表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍化】ごめんあそばせ、殿方様!~100人のイケメンとのフラグはすべて折らせていただきます~  作者: 巻村 螢
第二章 推し継続中につき、刈り続行!

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

65/227

22.スフィアと涼花

とっても短いです

 交換視察も無事最終日を終え、来週からは普段通りの学院生活が戻ってくる。攻略キャラも無事片付け終わったし、全てが順調だった。

 しかし、スフィアの気は晴れなかった。


「…………」


 家へ帰る馬車の中で、スフィアは膝の上で拳を握った。巻き込んだスカートが皺くちゃによれる。

 スフィアの憂鬱の原因、それは最後に学院を去る際に、ストーゼンとラヴィーユが口にした台詞のせいであった。


『好きになったのは間違いだった』


 好きという感情に、間違いも正解もあるのだろうか。それは誰にとっての正解で、間違いなのか。

 スフィアは俯いた顔の下で唇を噛んだ。

 家に到着するなり、バタバタを荒々しい足音を立てながら、二階の自室へと上がる。階下から、ジークハルトの「どうしたんだい、スフィア」という心配の声が聞こえたが、スフィアは自室のドアを、音をたてて閉めることで返事とした。

 着替えるのも面倒臭く、鞄をそこらへんに投げだし、制服ままベッドに倒れ込む。


「結局、皆、自分の身が一番可愛いのよね」


 はぁ、と肺の奥から絞り出したような憂鬱な溜め息は、上質な羽毛の中に吸い込まれてゆく。


「……やっぱり思い出しちゃうわ、こういう場合。前世の記憶って厄介なもんね」


 ゲームの情報だけ残して、あとは綺麗さっぱり消してくれても良かったのに。



 

 それは、スフィアが涼花だった頃の記憶。


 それは、スフィアの行動原理を裏付ける主因の記憶。


 それは、スフィアに『信じる』という言葉を消失させた記憶。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] ここにきてシリアスか・・・・・!?
[一言] あ、確かこの先、暗い話だったはず、、 スフィアがんばれ
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