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第71話 「知己との再会」




 僕たちは建設現場へと赴く。

 石壁が張り巡らされ、要塞線のようになっている。


 一種の作品のようで、壮観だ。

 こういった建造物もロマンがある。




「凄いものだ。これを僕が作ることになるのか。なんだか燃えてきた――――――」



「――――――マノワールさん! お久しぶりです」



「ジュクレンコさん! こちらで働いていたのですか!」



 見上げる程の建造物を眺めていると、隣から声をかけられる。

 昔の同僚であった、壮年の男性が声をかけてきた。


 最初に追放された会社である、ショワジ組の役員を務めていた僕の元上司。

 僕の後に会社を辞めていたと聞いた彼は、なんとこの領地にいたのだ。

 もしかしてここが転職先だったのかな?




「これは凄い偶然です! こちらで働いていたのですね!」


「ええ。知り合いがここで働いていたので。今は幸運にも人区画の責任者を務めております」


「流石はジュクレンコさんだ! あなたの腕なら当然でしょう」


「これは光栄です。マノワールさんもこちらに勤めることに?」


「実は―――――――」


 今まであったことを伝えると、ジュクレンコさんは驚きつつ喜んでくれた。

 こうして自分の口から説明してみると、まるで自分の話じゃないかのような波乱万丈の人生だな。






「大出世じゃないですか! おめでとうございますマノワールさん!」


「いやいや仲間の実力が大きいです」


「ジュクレンコさんお久しぶりです! さっきしていたお話ですが、マノワールさんがダンジョンボスを倒したんですよ!」


 ニンメイちゃんも知己を見つけて、こちらにやった来たようだ。

 そして僕の功績であるというかのように話をする。

 ニンメイちゃんを始め、凄い仲間がいたおかげなんだけれどな……

 



「なんと! いや昔から何でも卒なくこなす、底知れない方だとは思っておりましたが!」


「二人とも買い被りすぎです。僕なんて普通の冴えないオッサンで」


「それは謙遜のし過ぎかと……」


 表情が引き攣っているジュクレンコさん。

 謙虚なんじゃなくて、本当のことを言っているだけなんだけれど……






「ま、まぁ! よろしくお願いしますよ! 護衛から建設まで微力ながらお力になれれば」


「それはこちらこそです! マノワールさんのような即戦力の方がいれば、百人力です! なんでも土魔法までスキルを得たとか! それならばやって頂きたいことが山ほどあります!」


「お任せください」


 やっぱり必要とされるのは嬉しいな。

 ここでまた頑張って、夢を叶えよう。

 余生をまったり建築に携わって、スローライフで過ごすんだ。






「――――――マノワールさん!」


「オーエラさん! 本当に来てくれましたか!」


「この度はお誘いありがとうございました! もう大変で―――――」


 手紙を送って呼んでいたギルド受付嬢の女性は、本当に来てくれたみたいだ。

 ということはあの腐敗した組織を辞職したんだな。


 今までの経緯を聞くと、物凄いことになっているようだ。

 受付嬢をやめて正解だったと思う。




「なんだって! そんなことになっていたのか」


「はい……あのギルドはもう終わりです……」


 なんというか世の中は食ったり食われたりだなぁ。

 殺伐とした競争社会は、ある程度稼いだらもう降りるのが賢明なんだろうな。






「事情は聴いた。オーエラだったか? 大変だったな。お兄ちゃんの恩人という事なら、私に気軽に頼ってほしい」



「ありがとうございますコックロさん! 頑張りますね」



「一緒に頑張ろう!」



「はい!」



 早速仲良くなってくれたみたいでよかった。

 二人ともいい子だから、うまくいってほしかったんだ。




「オーエラさんがいてくれれば百人力です!」



「オーエラなら安心して仕事を任せられるよ。よろしく頼む」



「改めましてニンメイさん! エルマージさんもよろしくお願いいたします! 受付嬢として培った能力を、遺憾なく発揮させて頂きましょう!」



「やる気十分じゃないか。同僚として頼りにさせて頂こう」



 コックロも歓迎してくれて、万全の布陣だ。

 ここから頑張って、皆のためになる仕事をできればいいな。










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 『異世界神様チート貴族転生したら、女装して女学園に通って悪役令嬢を誑かして婚約破棄させるように言われた。クラス転生していた悪役令嬢に男バレして追放されたがもう遅い。聖女(?)として復讐だざまぁ!』

テンプレ末期戦異世界チート転生女学園潜入もの書いてます。
こんなタイトルですが、神々の争いに主人公が巻き込まれるシリアス戦記です
 

 『追放ザマぁジャンルの研鑽について、また個人的対策案の成否に関する所感』

初エッセイです。本作品を基に書きました。
また初創作論です。
追放ザマぁジャンルを執筆する作者として、自分なりに反省点を交えた考察。
追放ザマぁの構造的問題への解決につながるかもしれないアプローチ。
新追放ザマぁシステム『連続追放』を通して分析することで、違和感なく楽しみながら完読できる小説を目指すという、ジャンル全体における質の向上を目標とする文章です。
皆さんの目で、お確かめ頂ければともいます。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 立派な建物ってロマンありますよね(о´∀`о) 男の人は特に大きいもの作るの好きな気がします。 1人で作れないものだから、コミュニケーション能力やらプレゼン能力やら色々求められるんですよね…
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