表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/24

降下、からの着艦、破壊活動

開いた試験艦キャスパリーグの艦底ハッチから2個分隊に分かれた特務隊が降下する。


キャスパリーグが滞空するのは赤道付近で発生して北上している大型熱帯性低気圧の目の上空だ。降下した俺が直率する第1分隊は暴風雨に翻弄されながら反重力飛行ユニットで飛行し、やがてほぼ無風の目に入った。


巨大な熱帯性低気圧の大きな目の中にあるアムロイ軍の大型空母は約8000mの高度に滞空。上空から見た敵の大型空母は豆粒のように見えるも全長800mにも及ぶ巨艦である。


低気圧の目に入った俺達はシミュレーション通り無風状態の中で反重力飛行ユニットの出力を瞬間的に最大に上げ、敵大型空母の飛行甲板上への着艦態勢に入る。


俺達が着装している新型パワードスーツはカメレオン機能によりスーツ表面は周りの景色と同化し、ステルス機能によりレーダーで探知される事も無い。それ故にこれまでのところ敵大型空母に何ら動きは見られ無い。


俺達はキャスパリーグから降下して以降、互いに一切の通信を絶っている。それは無線は勿論、光の点滅によるモールス信号に至るまでだ。無線は傍受されるし、光の点滅は敵に光学的に発見される恐れがある。なので俺を含めた10人全員それぞれが機載のAIによるナビゲーションで敵大型空母に向かう事となっていた。


豆粒のようだった敵大型空母は今や目前に迫り、俺はその左舷飛行甲板上に降り立つ。それはこの一ヶ月の間に散々実験した通り反重力飛行ユニットの機能により着艦はふわりといった感じだ。


着艦と同時にカメレオン機能を切って姿を顕在させる。俺に続いて着艦していた第1分隊の隊員達は次々と顕在化させ、俺のハンドサインによって集合。艦の中枢側を見れば同じく第2分隊が集合していた。


両分隊とも脱落は無く、ここまでは作戦は順調に進んでいる。


〜・〜・〜


敵の大型空母の形は横向きに倒した直方体を種構造体とし、その両サイドに副構造体が付属する艦体となっている。主構造体の前部甲板には主砲などの兵装が並び、艦体中央から後部にかけて動力たる反物質炉が装備されている。


艦体両サイドの副構造体後部には推進措置たる反重力エンジンがあり、前部が飛行甲板と艦載機格納庫だ。飛行甲板は上下にあって、両サイド上下と計4本。重力の無い宇宙空間ならこの4本の飛行甲板から200機もの艦載機がカタパルトによって射出される。


どうして敵である異星人の艦体構造について詳しく知っているのか?それは地球連邦軍の艦艇もそれと全く同じ構造だからだ。それはそうだ、だって我が軍の艦艇は鹵獲したアムロイ軍の巡洋艦をその技術の源としているからな。


それ故にこの(ふね)の弱点も知っている。


〜・〜・〜


着艦した左舷飛行甲板で特務隊の第1分隊と第2分隊は手筈通りに互いに距離を置いて配置に着いた。甲板上には電磁カタパルトと思われる二本のレール上構造物があり、その奥には艦載機格納庫のハッチがある。勿論閉じられているけども。


ここで問題になるのが俺達が装備する火器ではこのハッチを破壊出来ないというところ。各員が携行している多機能ライフル銃は強い貫通力を発揮する徹甲弾とそこそこの破壊力を発揮する小型ミサイルを発射出来るけど、大型空母相手では豆鉄砲もいいところだろう。大型空母の装甲は隕石やデブリの直撃だって目じゃ無いし、戦艦や巡洋艦の主砲や対艦ミサイルでなければ破壊出来ない代物だ。


持参した小型核爆弾を甲板上に設置しても良いのだけど、何せ核爆弾とは言え小型だから2発でもそれで確実に仕留められるか不安が残る。まぁ、撃沈出来ないまでも無力化出来れば目的は達せられるのだけど、敵味方に与えるインパクトって物もあるから可能な限り派手に轟沈させたい。であるならば艦内に核爆弾を仕掛けなければならない。


ここでしなければならないのは、アムロイの連中にこちらの存在をアピールする事だったりする。隠密を旨とする特殊部隊の破壊活動とは矛盾する行動ではあるけど、まずは派手に動いて俺達を排除するため連中に艦の何処かしらを「開けさせ」なくてはならないからな。


「御剣より特務隊各員、手筈通り艦体に各所に破壊工作を仕掛けろ」


既に無線封鎖も解除しているけど、隊員達は俺の下命に行動によって了解とした。


艦体の外殻がいくら硬く頑丈であっても全てがそうではない。レーダーやセンサーの部分はその限りじゃない。それにアムロイの連中は現在の圧倒的有利な戦況に油断しているのだろう、艦橋や艦体各所の"窓"に防御シャッターを降ろしていなかった。


第1分隊は艦橋とレーダーのアンテナを狙って射撃を準備、第2分隊は閉じられている艦載機格納庫のハッチに向けて銃を構えた。


「第1分隊、撃て!」


第1分隊10人による一斉射撃。先ずは複数の小型ミサイルによりレーダーアンテナが破壊され、徹甲弾の集中着弾によって艦橋の窓に罅が入り、やがて貫通。おそらく窓を貫通した多数の徹甲弾は艦橋内で跳弾となって艦橋クルーを殺傷した事だろう。


ブーッブーッと敵大型空母の艦内から警報音が響き始めた。遅いっての。さてアム公ども、どう出るか?



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