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やったか?

ざしゅ、という音を立てて最後のバトルロイドが俺の野太刀によって袈裟斬りに左肩から斜めに分断され、アムロイ軍のバトルロイド群は全滅した。


飛行甲板上はバトルロイドの残骸が死屍累々の有様を呈し。朝比奈少尉率いる両分隊が突入した艦載機格納庫内からはド派手な爆発音が響き、火災が発生しているのだろう、黒煙がもうもうと吹き上がっている。


艦載機格納庫内は特務隊による撃って撃って撃ちまくれ状態で、多機能ライフル銃から放たれた小型ミサイルが艦載機を破壊し、徹甲弾は壁体を易々と貫いてその奥で信管を爆発して艦内を破壊。爆発は乗組員達をも殺傷している事だろう。


「隊長、核爆弾2基の設置完了し、起爆装置を作動させました。爆発は10分後です」


「了解した。脱出するぞ」


俺は特務隊全員に聞こえるよう回線を開いて敵大型空母からの脱出を命じた。ぼやぼやしていたらこちらまで核爆発に巻き込まれてしまう。


左舷の艦載機格納庫は艦載機に装填するミサイルに火が回って誘爆が始まっている。天井からは消火剤が勢い良く噴出しているけど火勢に対して明らかに劣勢で、火勢鎮圧の兆しは無い。それどころかミサイルの誘爆が続き、爆発の振動が艦隊を揺らしているほどだ。


もしかしたらこの誘爆だけでこの空母は撃沈出来たのかもしれないな。まあ念には念を入れた方が確実だ。


特務隊両分隊は艦載機格納庫から飛行甲板に出ると、次々と降下して行く。第1分隊は涌井曹長が殿を守って最後に降下。俺達は自由落下から地表面近くで反重力飛行ユニットの出力を上げて減速し、難無く地表に降り立った。


未だ大型低気圧の目の中にある地表は所々に暴風雨による水溜りがあり、時折吹く風が何処からか吹き飛ばされて来た細かな雨粒を宙に舞わせている。既に降下していた朝比奈少尉が隊員達を集合させていた。俺と最後に降下した涌井曹長が加わって特務隊の損害は無し。ここまではパーフェクトだ。


「間も無く10分が経過します」


朝比奈少尉が敵の大型空母に仕掛けた小型核爆弾の起爆時間を告げた。


「全員近くの岩陰に身を隠せ」


俺の下命で隊員達が一斉に岩陰に隠れる。現代の核技術では核分裂反応による放射線被害は殆ど無い。技術の発達によって核分裂反応に伴う放射線の発生が抑えられるからだ。とはいえ、距離がありパワードスーツを着装しているとはいえ進んで核爆発に身を晒す必要は無い。


「10秒前、9、8、… 3、2、1」


朝比奈少尉のカウントが進み「0」をカウントすると、上空はアムロイ軍の大型空母が滞空している高度に一瞬閃光が走り、次いで大きな火球が生じて爆発音が轟いた。


間違い無くアムロイ軍の大型空母が俺達の仕掛けた小型核爆弾で轟沈して消滅したのだ。


「やったな!」


誰だかしらんが「やったか?」と言わなく良かったよ。


「やったぞ!」

「「yeah!パンッ(ハイタッチ)」」

「た〜ま〜や〜」

「じゃあ俺はか〜ぎ〜や〜」

「大成功や!」


隊員達が各々歓声を上げる。


「やりましたね、御剣隊長。お見事です」


涌井曹長からお褒めの言葉がかけられた。見えないけど、涌井曹長はヘルメットの中でそれは渋くいい笑顔でそう言ってくれたはずだ。超ベテランのマスターと兵達から崇められる涌井曹長からの言葉だ。素直に嬉しいね。


「そうだな、俺達の勝利だ」


敵大型空母の更に上空で待機している試験艦キャスパリーグが俺達を回収に来ればこの作戦は終わる。


「隊長!」


と、オルデンドルフ軍曹がちょっと焦った声で俺を呼んだ。


「何だ?」


「爆沈した空母から何か飛翔体が射出されたようで、こちらに落下してきます」


オルデンドルフ軍曹が指差す方向を見れば、確かに球体の飛翔体が落下して来ており、あ、パラシュートを開いたぞ。


「パラシュートが開いたという事は救命カプセルとか、そんな類いでしようか。どうします?」


いや、また面倒くさい事してくれたな。最後っ屁って奴か?


「救命カプセルならアムロイ人だって救助しない訳にはいかないだろう。生きていたら捕虜にしなければならないし。はあ、面倒くさい」


そう言っている間にもアムロイ軍の救命カプセルは地上に落下した。ただパラシュートが開いた高度が低くかったため、ドン!という感じで衝撃が強そうであった。中の人、大丈夫かな?


「まったく…」


面倒でもやるべき事はやらなくてはならない。俺はぼやきながらも両分隊でカプセルを包囲させて中身の救助に向かった。。

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