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太陽の姫と黄金の魔女  作者: 桶屋惣八
第8章 ムスリカ編
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遺言3

 ビルジがバブルンに到着した翌日、(すす)けた皇宮の一室にモンゴーラ軍先鋒隊の首脳4人が再び集まっていた。昨日はシロタクとビルジの間で意見が割れ、板挟みになったティムルの意向が問われていたが、今日は打って変わって彼の方が積極的だった。サビーナの所在を知った以上、自分の手で彼女の身柄を確保する必要があるのだ。

 まずエフメト派を攻めようと言うシロタクの案を否定するのは簡単だった。

「ビルジ殿の仰る通り、北部を攻めるのは時期尚早と考えます。山岳部の天嶮に立てこもるドルク兵50万だけでも手に追えないのに、それに加えてハサール軍10万もいるのです。急いて事を仕損じるより、プラグ様の到着を待つべきでしょう」

 ティムルの反対意見を聞いてシロタクは眉を顰めた。シロタクにとってはドルクもスエーズも本質的にはどうでも良い。彼は個人的な恨みとハサールへの圧迫を強めるためにエフメト派を滅ぼす必要があるのだ。しかしバブルンを攻略出来たのはティムルの功績だし、そのおかげでハサールがジョシ・ウルスを攻める可能性はぐんと低くなった。彼はティムルに強く出ることが出来ないのだ。そして何より、ティムルの言い分はもっともだった。だがティムルも政治的な綱渡りをしている身だ。如才なくシロタクへのフォローを入れることも忘れなかった。

「……ただし、プラグ様が到着された時に速やかに攻勢に出られるよう、下調べをしておく価値は十分にあるでしょう」

下調べがしてあれば案内役として先鋒を賜る可能性も高くなる。そして斥候と威力偵察だけならシロタク直轄の兵だけでも十分だ。彼は少し考えて同意を示すように頷いた。

「……ふむ、そうだな」

 次は南に下って海賊を征伐するというビルジの案だったが、これは否定する訳にはいかない。サビーナを確保したいのはビルジも同じなのだ。幸い彼は彼女の所在を知らないはずなのだから、そのまま南に行かせるのが無難だった。

「海賊征伐ですが、確かに今後のためには早めに掃討しておいた方がよろしいでしょう」

「ふむ」

ビルジは満足気に頷いたが、もちろんティムル自身は彼に付き合うことは出来ない。彼はゴクリと唾を飲み込むと、わずかに緊張しながら言葉を続けた。

「しかし、海岸近くの複雑な地形や港町の襲撃は騎兵には向きません。また海賊は海上に逃れるでしょうから、そのアジトを長期間にわたって占領し続ける必要があります。ビルジ殿の歩兵が主体になって当たられるべきでしょう」

それなりに筋は通っていたが、だからといって騎兵が邪魔だということにはならない。海岸を広域に渡って見張るためにも騎兵は有効なのだ。ティムルにはビルジを説得する自信がなかった。しかしビルジとしては何よりセルピナの安全こそが最優先だった。海賊が再び彼女を人質に使った場合、シロタクやティムルがいては公然と取引することも出来ない。彼は目を細めるとゆっくりと頷いた。

「……なるほど、確かにそうだな」

 あっさりと説得できた驚きにティムルはぐっと右(こぶし)を握りしめた……つもりだったが、


その手応えの無さにちらりと肘から先が失われた右腕に目を向けた。すっかり慣れたつもりだったが、彼の魂は利き腕を無くしたことを未だに認められないのかもしれない。(注1) だが亡くしたつもりだった姪はまだ生きていた。右腕と左足を失ったのは彼女のせいだったが、こうなった以上は是が非でも彼女を取り戻したかった。彼女の身柄を押さえることは、これまでとは逆にビルジの生命線を握るということでもあるのだ。

