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第76話 「王国最上位騎士たちの激闘」





 凄まじい剣戟の応酬。

 パワー、スピード、技術、どれをとっても一級品。


 Bランク冒険者の上澄みであったパラフィリオ級に、両者は優れた剣士だ。

 いや総合力ではそれ以上かもしれない。






「気に食わないんだよお前ぇぇぇっっっ!? 俺より身長高い女は皆死ねぇっっっ!」



「そうやって身体的特徴に拘っているから、身も心も小さい男なんだっ! 女は結構、男のしょうもない所を見ているからなっ!」



「黙れ黙れ黙れ黙れ!? 俺は身長高いんだ! 身長どころか人格までマウントとってきやがって!? だから結婚できないんだよっ! 男は支配しやすい弱そうな女が好きなんだっ!!!」



 コックロの神速の突きを、サンシータは容易くいなし。

 彼の袈裟斬りを、彼女は最小限の動作で躱す。


 何十も剣は振られながら、お互い掠り傷一つない。

 数十秒に及ぶ拮抗状態。

 完全なる互角だ。






「ここで勝って俺の優位を証明する!!! お前の心をへし折って、俺が出世でも身長でも勝つ!!!」



「お前に勝つのは私だ!!! 他人の気持ちどころか、自分が成長期を終えたことすら直視しないお前には負けない!!!」




 この勝負どうなるんだ―――――――?

 少しだけだが戦う目が養われてきた僕にもわからない。

 

 勝ってくれコックロ。

 罪なき人々のためにその身を挺して立ち向かった、誇り高き女騎士。

 誰もの願いを背負う実のはとこに、祈りを捧げた。






「アッ。俺の賄賂―――――――」






 激闘の末、煌めく存在がポケットから零れ落ちた。

 落下した銅貨に躓いたサンシータは、バランスを崩した。






「―――――――因果応報とはこのことだ!!!!! これでトドメだっ!!!!!」






 もちろんコックロは類稀なる剣士。

 その隙など逃さない。


 だがサンシータの姿勢は傾いている。

 コックロは彼の腹部に充てようとしたのだろうが、それは……






「ほぎょ」




 つんのめっていた、彼の股間に直撃した。

 もちろん殺すつもりはないから、剣の腹で叩いたコックロ。

 それでも全力の一振りで、何かが破裂したような音が響き渡った。


 サンシータは内股になり崩れ落ちる。

 そして顔から地面に倒れ込み、沈黙した。




「「「「「…………」」」」」



 僕たち土木作業員は、それを何とも言えない表情で見るだけだった。

 あれだけ応援していたコックロが、勝利したというのに歓声もない。






「あっ……ゴメン……そんなつもりじゃ……」






「……ぉ゛ぉ゛ぉ゛……お゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛……ぁぁぁ……」






「だい……じょう……ぶ……?」






 余りの痛みからか、嘔吐しているサンシータ。

 もう転げまわる気力もないようで、真っ青な顔で口から泡を吹き始めた。


 コックロは背中を擦ってあげている。

 コイツは憎むべきだった敵なのに、優しい子だ。




 でもこれは……流石に……









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 『異世界神様チート貴族転生したら、女装して女学園に通って悪役令嬢を誑かして婚約破棄させるように言われた。クラス転生していた悪役令嬢に男バレして追放されたがもう遅い。聖女(?)として復讐だざまぁ!』

テンプレ末期戦異世界チート転生女学園潜入もの書いてます。
こんなタイトルですが、神々の争いに主人公が巻き込まれるシリアス戦記です
 

 『追放ザマぁジャンルの研鑽について、また個人的対策案の成否に関する所感』

初エッセイです。本作品を基に書きました。
また初創作論です。
追放ザマぁジャンルを執筆する作者として、自分なりに反省点を交えた考察。
追放ザマぁの構造的問題への解決につながるかもしれないアプローチ。
新追放ザマぁシステム『連続追放』を通して分析することで、違和感なく楽しみながら完読できる小説を目指すという、ジャンル全体における質の向上を目標とする文章です。
皆さんの目で、お確かめ頂ければともいます。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 成長期が終わったことすら認められないとは、サンシータ、本当に残念な小者ですね笑 でもあのパラフィリオと並ぶほどとは。かなりの強者です。剣の訓練だけはしっかりとしていたのでしょうか。 そ…
[良い点]  男の沽券を奪うざまあ……絵から伝わる以上のダメージですね、これは、
[良い点] ひええぇ:(´◦ω◦`): これは…痛い…
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