第93話 「オーエラとの学生生活」
次の日、ついに入学の日を迎える。
ニンメイちゃん達と別れ、登校する。
オーエラさんと歩き出し、二人で赴く先のクラスについて会話する。
何事も最初は緊張するな。
「私たちは同じクラスでよかったですね! 魔法は興味あったんです! でも一般人は学べる機会がなくて」
「僕も一人じゃ心細かったから、心強いよ。ペア作業とかあるし、こんなオジサンじゃ余ることがわかっていたからね」
「私も学生の子たちには、ちょっと話しかけづらかったです」
「だよね! 初対面だしさ。オーエラさんはお姉さんとして慕われそうだけれども」
「もう! 揶揄わないでくださいね」
可愛らしい抗議をするが、顔は笑っている。
可憐で誠実な彼女なら、誰からも好かれるだろう。
まぁ僕は学生時代も友達少なかったから、どうでもいいけどね。
ペア作業もあんまりないし、あったとしても模擬戦でサンドバッグがわりにボコボコにされてたから。
「今はステータスも上がって、魔法も使えるようになった。学べば学ぶほどに身になるんだ。頑張って身に着けようと思う」
「やる気十分ですね! 学生生活は経験したことがないんです! 頼りにさせて頂きます♪」
「まぁある程度は勝手がわかるかな。最近の若い子にはついていけないと思うけどね」
在校生の子ほど頼りにはならないだろうけど、昔の延長線上にはあるだろう。
彼女に勉強を教えるという事はないだろうけど、細かい独自文化の機微はアドバイスできるかな。
器用な彼女はたちまち習得してしまうだろうし、少しすれば僕が逆に教えられてしまうだろうけど。
「なら同級生ですね! 敬語じゃなくていいですよ。もうほとんど素で話してますが、この際そうしてください!」
「それもそうだね。いい機会だしそうしようか。オーエラさんも」
「よろしくね同級生くん! なんだか新鮮さが増しちゃったね」
「若い頃に戻ったみたいだよ」
なんだか照れ臭いな。
青春時代に戻ったようだ。
僕はひたすら自己研鑽に打ち込み、それ以外の思い出といえば暗い物しかないけど。
でもあれがあったから、今こうして生きていられるのだと思うと感慨深いものだ。
「う~~~ん。やっぱり年上の方には違和感があるので、敬語に戻しますね。どうしても癖で誰にでも使っちゃうんですよ」
「僕は構わないけれども。オーエラさんの楽な方でいいからね」
「マノワールさんとオーエラさんですね。クラスへ案内いたします」
「よろしくお願いします」
案内の教師の方が、やって来る。
そうしてクラスの前にたどり着く。
少し教室の外で待つと、声がかけられて入室する。
若い子たちが勢揃いしている光景を見るのは久しぶりだ。
「「「「「…………」」」」」
しかし歓迎されないみたいだ。
貴族の子は気難しいのが多いからな。
ボス貴族によって雰囲気はまま変わるものだ。
これは付き合い方に苦慮することになるかもしれない。
「なんだねそのオッサンは? そんな奴が学生? ハハハハハ!!! お笑いだな! 用務員がお似合いだぞ!」
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