死体が浮かんでいた。




 寝ぼけ眼でがしがしと頭を掻き、昨夜の記憶を辿った。

(……そういえば、暗殺者を始末した後、そのまま寝たんだった)


 ひとり納得し、あくびを一つ。吸血族特有の鋭い犬歯がチラリとのぞいた。


 血で汚れた手をハンカチで拭おうとして服をべたべた触り、その後でようやくハンカチを持っていないことを思い出す。億劫になり、服の裾で手を拭う。

「……いかん、死臭が付いた。また侍女長に怒られるな……」

 ぼんやりした声で呟き、手近な窓から中に戻る。

「……ぎゃー!?御屋形様!?臭い、臭いです!!着替え!湯浴み!!」

 匂いですっ飛んできた侍女長に叱られながら服を剥がれ、そのまま湯浴みへ。洗髪専門の使用人は、血がこびりついた長髪を丹念に洗いながら苦笑した。

「御屋形様、また死体の真ん中で寝たでしょ?洗濯班が殺気立ってましたよ」

「…すまん…」

 そんなわけで、シュゼイン公爵の一日は、高確率で湯浴みから始まる。




 朝からガッツリ洗われたシュゼイン公爵は、着替えてそのまま食堂へ向かう。途中で娘のミネルヴァと鉢合わせたので、いつものように挨拶した。

「…おはよう、ミーネ。私たちの天使」

 額にキスを落とし、自分や妻と同じ黒髪をなでる。ミネルヴァはそれらを大人しく受け入れつつも、眉を顰めた。

「………おはようございます、父上……。……髪がぐしゃぐしゃになるので、頭をなでるのはおやめくださいといつも……父上………」

 しかし結局、なでまわされて乱れた髪で食事をするミネルヴァ。不機嫌な娘とは対照的に、ご機嫌でステーキを切る。

(今日もいい日になりそうだ)




 登城し、将軍の執務室に入ると、待ち構えていた部下たちが一斉に顔を上げた。

「「「おはようございます、閣下」」」

「…おはよう。…今朝の報告を」

「「「はっ!」」」

 情報は、自分の頭で管理するのが一番安全だ。報告を聞きながら、内容を頭に叩き込む。

 報告の後、朝の鍛錬に向かうと、中央付近にいたダークブラウンの直毛の青年と目が合った。

「あっ、将軍!相手してください!!」

「…挨拶」

「おはざっす!!」

 にぱっ、と笑うミルドランは、シュゼイン公爵が一から育てた部下の一人であり、現国王フリードの専属護衛。

 軽やかな振る舞いからは分かりづらいが、条件次第では副将たちとも渡り合う猛者だ。


 ちらりと見ると、爽やかに挨拶するミルドランと、その足元で完全にバテている国王親衛隊の面々。それらを遠巻きにして、青い顔でブンブン首を横に振っている近衛騎士たち。

「……」

 ため息を吐きながら木刀を取り、しばしやんちゃ坊主を構ってやる。



 一刻後。

「あざっした!!」

「…ん」

 直角に頭を下げるミルドランに鷹揚に頷いてみせた。ようやく回復してきた騎士たちは、明らかに引いている。

「あれだけ打ち合ってまだ動けるのかよ」

「化け物か」

「近衛騎士って、優雅なイメージがあった……」

(……まあ、確かに)

