第61話 「ミーニャとの別れ」
祝勝会を終えて、僕たちはこの街を離れることにした。
ミーニャさんも同じタイミングで出るようだ。
「この際、早めに魔法学園に行くことにしますニャ。マノワールさん達はヴェンリノーブル領に行くんですよね?」
「うん。僕たちはヴェンリノーブル領に行こうと思う。ちょっと遠いけど土木作業員の募集が、多く出されていた。魔物が多いらしいから、仕事も多いと思うんだ」
「とっても遠いところにゃ」
しょんぼりしている水色の猫耳をした美女。
尻尾が元気がなさそうに萎びている。
せっかく縁が繋がったのに、寂しいな。
彼女も素を出してくれるようになったのに。
「また会える。ミーニャさんに手紙を出すから、いつかまた会おう」
「マノワールさん……ミーニャのこと忘れないでニャ……」
「絶対に忘れるわけない。仲間なんだから」
過ごした時間は短い。
でも濃厚な瞬間を過ごした僕たちには、不思議と連帯感が生まれていた。
もう彼女とも仲間だ。
だが彼女は今までの接し方ではお気に召さなかったようだ。
「むぅぅぅ! ミーニャのことはミーニャって呼んでくださいニャ!」
「わかったよミーニャ」
「にゃんっ♪」
可愛らしく頬を膨らませた、腰まで届くツインテールの女教師獣人。
嬉しいことに彼女は、僕と距離を縮めたかったようだ。
そういう事なら遠慮なく。
他人行儀でいるつもりはなかったけど、彼女も同じ気持ちでいてくれて嬉しい。
満足そうにミーニャは鳴いた。
「そろそろ馬車の時間ニャ。みんな元気でいてくださいね!」
「ミーニャさん! お元気で!」
「また会おう」
「魔法学校の教師頑張ってミーニャ!」
僕たちは手を振り合い、別れた。
馬車を見送ると、寂寥感は高まる。
「寂しぃなぁ」
「私たちは少し離れていた時も連絡を取り合っていた。いつか遊びに行こう」
「魔法学園とやらも、案内してほしいですし!」
「そうだね。僕たちの馬車も来たみたいだ。行こう」
話しているうちに、すぐに馬車が来る。
他数名の同乗者も乗り込むと、出発した。
余り乗ったことはないが、やはり徒歩より格段に楽だ。
少し揺れるが許容範囲。
どんな旅になるのか楽しみだ。
「向こうはどんな場所なんでしょうか? わたしは行ったことがなくて」
「昔寄ったことがあるが、風光明媚な領地だ。自然豊かな土地から、多くの美味な食事が作られている」
「流石お詳しいですね! 楽しみです!」
エルマージは長命なだけあって、経験豊富で博識だ。
ニンメイちゃんも驚いている。
そんな時にエルマージが叫んだ。
どんな時でも警戒を怠らない歴戦の冒険者である彼女は、異常を感知したようだ。
「―――――――おい!? 馬車が襲われている!」
「魔物だ! 助けよう!!!」
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