 だが予想外の妨害が入った。マフズンである。

「ではバブルンの守りはティムル殿にお任せ致しましょう。この街で体を休めていてください」

彼がそう言ったのは、単純に消去法だったというだけでなくティムルの体を慮ってのことである。彼は非情で冷酷で気が回らない男ではあったが、同時に小心な小物でもあったので、知ってる人間の手足が無くなっているのを見ていると何とも落ち着かない気持ちになるのだ。ティムルは余計なおせっかいに内心で舌打ちしながらも朗らかな笑みを浮かべた。

「ははは、お気持ちだけで結構。少しは体を動かさねば馬にも乗れなくなってしまう。私は西に逃れた敵を追撃しておきたいと思います。

 バブルンの守りは皇帝たるビルジ殿のもっとも信頼篤き忠臣、マフズン殿がなされるべきでしょう。そうでなくては人心が定まないでしょうからな」

なるほどもっともな主張である。定まる定まらない以前に一般市民が人っ子一人いないということと、ビルジがドルク国民に蛇蝎(だかつ)の如く嫌われているという事実を丸っきり無視すればの話だが。

 とはいえビルジとしては、実のところマフズンも邪魔だった。マフズンは政治的な意味があって大人しくて可愛くて処女だったサビーナですら反対していたのだから、見るからに男性経験豊富で(元)性病持ちの海賊の(元)女頭目で、恐らく今頃は部下だった海賊たちに好き放題に輪姦されているはずのセルピナとの関係を祝福してくれるはずもない。下手をすると暗殺を試みたり海賊と裏取引をしかねない。セルピナから遠ざけておくに()くなはいのだ。

「そうだな。股肱の臣たるマフズンが帝都を守ってくれているなら、余も安心して留守に出来るというものだ。頼んだぞ、マフズン!」

主から褒められることも信頼を表わされることもめったにないマフズンは、歯の浮くようなビルジのおべっか(?)にあっさりと騙された。

「ビルジ様……! 不肖マフズン、命をかけてバブルンをお守りいたしますです、はい!」

「うん、うん、頼んだぞ。俺の方は心配しないでバブルンだけを守ってろよ」

「はっ!」

 あんまり注目されないまままんまとスエーズ軍を追撃できることになったティムルは、主従の生暖かい遣り取りを眺めながら、今度こそ左の拳をぐっと握った。手の平から返される確かな手応えを感じながら、彼はようやくこの戦いが失う物ばかりではないと実感することが出来た。



 そのころイゾルテも、自らの要求を通すために交渉を行っていた。ペルージャ湾の守りをムルクスに任せ、自らはアルビア半島南岸各地に避難民を降ろし、それぞれの土地の領主に預けようとしていたのだ。

「領主殿、予定通り避難民を連れて来た。約束通り金は払うから、彼らに不自由のない生活をさせてやってくれ」

しかしこのあたりの大きな港町というのは、ヒンドゥラ~ナイール間の長距離交易船の寄港地でもある。立ち寄った交易船が水不足に悩んでいれば水の値を釣り上げ、飢えていれば食料を出し惜しみし、嵐となれば高額な停泊料をふんだくって、交易による巨額の利潤から1ディナールでも多く搾り取ろうとしてきた連中なのだ。さらに交渉相手がムルクスからイゾルテに代わったことで、良からぬことを考える者も少なからずいたのである。

「いやぁ、これほどの人数とは聞いてまへんわ。()してみんな足が悪いやおまへんか。これじゃあ農作業の手伝いもでけへんわぁ」

わざとらしくボヤきながらチラっチラっとイゾルテに流し目を送るのは、イゾルテに気がある……のかどうかは分からないが、もっと金をよこせという合図だった。前提条件が変わったのだから商売人として当然の要求ではある。だからイゾルテも努めて穏便に話を進めた。

