第65話 「女騎士コックロ」
僕より目に見えて高い身長。
凄まじく起伏に富んだ魅力的なスタイル。
美人そのものという顔立ち。
腰まで届く、深紅の美しいポニーテール。
世の女性が憧れるような、理想的女性像の投影物のような方だ。
誰……?
だが気が付いた。
この子は昔、実家にいた頃に僕の後をついて回っていた、親戚の女の子だ。
「む? 知り合いか? マノワール殿は客人として迎えた元冒険者だ! 戦いの痕跡を見ただけでもわかる、感嘆する腕前よ」
「はっ! ご無礼をいたしました当主様! マノワール殿は親ぞ……旧知の仲でありまして」
「はい。ここで会うとは思いませんでした」
かなり昔に会ったっきりだが、それまではとても仲良くしていた。
そうか。彼女は騎士となっていたか。
最後に出会った時は僕より身長が低かったのに、成長したな。
「そうであったか! これだけの猛者同士なのだから、どこかで手合わせでもしていたのかと思ったわい!」
「猛者……!? マノワールお兄ちゃ……ではなくてマノワール殿はそんなに強くなっていたのですか!?」
コックロはひどく驚いている。
昔の僕を思い出せば、そんな言葉とは無縁だとわかるからね。
ダンジョンボスを倒して僕のステータスは、凄まじい域に達した。
これがその証だ。
今は自宅にいないけど、自宅に入ればすべての項目が3倍以上の数値にもなる。
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【マノワール・オッサツイホ】
職業:自宅警備員
Lv :64
HP :765/798
MP :666/689
攻撃力:194(×0.4) 実数値486
防御力:597(×0.9) 実数値663
魔法力:214(×0.4) 実数値536
素早さ:185(×0.4) 実数値463
スキル
数学lv34
科学lv37
社会学lv24
礼法lv26
芸術lv17
舞踏lv15
製作lv35
建築lv52
土魔法lv57
投擲lx48
剣術lv34
体術lv27
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最早そんじょそこらの魔物なら、歯牙にもかけない強さ。
冒険者としての最高クラスである、Aランクの平均レベルが60。
この世界で最上位の上澄みに達したのだ。
コックロが驚くのも無理はない。
「魔物たちを的確に吹き飛ばしておった。それもごく短時間で魔法もなしにな。その話は後ほど聞こう。酒の肴ができたな! コックロも夕食を共にしよう! 話を聞かせてくれ!」
「是非ご一緒させてください。マノワール殿のことについては、私が勝手に話していいか、わかりかねる内容があるのですが……」
「ふむ……言えないことがあるようだな。もちろん話せる範囲でいい。武勇伝などを中心に聞かせてくれ! 積もる話ばかりだろうしな! ガハハハ!!!!!」
そう言って案内された部屋に荷物を下ろし、正装の着替えを頂いた。
こういう格式ばった服を着るのは久しぶりだ。
そうしてヴェンリノーブル侯爵とコックロと、夕食を共にする。
ニンメイちゃんが作法に悪戦苦闘しているのが、可愛らしい。
あとで教えてあげるか。
エルマージさんは問題なく、美しい所作で美食を口に運んでいる。
流石はエルフ、この女性こそ何でもできると思う。
「なんと! ダンジョンコア!? たまげたな! 真の益荒男よ!!!」
「いえ。仲間たちのおかげです。一人仕事の都合で離れてしまいましたが……」
物凄いテンションが上がっているヴェンリノーブル侯爵。
僕達の話、特にエルマージの昔の依頼などの経験談には、愉快そうにしていた。
彼女が語る過去の冒険譚をこうして聞いていると、本当にすごい冒険者なんだな。
「そうか! 差し支えなければその者の名は、なんと申すのか聞いても? 一度会ってみたいものだ!」
「ミーニャという。今は魔法学園に赴任するようだ」
「魔法学園のミーニャ!? 獣人のか!? ひょっとすると最近、教師として招かれた者か?」
「ええ。お知り合いだったろうか?」
何故か獣人の教師であるということまで知っている。
エルマージも驚いたようで、口を挟んだ。
だが気にしない様子だ。
やけに興奮した様子で、彼女との縁について説明し始めた。
「これはなんという奇遇ばかりだろうか! 儂の弟が魔法学園の校長なのだ!」
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