第91話 「学生服を着た仲間たち」
「恩人でありますからそう畏まらずに。教師たちには私から口添えしておきます。なるべく面倒ごとに巻き込まれないように配慮いたします」
「お心遣いに深く感謝申し上げます」
こんなオジサンが入るのも、それ自体が面倒ごとになりそうだが。
でもそうそう面倒ごとになんか巻き込まれないか。
すでに濃過ぎる日々を送ってきたんだ。
そう大した事件など、学園では起きないだろう。
そういう訳で入学することになったのだ。
みんなに相談して了承を頂き、相談している最中である。
現在彼女たちは、普段と一風違った衣装に身を包んでいる。
白と水色を基調とした、学生らしい清楚な出で立ち。
黒タイツを着用して、肌の露出を控えている仲間もいる。
「皆、学生服似合っているね。可愛らしいよ」
「えへへ」
「ありがとう。嬉しいよ」
「可愛い服ですが、私に似合っているでしょうか」
「私は着るの免除してほしいくらいなんだが……こんなひらひらなの」
一生懸命スカートの裾を引き延ばして、モジモジしているコックロが、なんだか……
胸部がものすごくパツパツで、オーダーメイドのはずなのに……
いやいや煩悩を感じてはならない!
照れているニンメイちゃんは可愛らしいの一言。
年齢的にも実によく似合っている。
堂々としているエルマージも、流石のプロポーションだ。
似合わない服がないまであるだろう。
オーエラさんも気恥ずかしそうにしているが、制服が似合う人だからな。
真面目な風貌の彼女は、受付嬢としても学生としても完璧なまでのスタイルだ。
じっと見ていると変な目で見ているように思われそうだ。
話を変えるか。
「ところで皆はどのクラスに行くか決めたかな?」
「そういうことなら私は近接戦闘クラスにでも行こうかな。私には魔法クラスは学べることが少なそうだ。みんなそれぞれ違うクラスに行って、卒業時に教え合う方が効率がいいだろう」
この魔法学園には、近接戦闘クラス、魔法クラス、官僚クラス、芸術家クラスがある。
その中でそれぞれコースが分かれて、進級と共に専門分野に進んでいくというシステムだ。
エルマージは早速決めたようだ。
即断即決が求められる冒険者として、自らに最も必要な能力を獲得できる場を選んだ。
今まで色々あったから心配だが、彼女ならやってくれるだろう。
「それじゃ頼むよ。一人で行くことになるかもしれないけど、心配だな」
「ああ。学生程度ならば私でも十分対抗できる」
「迷いましたがエルマージさんと一緒に、私も戦闘クラスに行きますかね。官僚クラスよりも、こちらの方が今は必要でしょうし。」
「そうか! ならヨロシクなニンメイ」
よかった。二人揃えば何かあっても大丈夫だろう。
ニンメイちゃんも本格的に戦う術を身に着けるなら、安心できる。
「私は官僚クラスかな……事務仕事ができないとどうなるか、この前思い知らされたばかりだし……学生レベルの魔法も戦闘も、私には無用だ。事務は基本くらいはわかるが、それに甘んじてはならない。この機会に自分に足りない部分を高めて参ろう」
「そうかい。勉強は大事だ。いい経験になることを願うよ」
「ありがとう。各々必要な技術を習得するために頑張ろう。じゃあみんな決まったことだし、申請しに行こうか」
コックロも決めたようだ。
向上心が高い彼女は、一人で未知なる世界に飛び込む決断をした。
何事もなく申請を終え、特筆することなく試験も終えた。
学園長肝入りだったので、当然受かるものだが。
果たしてどうなる事やら。
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