「提示した金額が十分ではないというのだな? だがバブルンではたくさんの血が流れた。……それで十分ではないか?」

イゾルテは気負うこと無く淡々とそう告げたが、その視線が港を埋め尽くすプレセンティナ艦隊に向けられていると意味深だ。イゾルテを与し易しとみた領主だったが、その自然さに返って冷や汗を垂らした。彼女には平然と「そっか、じゃあ領地ごと奪い取ろう」とか言い出しかねない恐ろしさがあった。獅子の子を猫と見誤れば将来に渡ってその報いを受けることになる。例えば……成獣になってとっくに150kgを超えているというのに、未だに自分は猫だと思い込んでネズミ追い掛け回さずにいられないとか。今も屋敷の何処かから誰かの悲鳴とドスンとかドカンという重い衝突音が聞こえて来ていたが、目の前に居る飼い主に悪びれた様子は全く無かった。恐るべき無責任さ……いや、鉄面皮である。

「わ、分かりましたがな。もう、坊っちゃんには敵いまへんわ。テヘっ」

「…………」

何故だか今更ギロリと睨まれた領主はさらに大量の冷や汗を流すことになったが、何が少年(◆◆)の気に(さわ)ったのかは結局分からず仕舞いだった。


 普段のイゾルテなら時間をかけ声を大にして人の道を説き(そして小声で現実的な利を説いて)説得するところだったが、彼女はバブルン陥落以来ずっと口数が少なかった。

 彼女があの日あのままスエーズ軍に同行していれば、光通信{反射鏡と望遠鏡によるモールス信号もどき}を用いて様々な情報を得るとともに多くの指示を出すことが出来て気も紛れたことだろう。だがその計画を知ったロンギヌスはあっさりとムルクスに告げ口をして、彼女は無理やり船に乗せられることになったのだ。近衛将校ともあろうものがなんたる体たらくだろう! 最後まで彼女に忠誠を誓って「|死すとも降伏せず!《morior invictus》(注2)」くらい言って欲しいものだ! ……と、八つ当たりで身代わりにされたセルカンは主張するだろう。

 おかげで彼女はこうして世界の果てを航海している訳だが、情報も入ってこなければ指示を出すことも出来ず、船室に閉じこもって考えることといえばバールの死の責任と、うっかり結婚を約束してしまったことへの後悔だった。バールが生きていれば「私を男だと勘違いしていただと? 不愉快だ!」と怒ってうやむやに出来たのだが、死んでしまった今となっては「男のふりをしてワシをたばかったのでござるかぁ!?」とバールに怒鳴られかねない。いや、彼は(たぶん)死んでいるので呪われるのかもしれないのだが。

――いや、私はバールが生きて帰ったら結婚すると言ったのだからノーカンだよな? でもバールは遠くと話す箱{無線機}を返すことが条件だとすっかり思い込んでたようだし……

さすがのイゾルテも自分が口にしたことを一言一句覚えている訳ではない。況してあの時彼女は結婚話や男に間違われていた怒りでテンパっていたし、バールを騙そうとしてとっさに思いついたことを口にしていただけだ。あながちバールの誤解だとは言い切れなかった。

――でも承諾したところで、シャジャルちゃんと結婚できる訳でもないんだよなぁ。やっぱり黙っているべきなのか……?

 こんな堂々巡りのことを彼女はずっと考えていた。航海しながら後悔していたのだ。だから領主と交渉をしても相手への配慮がおざなりだったし、話が上手くまとまっても不機嫌だったし、その帰り道に市場を冷やかしていても仏頂面のままだった。水兵たちは久しぶりの陸、久しぶりの新鮮な水と食べ物、そして久しぶりの女を見て心から喜んでいるというのに。

――あれ? あいつらも私が女だってこと忘れてないか?

何ということだろう! 彼女は最近誰からも女扱いされていないような気がした。まさかこれがバールの呪いなのだろうか?

――いやいや、そんな訳無いだろう。私はこんなに可愛いのだからな!

