第90話 「魔法学園入学」
魔法学園に到着した。
学園長の案内の下で、巨大な城の内部へと入る。
重厚な壁が、白亜の城を囲んで形作っている。
音もたてずに門が自動で開いたり、階を移動するために昇降機設備が設置されていた。
これだけでも凄いのに、ここにはトップレベルの魔法使いたちが切磋琢磨している。
教育環境としても末恐ろしいものだ。
僕は傷も治療してもらい、完治することができた。
魔法は凄いな。
これだけの治療をされるなら。金貨が何枚必要なのやら。
このために来ただけでも、儲けものというもの。
「えっ、冒険者ギルドをクビになった……? あのギルドは汚職だけでなく、そんなことまでしていたのですか!?」
「ええ。詳しい経緯は―――――――」
ぼくは今までの事の顛末を説明する。
恥を晒すようだが、迷惑をかけることは避けなければならない。
学園長も聞いて信じられない様子だ。
僕もエルマージやニンメイちゃん、ミーニャさんを追放するなんて正気の沙汰とは思えない。
「なんと!? 以前にもそのような騒動ばかり!? 何と申し上げたらよいか……大変なご苦労をされましたな」
「ええ」
「それならぜひ、新学期に入る我が学園に入っていただけませんか!? この時期ですと、中途入学となりますが、マノワール殿の能力ならば大丈夫でしょう! 筆記試験がネックですが」
ありがたいことにお誘いを頂けた。
魔法か。
学生の頃に使おうとしたが、才能のなさから断念した概念。
この際学問を、もう一度体系的に修めるべきだろう。
魔法に関しては才能の問題から、あまり手を出さなかったし。
「ああ。学園の筆記試験ならば、合格できるでしょう。以前学園生でしたので」
「そうでしたか! 便宜上試験は受けることになりますが、マノワール殿でしたら、誰からも文句を言わせずに入学できることかと! 一芸に特化している者は、入学させる方針ですので」
「私の仲間たちも、学園生として守って頂くことは可能でしょうか?」
「もちろん皆さん私の恩人ですから! 学費もお支払いいたしましょう!」
「これはありがたい! しかしオーエラさんが気になるな」
僕はところどころ抜けもあるだろうが、知識に問題はない。
しかし仲間たちも入学できれば、より安全になると思う。
汚い考えだが何かあれば、学園の責任問題として擦り付けられるからな。
彼女は戦闘者ではない。
ギルド職員だから最低限なら自衛できるとは思うけど。
「彼女でしたら筆記だけでも受かるでしょう。ギルド職員を務めているならば、本校の筆記試験は余裕でしょうから。先ほどは能力がないといけない風に申しましたが、最低限の能力さえあれば入れます。貴族が多く入りますからな。学のない者でも魔法の才があれば入れておりますので」
「それなら安心です」
「それに魔法学園といっても、魔法を使えない者も多いです。魔法使いである生徒自体の割合は、実は少ない。それでも魔法を安全に学べる拠点は少なく、ここは大きな権限を得ております」
どうあっても魔法とは危険だ。
常に怪我が付き纏う。
だからどの国でも中立という建前の下で、ある程度の自治は許されているのだ。
そうでなければ修行にならない。
「是非その魔法学園で学ばせて頂きたく。生徒としてよろしくお願いいたします」
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