第99話 「仲間たちと近況報告」
僕たちは情報交換も兼ねて、放課後に集まっていた。
みんなうまくやっているようだ。
もうニンメイちゃんは友人ができて、遊ぶ約束を取り付けたらしい。
まぁこの学校に居ても、全く違和感がない年頃だからな。
「皆さん凄いんですよ! とっても楽しいんです!」
「ニンメイちゃんに友達ができたみたいでよかったよ」
一生懸命にその日の出来事を話す姿が微笑ましい。
彼女は仲間たちの中でも一際若いので、パーティの中では窮屈な面もあっただろう。
同年代の学友と接して、見聞を深めて青春を謳歌してほしい。
っと娘に対するような考えをしちゃったな……
早く結婚していれば、これくらいの子どもがいるし。
僕もオッサンになったという事だ。
「コックロ。王女殿下とはどんな感じか?」
「素晴らしい人格者だよ。転校生の私も気にかけてくれる。クラス全体がいい雰囲気だ」
彼女は人心掌握にも長けているらしい。
エルマージが言うのだから、相当に外面がいいのだろう。
いい人そうにも見えたが、まだ油断はできない。
貴族はにこやかに接しながら、急に裏切る生き物だ。
「具体的にどんな方か聞いても?」
「う~ん……私もよくわからない。何が好きなのかも、皆遠巻きにしている高嶺の花なんだ。皆に対して平等に接する、人格者だとは思うが……あまり他の方とも一緒に居るのを見たこともないし」
確かに学友を侍らせたりしないな。
初めて会うようなタイプの女性だ。
単純な性格ではないと、直感的に理解できた。
あのくらいの年頃の恩の子は、仲いい子と一緒に居たがるものだし。
使用人らしき人に紅茶を入れて、一人で黙々と本を読んでいる姿を何回か見たが。
「―――――――美しい人たち。僕のハニーにならないかい?」
中世的な顔立ちの優男。
細身だが引き締まった体に、長身。
急に話に割り込んできた。
もちろん仲間たちは拒絶する。
「なんだお前は? 突然話に割り込んできて、空気を読め。知り合いがいたとして、話しかけ方というものがあるだろう」
「あぁ美しいエルフのお嬢さん。あなたに惹かれて僕はやってまいりました。ナルシスの名を覚えて頂きたい」
礼儀を弁えない者に厳しいエルマージが、反感を口にした。
迫力がある。
そして頓珍漢な返答をする。
共感性羞恥を覚える程にサムいわぁ~……
いくらイケメンでも許されないだろう……
エルマージは更に怒りのボルテージを上げた様子。
「人の話を聞けないのか? ……あぁお前がナルシオという奴か? あらゆる角度から見ても、性格に欠点しかないという噂だったが……」
「すみませんが、ここはお引き取りを願います。親しい友人と過ごしておりますので、楽しみに横やりを入れられたくないのです」
要注意人物として、既に広めていた。
まさかコイツから女性陣に声をかけてくるとは。
余りに自分勝手な行動に、嫌悪感を隠さない女性陣。
エルマージに続いて、オーエラさんまで嫌悪を覚えたようだ。
適切な距離の詰め方をすれば、嫌な顔を見せず。
喜んで話してくれる人たちなのに、コイツは……
「あぁ。今日は機嫌が悪いようだ。そちらの凛々しいレディ。僕とディナーでもいかがでしょうか」
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