その証拠にイゾルテのことを皇帝だとも海賊の親分だとも、武力恫喝するような(たち)の悪い冒険商人だとも知らない町の人たちは、一目見てイゾルテが男装の美少女だと気づくはずだ。

「そこの坊っちゃん! うちのマンゴーを買っていっておくれよ!」

「…………」

「坊っちゃんは失礼だろ! なぁ、兄ちゃん! うちのバナナを買っていきな! 見てくれ、兄ちゃんのよりデカイだろ?」

「…………」

 街の人達はやたらと陽気で人懐っこく、そして無礼だった。久しぶりに外から客が来たので、彼らの方もはしゃいでいるのだ。だが一人イゾルテだけが落ち込み、それどころかどんどんイライラが蓄積されていた。もはや彼女の怒りは天災に等しく、それを鎮めることはもはや神にも困難だ。護衛のロンギヌスも諦めとともに一歩引いて眺めていた。「ああ、美女がひょっこり現れてくれれば陛下の機嫌はすぐに良くなるのに……」と思いながら。だが全ての人の不幸を未然に救ったのは、意外なことに神でも美女でもなく、ごっついおっさんだった。

「おめぇら、坊っちゃんだの兄ちゃんだの失礼じゃねぇか!」

イゾルテは待ち望んだ相手に喜びに満ちた声で応えた。

「良く分かってるな、おっちゃん! 一つ貰おう!」

「あいよ、一枝1ディナールだ! やっぱり一人前の男はカート(注3)を嗜まなきゃあな!」

「…………」

財布から銅貨を取り出したところで彼女は固まり、男はそれを奪う代わりに小さな葉がいっぱいに繁った若々しい枝木を押し付けた。

「立派な男は頬が一杯になるまでカートを頬張るもんだぜ!」

彼はガハハと男らしく笑いながら、自身もカートの葉を口に放り込んでくちゃくちゃと噛みながら歩き去っていった。しばらく呆然としていたイゾルテは、やがてワナワナと震えだした。

――何故だ? なぜ男と間違われるんだ? 私はこんなに可愛いのに!

彼女はくるりと振り返るとロンギヌスに詰め寄った。

「可愛くないか? 可愛い女の子に見えるよな!?」

「えっ……?」

 そう言うイゾルテは軍服を着込んだ上に面覆い{顔面サンバイザー}で顔を隠していた。暦の上での季節はまだ春だったが、アルビア半島南部は赤道が近くプレセンティナの真夏よりも日差しがきつい。日に弱い彼女には面覆い{顔面サンバイザー}が欠かせないのだ。一応さらさらロングな金髪だけは女の子っぽかったが、ロングヘアーの男だって珍しくない。うっかり髪を日光に晒していたら脱色して金髪っぽくもなっちゃう(注4)から、そこらのおっさんもターバンの中身は金髪ロングヘアーかもしれない。イゾルテなら――少なくとも普段のイゾルテなら――自分の格好が女の子に見えないと分かっているはずである。

――ってことは、別人のことか? 陛下が今思い浮かべてそうな人物で可愛い女の子に"見える"人物と言えば……

ロンギヌスには一人だけ思い当たる人物がいた。イゾルテの婚約者(?)であり、悩みの種であり、どう見ても可憐な美少女にしか見えないサラである。

「まあ、その……可愛い、というか、可憐、ですね」

「ふむ、可憐か! 確かにその方がしっくり来るな。もう19才なんだからいつまでも可愛いっていうのも変だしな!」

イゾルテはまんざらでもなさそうだった。やはり彼女は可憐なサラと結婚する気なのだろうか? だがロンギヌスはひっかかりを覚えた。

「あれ? サラ王子はとっくに20歳をこえてたはずでは?」

「…………」

「いやぁ、まだ19歳だったなら"かわいい"でもいいかもしれませんね。本人が何て言うかは知りませんけど」

「……なんでサラの話だと思った?」

イゾルテの低い声に怒りの匂いを感じ、彼は戸惑った。いったいサラ以外の誰の話だと言うのだろうか?

「え、違うんですか? だ、だって、ずっとサラ王子との結婚のことで悩んでたんでしょう?」

「なっ! なにぃーーー!?」

イゾルテが叫び声を上げると、彼はムルクスに口止めされていたことを思い出して慌てて口を押さえた。何ということだろう! このことがバレたらムルクスにどんな目に遭わされるか分かったものではない!

