表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/203

170連目 待ち合わせはいつもの公園で

前章のあらすじ

「新たに女子高生、ワンコ、悪魔メイドが仲間に加わったのじゃ」


ガチャ神のワンポイント攻略情報③

「LvMAXのキャラクターに特定のアイテムを与えるとグレードアップするのじゃ」

「GLvが上がるとLvは1から再スタートじゃが、より強くなれるのじゃ」



「もう12月か」



 いつもの場所となった、カオリ達と出合った公園。名前は中央公園。

その中心に鎮座する噴水の縁で、俺はカオリの腕に抱かれ、鬼若を待っていた。



「あっという間の2ヶ月だったねー」


「うーん、確かに忙しかったけどなぁ……」



 俺がその問いの答えに多少悩む理由、それはこの世界の時間の流れに関係している。


 この世界の時間の流れは元の世界とは違う、それは前から気付いていた。

こちらに転生した初日、その一日で元の世界基準の日付は、2ヶ月進んでいたのだ。

そしてその後、ぱったりと元の世界基準の日付を示す端末(スマホ)は、日付が変わらなくなった。

日時をスマホで確認する癖がある俺にとっては、混乱の原因でしかない。

だが、どうやらズレを修正するために、こちらの時間が追いつくのを待っていたようだ。


 そして今日、11月最終週の表示をほぼ丸々2ヶ月間続けていた端末(スマホ)と、こちらのカレンダーが一致し、再び同期するように時間が流れだした。


 そんな訳で、「あっという間」という感覚と、「やっとか」という感覚が俺にはあったのだ。



 二ヶ月間。普通なら結構長い期間ではあるのだが、俺にとっては足りないくらいだった。

なにせやる事が山積みだったからだ。


 俺の周囲で多発するバグの修正のため、学園運営局(うんえい)にはほぼ毎日通っていたし、こっちの世界での俺は高校生なんてやってるもんだから、授業の内容がさっぱりで、補習を頼んで追いつくのに必死だった。


 授業中もカオリの補助あっての状態で、ずっと世話になりっぱなしだ。

その上に契約主として、契約者達の様子も見ないといけないらしい。

これほどの激務なら、トリプルワークしていた前世の方が楽だったかもしれない。



「カオリはこんなに忙しいのに、契約主をよくやってられるよな」


「え? 私の場合は契約者が少ないからね、そんなに大変じゃないよ?」


「マジか。そういや、クロ以外の契約者見たことない気がするな」


「他にも居るけど、手の掛からない人たちばっかりだからね」



 暗に俺の契約者達が手のかかる者ばかりだと言われた気がする。

実際、俺と契約しているのは、元の世界で素行の良い者達ばかりではない。

特にSSR(★7)が鬼と悪魔なのだから、それだけで他の人には脅威だ。

それもあって、俺の契約主としての管理責任が大きいのだろう。


 だが、俺もずっと二人の様子を監視しているわけではない。むしろ自由にさせている。

今だってベルが何をしているかは知らないし、鬼若はバイト中だ。

クロもバイト中で、カオリとこの公園で落ち合う事になっている。



 バイトというのは、皆がそう呼ぶだけで、実際はクエストのシステムに則ったお手伝いだ。

来訪者達もこちらの世界に来てしまったのだから、ここで生活していかなければならない。

そうなると必要なのは金だ。どこの世界でも金が必要とは、世知辛いものだ。


 そのために学園運営局(うんえい)が、来訪者向けのお手伝い募集、つまりクエストを出している。

俺がベル用にと育成素材を集めたのも、このクエストだ。その時はゲームだったけどな。


 内容は様々だが、クロはごく簡単なお届け物などをこなしているようだ。

鬼若は、無駄に有り余る体力を活かせるバイトをしていると聞いている。


 俺とクロが会ったときも、その手伝いの帰りだったらしく、

終わり次第この公園で合流するのが、いつものパターンなんだそうだ。



「ごしゅじ~ん! おまたせしましたぁ~!」



 そうこうしているうちに、元気な声が駆けてきた。

手をぶんぶんと振っているが、それ以上に尻尾が引き千切れんばかりに暴れている。

今日もクロは、どこのワンコよりわんこしているなぁ……。

などと近所の子供達に目を細めるおじいちゃんのオーラを出していると、クロに睨まれる。



「うぅ~……。ごしゅじんの膝の上は、クロの特等席なのにぃ……」


「クロってば……。ごめんね、まくま君」


「あぁ、いいよいいよ。クロのご主人を盗っちゃだめだよな」



 カオリは慣れた様子で、噴水の縁にハンカチを広げ、俺をそこへ座らせた。

だが、すかさずクロに抱き上げられガッチリと抱きしめられる。



「ごしゅじんの膝の上はクロの指定席ですけどっ!

 まくまさんの指定席はここですぅ~!」



 鬼若に引き続き、クロにも懐かれてしまったようだ。実はベルも気に入っているらしい。

どうやらそれには、(まくら)の中身が関係しているらしい。中身ってのは契約石、つまり課金アイテムなのだが、その石の魔力によって、何やら来訪者にとっては心地いいのだそうだ。

人間にとっての、ゲルマニウム枕みたいなものなのだろうか?



