表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

97/241

第97話 「セインセス王女との出会い」




 あの後は数日平和に過ごせた。

 号泣して教室を去ったナルシオは、姿を見せていない。


 学生たちは彼がいなくなると、とても楽しそうにしていた。

 僕のことを受け入れてくれるいい子たちだ。

 彼らの話を聞くと、この学園のことを色々聞けた。




 もちろんナルシオのことは、全員が罵詈雑言と愚痴だらけだった。

 自分が恥をかいたり嫌なことがあると、自室に引き籠って泣いているようだ。

 メンタル弱っ。






「はじめまして。マノワールさん」



「王女殿下。お初にお目にかかります。マノワールと申します」



 そんな折に清涼な美声が声をかけられた。

 振り返ると何者かわかった。

 クラスメイトからも聞いた、この学園で敬意を払うべき人物。


 この学園で唯一、学園長ですら政治的に口出しできない、最も高貴な一族の一員。

 上品に結ばれたサイドテールが特徴的だが、その存在感は圧巻のもので。

 身長は平均的だが、とても恵まれたスタイル。

 これまで見た中でも、最高位の美人だ。




 僕は廊下の隅の方で片膝をついて、彼女に敬意を表す。

 どうやら僕のことを知っているようだが、何を言ってくるのだろうか?






「ああ。そのようなことは、どうかおやめください。ここは中立の学園で、そのようなことはなさらないで頂きたく思います」


「これは失礼をいたしました。王女殿下にお気を揉ませてしまい、誠に申し訳ございませんでした」


「いえ。学外の立場の差がそうさせてしまったのですから、どうかお気になさらないでくださいませ。学生同士よろしくお願いいたします」


「ありがたき幸せでございます」


 そうは言うが、初対面でこうしないわけにはいかない。

 絶対にため口など利いてはならない存在だ。


 貴族とはわけが違う。

 王族に睨まれたら国に居られない。

 近隣諸国ですら、指名手配されかねないだろう。




 貴族に恨まれるくらいなら、他の領地にでも流れればいい話なのだから。

 まぁ戸籍も無くなるから、普通はやらないが。


 最悪は冒険者として身を立てられる僕には、あまり気にしなくてもいいことだ。

 僕はある事情で戸籍もないわけだしね。




「少しお話をしたかっただけですの。転校生の方から、外の世界のお話を伺いたくて。先ほどの授業のことはお聞きしました。あのような実力をお持ちなのですから、素敵な人なのだと思いまして」



「恐悦至極にございます。王女殿下にお楽しみ頂けるような話はあるかわかりませんが、微力を尽くします」



「ありがとうございます。どうぞ私のことはセインセスと呼んでくださいませ」









面白い、または続きが読みたいと思った方は、


広告下↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓の☆☆☆☆☆から評価


またはレビュー、ブックマークしていただけると、モチベーションに繋がりますので執筆の励みになります!!!!!!!!!!





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。


旧作も読んでくださると嬉しいです!

 『異世界神様チート貴族転生したら、女装して女学園に通って悪役令嬢を誑かして婚約破棄させるように言われた。クラス転生していた悪役令嬢に男バレして追放されたがもう遅い。聖女(?)として復讐だざまぁ!』

テンプレ末期戦異世界チート転生女学園潜入もの書いてます。
こんなタイトルですが、神々の争いに主人公が巻き込まれるシリアス戦記です
 

 『追放ザマぁジャンルの研鑽について、また個人的対策案の成否に関する所感』

初エッセイです。本作品を基に書きました。
また初創作論です。
追放ザマぁジャンルを執筆する作者として、自分なりに反省点を交えた考察。
追放ザマぁの構造的問題への解決につながるかもしれないアプローチ。
新追放ザマぁシステム『連続追放』を通して分析することで、違和感なく楽しみながら完読できる小説を目指すという、ジャンル全体における質の向上を目標とする文章です。
皆さんの目で、お確かめ頂ければともいます。


一日一回投票いただけると励みになります!(クリックだけでOK)

小説家になろう 勝手にランキング
― 新着の感想 ―
[良い点] ナルシオ君メンタル弱かったんですね(*´艸`) 引きこもって泣いてるとは、なんというか、かわいちょうです。 私はダメっ子好きなので母性本能をくすぐられて慰めてあげたくなってしまいます。 で…
[良い点]  新たなヒロイン? いや、彼女は確か泣き虫ナルシオの上司だったような。  い、一体どうなるんだ!?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