 近衛騎士には、麗しい見目と上品な振る舞いさえあれば、それで良いという考えもある。温室育ちである彼ら彼女らに、無茶を言っている自覚も、ないことはない。


 と、ミルドランがその騎士の肩をがっしと捕まえた。

「見かけほど優雅じゃねえのは確かだが、武官として生きるなら、血を見るのは避けられないんだからさ。長生きできるよう、お互い頑張ろうぜ?」

「ええ。栄えある近衛騎士に選ばれた以上は、しがみついてやりますとも」

「おっ、その意気その意気!!」

 そう言って笑い、ばしばしと背中を叩くミルドラン。


「俺で良けりゃ、鍛錬の相手もするぜ」

「それはご遠慮願います」

「手加減をしてください、手加減を!まだ朝なんですよ!?」

「ははっ、悪い!ついな」

「アンタはもう……」

 陽気なミルドランに、呆れつつも明るい空気になる鍛錬場。

 フリードの護衛の打ち合わせのため、ミルドランと二人、鍛錬場を離れる。笑顔で見送る騎士たちに愛想よく手を振るミルドラン。

「そういえば将軍!昨日、王女殿下の護衛と手合わせしたんすよ!!俺と似た感じの攻防一体タイプで、めっちゃ強くて!結局時間切れで引き分けになっちまったんすけど、次は絶対……将軍?将軍?」

 隣で喋り続けるダークブラウンの髪をぐしゃぐしゃとかき混ぜる。娘のそれより、だいぶ硬かった。




 フリードを迎えに行くミルドランと一旦別れ、執務室に向かっていると、廊下で宰相・ユランを見かけた。護衛は今はいないらしく、熱心に何かの資料を読みながら歩いている。


 その背後に、ナイフを振り上げる人影。

 

 足音を消して早足で近寄り、回し蹴りで隠し通路に叩き込む。

 待ち構えていた部下が、壁の裏でそれを拘束した。


 前を歩いていたユランは風でも感じたのか、きょろきょろと辺りを見渡し、シュゼイン公爵に気がついた。

「……おや、将軍?ご機嫌よう、何かありましたか?」

「…ご機嫌よう、宰相。…蜂がいたので追い払った」

「蜂?どこから……まあ、ありがとうございます」

 訝しみながらも、なんとなく事情を察したユランは、軽く頭を下げた。

「そうだ。将軍、テルセン辺境伯家に代わる北部辺境の伝手についてなのですが……」

「…うむ」

 宰相の相談に乗りつつ、フリードの執務室へ向かう。




 その後はフリードとアンバレナのお供で、王都の孤児院を訪問。護衛ついでに子どもたちの相手をしていると、瓶を持った女児を見つけた。聞くと、「フリードかアンバレナに、健康に良い水をかけるよう先生に言われた」とのこと。

 瓶の中身は劇薬だったので、指示した職員を半殺しにして部下に回収させた。


 騒ぎにならないよう内密に孤児院に騎士団を呼んだのち、件の女児に、劇薬の瓶と交換で花を与えた。花をもらったアンバレナはたいそう喜び、また来ると女児と約束していた。

 帰城すると、シュゼイン公爵はフリードたちに礼を取った。

「…私はここで。これ以後は、アンスールたちが引き継ぎます」

「そうか。道中の護衛、ご苦労だった」

「……ん?将軍ってこの後、予定ありましたっけ?」

 鷹揚に頷くフリードの隣、首を傾げたミルドランをチラリと見て、淡々と答える。

「…散歩だ」

「散……あー、お疲れ様ーっす……」




 半刻後。


 シュゼイン公爵は、再び王都にいた。


 一見すると、普通の民家。

 しかし、その中は今、王都のどこよりも濃い、血の匂いが漂っていた。


「…私はたまに『意見がない』だとか『利他的』だとか『理性的』だとか、そういう評価をもらう」

 剣の先端から、ぽたりと血が滴った。

「残念ながら、大きな間違いだ」


 かつり、と靴音を響かせ、歩み寄る。


「意見を言わないのは、自己を主張する必要性を感じないからだ。英雄だの将軍だの肩書きをつけたところで、所詮は血塗られた殺戮者。正しい者が厭う手段をもって平穏をもたらす者。出しゃばることなく、黙って主君の命を待つべきだ」

 シュゼイン公爵の歩いた後に、足跡が刻まれる。赤い、赤い足跡。

「利他的というのも違う。私は大いに利己的だ。最愛の妻子や敬愛する陛下、可愛い部下たちに幸あれと、こうして自分勝手な行動をしているのだからな。本当に利他的であれば、当事者の意見くらい聞くだろう。…ああ、その分、口『は』挟むまいと思っている節は、確かにある」

 床に転がる白い手を蹴飛ばした。

「理性的。これが一番笑えたな。好いた女一人のためだけに、隣国の革命に参戦しに行く男など、どこが理性的か」

 自嘲するような声がして。


「まあ、ぐだぐだ言ったが、総合すると」

 タン、と剣を床に突き立てる。



「私は今、非常に機嫌が悪い、ということだな」


 

 孤児院の職員に命じた者たちは、今や小動物のように震えていた。視線の先には、仲間の無惨な姿。

 シュゼイン公爵が乗り込んだ時、真っ先に抵抗した者たちだ。手足を切り落とし、あえて殺さず床に転がしておいた。


 シュゼイン公爵は、その顔を覗き込むように首を傾ける。

「子どもを使う、卑怯で、下劣な、臆病者など、放置したところでたかが知れている。しかし、そういう問題ではない」


 地を這う蛇のような声が、血塗られた部屋に響く。


「…一人残らず心の底から恐怖させ、なぶり殺しにしなければ。我ら一族の真なる王に手を出した、愚か者の末路を知らしめねばならん」


 逆光で光る、赤い、赤い瞳。怪物じみたそれに、悲鳴が上がった。


 出会い頭に劇薬をかけられ、悶絶するリーダー格の男をちらりと見る。既に死ぬほど怯えているので、黒幕を吐かせるのは楽だろう。退路は既に断っている。


「…いい加減、見せしめが必要なのでな」


 感情に乏しい顔に、捕食者の笑みを浮かべた。


「なるべく凄惨な死に方をしてくれよ?」




 黒幕を潰し、ついでに孤児院の様子を確認して、王城に戻る。廊下で顔を合わせたフリードは、いつも通り穏やかに微笑んだ。

「やあ、将軍。散歩はどうだった?少しはゆっくりできたかい?」

「…お陰様で」

「それは良かった」




 朝はミルドランを構っていたし、昼はなにかと忙しかった。近衛騎士隊の夕方の訓練を見に行く。


「コラそこ!剣術の練習で寝技を使う奴があるかァ!!剣を使え剣を!!」

 熱心に新人隊員たちを指導する近衛騎士隊長に近づき、声をかけた。

「…アンスール副将」

「うわっ、御屋形様!?」

 その瞬間、近衛騎士隊長はびょんっと後ろへ飛び退いた。シュゼイン公爵は普段から気配を消しているので、暗部副将以外の相手だと、大抵こういう反応になる。

 別に、同族にまで化け物扱いされたことに凹んでなどいない。断じて。


 訓練を見て回り、様子を確認しつつ指導が必要そうな隊員に声をかけて回る。寝技を使っていた隊員には、剣術を使うよう叱ったのち、寝技を使った有効な攻撃方法を教えた。

「将軍閣下、ありがとうございます!!」

「…ん」

 目をキラキラさせて礼をする隊員に手を振って応じ、近衛騎士隊長の元へ戻った。

「…お前から見て、今年の新人はどうだ」

「そうですねえ……」

 話を聞きながら、他の部隊の訓練もじっくり見て回る。



 その後は襲って来た暗殺者と、下剋上を狙う部下と、腕試しに来た暇な連中を叩きのめしつつ、書類を捌く。

 気になるところや重要なことなどをまとめ、フリードに報告する。ユランも合流し、三人で話し合っていたら、退室した時にはすっかり夜になっていた。

 帰宅すると、ネグリジェにストールを肩にかけたミネルヴァがシュゼイン公爵を出迎えた。

「…お帰りなさいませ、父上」

「…起きていたのか」

「…寝る前のお茶くらいは、ご一緒にと思いまして……」

「……ありがとう、ミーネ」

 病弱故、早逝した最愛の妻が自分に残してくれた忘れ形見、ミネルヴァ。自分にも妻にも似た愛しい娘で、たった一人の家族。

 そんな存在が、自分のためだけにわざわざ起きて待っていてくれたのだ。嬉しくないはずがない。

 愛おしさをこめて、娘の頭をなでる。

「……父上…父上………髪がぐしゃぐしゃに…………………もういいです、あとは寝るだけなので……………」