「あの二人は既にそこまで進展してたのか!? いつの間に!」

「…………?」

ロンギヌスは口を押さえたまま首を傾げた。自分のことのはずなのに彼女の言い(ぐさ)は何だか他人事のようだ。

「とぼけるな、サラとアントニオのことだろ? 確かに私はアレクシウスをカエサレに嫁がせたが、あれは一応女として嫁がせたんだ。既に男として世に出ているサラとアントニオでは事情が違う! いくら彼らが深く愛し合っていようと、簡単には結婚させられないぞ!」

ロンギヌスは想像もしていなかった事実を知らされて驚愕したが、それと同時にイゾルテの結婚の件がバレていることがバレていなくてほっとした。ロンギヌスにバレてることがイゾルテにバレたということがムルクスにバレたりしたら大変だ、間一髪セーフである。だが彼はその代償として新たな誤解を受けることになった。

――こいつ、私が二人の結婚を許さないと言ったらあからさまにホッとしたな? しかもサラのことを可憐だって……

その2つの事象を組み合わせれば、そこから導き出される結論は一つしか無い。

――サラがアントニオと結婚しちゃうんじゃないかと心配しすぎていたから、私まで同じ事で悩んでいると錯覚したのか? いい年したおっさんが横恋慕の上に恋わずらいか……

イゾルテはそれ以上何も言えず、カートの葉をまとめて一掴みちぎり取ると自分の口に押し込んだ。

「…………」

いかにも葉っぱという青臭くてにがーい味に彼女は眉根を顰めた。だが、カートを噛んでいれば話をしなくて済む。バレちゃったのなら仕方がないと、ロンギヌスから恋の相談なんかされたら堪ったものではない。きっと苦虫を噛み潰すような思いをすることだろう。それくらいならばと、彼女はまた一掴み葉っぱをちぎって口に押し込み、再び港に向かって歩き始めた。

注1 失った体の一部をまだあるつもりで動かそうとしてしまうことを「幻肢(げんし)」と言います。

ラノベ界隈では無くなった部分が痛む「幻肢痛(げんしつう)」の方が中二的なニュアンスもあって有名ですね。


注2 |死すとも降伏せず!《morior invictus》」はラテン語の成句です。内容はそのまんまですね。

ちなみに似たような言葉で「|親衛隊は死すとも降伏せず《La garde meurt, et ne se rend pas》」というのもあります。

これはナポレオンの古参親衛隊がワーテルローの戦いで包囲されて降伏勧告を受けた時にカンブロンヌ連隊長が返した返事だそうです。

嘘ですが。

彼が言ったというのも嘘らしいですが、言葉の内容も嘘っぱちです。実際に古参親衛隊は壊滅しましたが、カンブロンヌ自身は最終的に降伏して生き残ってるんですよね……

「板垣死すとも自由は死せず」という(なにがし)退助さんの名言みたいなものです。仲間内でそういう事にしちゃった感じでしょう。


注3 カート(チャット)とというのは、イエメン人が大好きな葉っぱです。「葉っぱ」というと大麻(マリファナ)の隠語みたいですが、どっちかというとコカの葉です。乾燥させたり火をつけたりすること無く、生でむしゃむしゃして汁を啜ります。どっちにしても非合法ドラッグですが、カートは(イエメンでは)合法です。

 しかし薬効(?)はコカの葉よりさらに低いようで、ハムスターみたいに頬が膨らむくらい大量に摂取しないと効きません。

ぶっちゃけドラッグというよりタバコか酒くらいの感覚なのでしょう。青臭いんだからメンソールかハーブ酒?


注4 中世ヴェネチアでは金髪ブームが巻き起こりました。しかしあいにくラテン系で多いのはブルネット(黒髪)です。

そこで上流階級の御令嬢方はこぞって髪だけの日光浴をしました。髪だけ日焼けにして脱色を試みたのです! なんという(後先を考えない)行動力……!

パサパサになりそうですが、トリートメントはどうしてたんでしょう?

そして、そこまでしても茶髪にしかならないと思うんですよね……

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