表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

68/241

第68話 「地獄のような女子会トーク」




「あぁもう……既に貴族籍はないと思うけれどね。って隠してたのに言わないでくれよコックロ」



「あっ……すまん!? 本当に申し訳ない!? 酒のせいか口が滑った」



 あたふたとしているコックロ。

 ドジなところがあるのも変わらないな。




「別にいいよ。もう昔のことだし、僕自身もう関係のないことだ」


「いやお兄ちゃんは……いや、ここでする話じゃないか」


 散々大喧嘩して、そのまま出ていった過去の僕。

 俺のことを毛嫌いしていた兄弟たちは、もう当主の座をあの子に奪われたと風の噂で聞いたし。


 僕の貴族籍を残しておく意味もない。

 従妹のあの子も、嬉々として僕の生きた証を消したことだろう。






「道理で紳士的で学があると……! お名前も貴族様みたいだと思ってたのは、そんな訳だったのですね」


「こんな冴えないオッサンを紳士って」


 余りに似合わない表現に、頬が引き攣る。

 もう頭の中身は完全に平民だ。




「マノワールさんを知れば、粗野でデリカシーもない、テーブルマナーが汚い男たちなんて目に入りませんよ!」


「言い過ぎだよ……取引先の商人の人とかいたでしょ」


「あんな金儲けのことばかりしか話さない方々、恋愛対象になりませんよ! 女性の好きそうなものを見繕って進めたりするところも、手慣れすぎていて信用なりません!」


 僕なんて全然すごくないし、どれも気をつければ誰だってできることだ。

 まぁショワジ組の奴らや、冒険者の人達は見るに堪えないのも多かったけれども……






「同感だ。貴族男も鼻持ちならない奴らばかりだ。自慢話ばかりして、政敵となり得る周囲の人間を蹴落とすことしか考えていない。それから結婚話なんかから逃げてばかりいたら、このざまだよ」


「何を言っているんだ。こんなに美しく聡明で、騎士の鑑とも称せる人格の君を好きにならない男がいたら、それこそ嘘だ。コックロは自分の魅力に自信を持つべきだよ」


「お兄ちゃんという奴は……いつもそうやって!」


 顔を真っ赤にさせたコックロ。

 いつも怒るとこうなるんだよな。

 褒めたつもりだったが、嘘くさかったのだろうか?


 何が悪かったのか、なぜ怒るのかわからない。

 気に障るようなことは言ってないはずなのに……

 きっと複雑な女心を解していないから、この年まで女っ気が……

 



「もっ……もういいだろう! この話はやめだ!!!」


「マノワールさんは罪な人ですね……多分昔から……」


「罪を犯したの!? まさか僕が女性と話すこと自体が、罪なまであるの!?」


 衝撃的事実に泣きそうになる。

 何故か呆れたように首を振る女性陣。

 常識なまでと言っているみたいな仕草をされてしまった。


 そうして僕は居づらい酒の席から、そそくさと逃げ出す。

 あまりに厳しい世界に背を向け、部屋に戻ろうと階段を上る。




 世間は冴えないオッサンに冷たすぎる。

 もう女性はこりごりだよ……






「――――――ところでマノワールさんのことみんな好きなんですよね?」


「なななななな何を言うかニンメイ! え? まさか私だけじゃなく、皆も番としてマノワールを?」


「わわわわ私が久しぶりに会ったマノワールお兄ちゃんを、好きなわけないっ!? そりゃこの年まで彼氏もいたことないけど、それとは別なんだからなっ!?」


「はい。かなりわかりやすいと思いますよ……マノワールさんが鈍感すぎるだけです……」










面白い、または続きが読みたいと思った方は、

広告下↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓の☆☆☆☆☆から評価、またはレビューしていただけると、執筆の励みになります!!!!!!!!!!




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。


旧作も読んでくださると嬉しいです!

 『異世界神様チート貴族転生したら、女装して女学園に通って悪役令嬢を誑かして婚約破棄させるように言われた。クラス転生していた悪役令嬢に男バレして追放されたがもう遅い。聖女(?)として復讐だざまぁ!』

テンプレ末期戦異世界チート転生女学園潜入もの書いてます。
こんなタイトルですが、神々の争いに主人公が巻き込まれるシリアス戦記です
 

 『追放ザマぁジャンルの研鑽について、また個人的対策案の成否に関する所感』

初エッセイです。本作品を基に書きました。
また初創作論です。
追放ザマぁジャンルを執筆する作者として、自分なりに反省点を交えた考察。
追放ザマぁの構造的問題への解決につながるかもしれないアプローチ。
新追放ザマぁシステム『連続追放』を通して分析することで、違和感なく楽しみながら完読できる小説を目指すという、ジャンル全体における質の向上を目標とする文章です。
皆さんの目で、お確かめ頂ければともいます。


一日一回投票いただけると励みになります!(クリックだけでOK)

小説家になろう 勝手にランキング
― 新着の感想 ―
[良い点] 貴族っぽいお名前のマノワールさん! なるほど、彼の貴族らしい振る舞いが女性達を惹きつけていたんですね。 確かに粗野な人たちのなかに、貴族っぽい紳士がいたらみんな惹かれちゃいますね。それも強…
[良い点] マノワールめ〜! 羨ましすぎるんですけど!(笑)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