 その後はワインと食事を肴に、娘との幸せな時間を楽しんだ。



 ミネルヴァを寝室まで送ったのち、書類を処理しようと執務机に向かうと、執事が書類の束を差し出した。

「御屋形様。こちら、ミネルヴァ様が処理した書類です。『ご確認をお願いします』と」

「…分かった」

 そう言われて確認したものの、特に問題はなかった。書類を執事に返しながら、感慨深げに呟く。

「…我が子の成長を感じられるのは、嬉しいものだ」

「真に」


 しかしそうなると、避けては通れない問題が一つ。


「……」


 机の端に積み上がった釣り書きを、眉根を寄せてチラリと見やる。名前だけ確認して、いつも通り、手紙と共に返送する作業に入った。

 内容は、全て同じ。


『娘との婚約を望むのであれば、シュゼイン公爵領軍強化合宿に一ヶ月参加したのち、再度申し出るように』


 今のところ返事が来たことはない。


「御屋形様……やっぱりその条件、厳しすぎますって……。あの合宿、副将の皆様すら三週間で音を上げたでしょう……」

「…別に、絶対に兵士として参加しろとは言っていない」

 飯炊きでも雑用係でもいい、無理だと思ったら、テントで寝ているだけでもいい。とにかく『一ヶ月参加した』という実績があれば、話は聞くつもりだ。


 鉱国では、男女問わず爵位を継げる。次のシュゼイン公爵は、ミネルヴァだ。


「…ならばその伴侶の仕事は、夫として、父として、ミネルヴァと孫たちを愛し、支え、守ることだろう」

 ペンを握る手に力がこもる。握力に耐えきれなかったペンが、ぐしゃりと潰れるようにへし折れた。

「…その程度の覚悟で、ミネルヴァの隣に座ろうなどと、片腹痛いわ」

「それで国内の結婚適齢期の貴族令息を全滅させてちゃあ、意味無いと思うんですけど……」

 なんと言われても、妥協は一切するつもりのない、シュゼイン公爵だった。



「夜遅いのに、付き合ってくれてありがとう、将軍」

「…私は夜の方が力が湧きますので」

 公爵家の執務を終えた後、再び城に戻り、王の書庫で調べ物をするというフリードに付き合う。最初に案内してから、フリードは足しげく通うようになった。

 熱心なのは良いことなのだが、時間も遅いし、ただでさえ無理をしがちなフリードだ。適当なところで休息を促す。

「…ですが、そろそろお休みになられた方がよろしいかと。お身体に障ります」

「うん……あと、もう少しだけ……」

 本から顔を上げないまま、どう聞いても「少し」で済まなさそうな返事をするフリード。

 考えて、言い方を変えた。


「…今夜こそ、ベッドで寝たいのですが」

「すまない、終わりにする!いや、した!」

「…ご英断です」

 埃を立てて本を閉じるフリードに、しれっと頷いてみせる。


 フリードを寝室まで送り届け、ベッド脇までついていくと、フリードは気不味そうに振り返った。

「……寝るまで見張るの?」

「…陛下は前科が多すぎます故」

「反論できない………」

 そうぼやいてベッドに潜り込むフリードは、五歳の頃からの夜更かし及び超過労働の常習犯である。

 呼吸音で入眠を確認し、手の甲にキスを落とす。

「…良き夢を、我が唯一の王」



 フリードは知らない。

 シュゼイン公爵が過去、正体を明かした相手に拒絶された経験があることを。


 フリードは知らない。

 幼いミネルヴァを抱え、一人一族を守る日々に、彼がどれほどの重責と、不安を感じていたのかを。


 フリードは、知らない。


 あの日、フリードが口にした、「守る」という言葉。


 そのたった一言が、シュゼイン公爵にとっては泣きたいほど頼もしく、心震えるものだったという事実を。



 生涯、知らなくていい。



(……この騒ぎもな)