「まぁ別に構わないんだが、休憩したらベルを呼んで特訓だからな?」


「は~い! 今日こそベル姉さまに勝つのです!!」


「張り切るのはいいけど、無茶しないでね?」



 俺達が公園で待ち合わせる理由、それは手伝いが終ったら集まるためだけではない。

お互いの契約者の特訓をするためだ。


 この世界に、どのような来訪者が居るのかわからない。

そして、誰と敵対することになるかも分からない。敵対せずとも、戦闘になる可能性はある。

ならば少しでも経験を積んで、強くなっていた方がいい。


 そう言ってカオリを説得し、クロの特訓をする事になったのだ。

少し不安そうな顔で、クロの頭を撫でるカオリ。彼女には悪いが、本人のためでもある。


 そしてその相手、それはベルに任せる事にした。

なぜなら、鬼若が相手をすると、初撃で試合終了になるからだ。

その点ベルならば、“3ターンの溜め時間”があるため、クロの練習になると考えた訳だ。


 もちろん、ベルのレベル上げ(育成)も兼ねている。

実は前にやろうとしていたベルの育成は、本人から丁重に断られた。



侍女(メイド)としてお世話する者に、強さは必要でありましょうか。

 そして何より、経験の伴わぬ強さに、意味などございましょうか。

 貴重なアイテムであれば、我よりも優先すべき者もおりましょう」



 といった具合の返答だったわけだが、まぁ一理あるかな、と思う。


 元々SSR(★7)であれば、ある程度の強さは保障されているのだから、今後のために取っておいて、全体の戦力を底上げする方が得策だ。

それに戦闘(バトル)をすれば、微量ながらも経験値を得てレベルアップできる。経験の伴った強さと言うのはどういう事かは分からないが、ゲーム内の人物達に言わせれば、その方が強いという事なのだろう。たぶん。


 冷静に現状を分析できるベルだからこその進言だったし、俺の事を思っての事だろうから、無理強いするのも気が引けたし、やめておいたのだ。


 けれどGLvを上げるための特殊素材はベルにしか使えないので、いずれLvが上がり、GLvを上げる時にと、自身で使えるように渡しておいた。

これはベルも反対する事無くすんなり受け取ってくれたので、俺のクエスト周回は無駄ではなかったと思う。


 その時に俺がこの姿に転生した理由と思われる事に気付いたが……。

まぁ、これはいずれガチャ神に答え合わせをしてもらおう。


 ってか、放置されてるわけじゃないよね? たまには姿見せるんだよね?

うーん……、ガチャ神だからなぁ。ほったらかして遊んでても不思議ではないが……。

「残業からの帰還。ガチャ神じゃ。」


復帰一発目ですが、今日は感想が来ています。以下一部抜粋。


『”ゆっくりしていってね!!”は書籍化出版できないワードだと思いました。

 そこだけ黒塗りにされてしまいます…。』


「くぅ~、しかと胸に響いたのじゃ……」


危ない橋をさらに巨大ハンマーで叩くようなマネはやめろ。


「第二回ガチャ神の法知識コーナーじゃ!!」


スルーして唐突にコーナー始めるのもやめろ。


「今回の案件、残念ながらセリフだけで訴えるのは難しいのじゃ」


あ、そのまま続けるのな。俺の扱い慣れてきやがったな。


「長いセリフならまだしも、今回の場合は普通に使う事もある言葉じゃからな」


まぁ、確かにセリフ全部に著作権があるなら日本語が喋れなくなるもんな。


「しかし映像や画像との組み合わせならアウトになる可能性もあるのじゃ」


今回は”ゴム鞠”とか”水風船”とか言ってるんですが……。


「少なくとも”饅頭”とは表現しとらんのじゃ」


待て待て待て待て!ここで言ったらアウトじゃね?


「とは言っても、奴らは元々大手掲示板のチャンネルが今より3つほど少ない頃の

 アスキーアートが元になっておる。ゆえに権利を主張するのが難しいのじゃ」


権利を主張すれば”呑んだくれ猫”のように炎上するだろうしな。


「回避に専念しすぎて検索しても炎上の元ネタがわからんのじゃ……」

「ともかくじゃ。万が一、いや億が一……兆?京?」


”那由他が一”くらいでいいんじゃね?


「そのくらいの確率で書籍化した場合も挿絵を回避するか、

 赤や黄色、青の妖精にでも差し替えれば恐らくセーフじゃ」


青い妖精はさんすう教室始めそうだからやめような?


「そのネタが分かる人がおるのかのぅ……」


というか、この”爆死まくら”自体が元ネタ……とまでは言わないまでも

モチーフとして色々なところに着想を得てるしなぁ。


「中の人いわく”1.2次創作くらい”らしいのじゃ」


まぁでも、危ない橋だから他の作者様は止めた方がいいね。


「書籍化を望むような人は特にそうじゃのぅ」

「ところで、後書きじゃから好き勝手しておるが……これ大丈夫かのぅ?」


今さらかよ。


「次回は12月2日(日)更新予定じゃ!」


BANされてなければね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