 フリードには聞こえなかったようだが、聴覚の鋭いシュゼイン公爵の耳には、しっかり届いていた。


 ……頭上からの、剣戟の音。




 フリードの護衛を部下に任せて屋根の上に上がると、案の定、別の部下たちと不審な集団が武器を構えて睨み合っていた。シュゼイン公爵に気がついた部下たちは、ほっとした顔をした。

「御屋形様!」

「申し訳ありません、梃子摺りまして」

「……構わん」

 そう応じながら、素早く周囲を睥睨する。

(…テレントがおらんな。…さては近くに私がいるからと、サボっているな…)

 苦々しく考察していると、敵の一人が口を開いた。


「おい、増えたぞ」

「なあに、大したこたぁねえよ」

「一人増えた程度じゃどうにもならんさ」

 すると、一番端にいた敵がシュゼイン公爵の顔を見て、顔色を変えた。

「……!?おい、あいつ」


 距離を詰め、言葉を紡ぎかけた口を両断する。


 頭が良い者、勘が鋭い者は、一番逃してはいけない。より多くの情報を持ち帰る可能性があるからだ。

 口から上の頭部が、ころころと屋根の斜面を転がっていった。敵が一気に顔色を変えた。


「テレント」

「ひゃいっ!?」

 敵から目を逸さぬまま、こそこそ戻ってきていた部下に符丁で命令を出す。

「仔猫は空腹、右は退屈、リンゴの芽」

「えー!?」

 「可及的速やかに部下を連れて下がり、待機中のアトキンス副将の隊と交代しろ」と命じると、不満そうな声が上がった。

「せっかく骨がありそうな奴が来たのに!」

「半年減給か?五段階降格か?」

「拝命しましたァ!!」

 手っ取り早く脅して追い払う。


「あっ、オイ、待て!!」

 追おうとした敵の首を、躊躇うことなく刎ねた。地を這うような声で吐き捨てる。

「誰の部下に命令している」

「くそっ、やれっ!!」

 襲い来る敵を次々切り捨てていると、背後から追い払ったはずのテレントの声がした。

「……あの、すんません、御屋形様……。今西の庭園の方に、へぼいけど結構な人数の敵が来てまして……。アトキンスの部隊、そっちにかかりっきりっぽいです……」

「…………………………………………………………」


 こめかみを指でなぞった。対照的に、またどこからか湧いてくる暗殺者たち。

 玉石混交とはいえ、最近どうにも多い。

 もういっそ、それらしい貴族を片っ端から暗殺して回ろうかと、かなり物騒な解決法が脳裏をよぎった。


「あの、俺、加勢しましょうか?」

「…………陛下の護衛の増援に回れ」

「はあい……」


 テレントが戻って行った。

 何はともあれ、今は目の前の敵だ。ため息を吐き、剣を霊剣に持ち替える。




 今夜は、城の屋根がベッドになりそうだ。

 


 「御屋形様」は鉱国吸血族の長としての呼び名です。この呼び方でシュゼイン公爵を呼ぶのは、吸血族のメンツだけです。



「今更ですけど、なんで閣下のこの話だけ、冊子になってるんです?しかも表紙とか結構しっかりしてるし……」

シュゼイン公爵「……………以前ファンクラブ向けに、お前の片割れが作ったものの、余りか見本だろう」

「閣下、ファンクラブあるんですか!?ご本人様公認の!?」

シュゼイン公爵「……………………………ある」


 創設者は、彼の亡き妻だったりする。



 リクエスト、ありがとうございました!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] その冊子、欲しい…!! 将軍、人気投票したら主人公のすぐ下につくやつてすね!!しかも僅差で。目に見えるようだ…! 熱い女子の投票が見える…!
[一言] ファンクラブ…………きっと創設者が愛しの奥様だったから拒否るに拒否れなかったんですね………… で、奥様亡き後も、曲がりなりにも奥様の遺していったモノのひとつでもあるので解体もできなかったんで…
[良い点]  その内暗殺請け負う人間居なくなりそうw  しかし見かけと正反対の情に篤い御仁やね。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