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第56話 「ギルド追放」




 エルマージの煽りという追撃を受けて、額に青筋が浮かんだオツボッネ。

 厚化粧がペロンと所々剥がれ落ち始めている。




「何よそれ! オモチャ? エルフってやつらは、それで遊んでいるのかしら!? 勝手にやっていなさい!」


「お前という奴は本当にものを知らないな。少しは業務に関わることについて、学ぶべきだと忠告しておこう。その年齢ではもう遅いだろうがな」


「バカにするのもいい加減にしなさい! 冒険者ごときが私たちエリートに口答えするんじゃないわよ!?」


 ヒステリックを起こし始める中年女性。

 差別発言まで行い、社会人として有り得ないレベルの誹謗中傷までしているとは救えない。

 エルマージは失望しきったように、気だるげに答えた。






「この町のインフラを守護している者たちをバカにするとは、呆れて物も言えん。マヌケにもわかりやすく教えてやる。ダンジョンコアだよ」



 オツボッネと一緒になって小馬鹿にしていた職員たち。

 時が止まったような錯覚を覚えた。


 いち早く再起動したオツボッネは、震える声で否定する。

 だが尻すぼみの言葉は、自信のなさを如実に表している。

 この女性もようやく理解し始めたのだろう。




「ダンジョンコア!? 嘘おっしゃい! Aランク冒険者だって……だってそれ……!?」



「なっ!?」



「あれはまさか」



 ぽつりぽつりとギルド職員が、信じられないとばかりに驚愕の声を上げる。

 オツボッネすらその例に漏れない。






「ふ……ふんっ! どこかからか似たようなものを調達してきたのでしょう! 詐欺師どもが! 犯罪者は本当に」



「いい加減にしろっっっ!?!?!? お前のこともマノワールは守ってやったんだ!!!!! 彼を侮辱するなぁぁぁッッッッッ!!!!!!!!!」



「ダメにゃエルマージ!」



「ひっ……!? う、うるさいわね! 証拠品としてそれは押収します!」



 堪忍袋の緒が切れ、エルマージは怒鳴りつける。

 怖気づくオツボッネだが、まだこの剣幕のエルフの女性から強制奪取しようとしている。

 引き際すら弁えないとは、いったいどんな環境で生きてくればこうなれるのだろうか。




「盗人は貴様らだ屑どもがぁぁぁ!!!!! 貴様らは人間ではない!!!!! 畜生にも劣る最低のクズだっっっ!!!!!」



「今の言葉はギルドへの反逆行為とみなします。これは冒険者資格は剥奪ですね! 今決めました! あなたたちは全員、ギルド除籍処分です!」



「なっ!?!?!? 貴様ぁっっっ!!!!! 私だけでなく仲間たちまで未来を奪うのか!?!?!?」



「エルマージだめだ! それだけは!」



 あまりにも激怒したエルマージは、腰の短剣にまで手を伸ばそうとしている。

 それだけエルフは誇り高い種族なのだから、プライドを傷つけてはいけないと子供でも分かるものなのに。

 もう殺しかねない。


 ここまでの横暴をしてくるとは……

 そこまで何が何でも僕たちを妨害するとは、追い込まれているのはギルドの方ではないのか?


 だが現時点では抵抗手段がない。

 どうしたものか……






「あなた方の言い分はわかりました。除籍処分でしたか? 結構です。冒険者証はお返しします」



「ニンメイちゃん!?」










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 『異世界神様チート貴族転生したら、女装して女学園に通って悪役令嬢を誑かして婚約破棄させるように言われた。クラス転生していた悪役令嬢に男バレして追放されたがもう遅い。聖女(?)として復讐だざまぁ!』

テンプレ末期戦異世界チート転生女学園潜入もの書いてます。
こんなタイトルですが、神々の争いに主人公が巻き込まれるシリアス戦記です
 

 『追放ザマぁジャンルの研鑽について、また個人的対策案の成否に関する所感』

初エッセイです。本作品を基に書きました。
また初創作論です。
追放ザマぁジャンルを執筆する作者として、自分なりに反省点を交えた考察。
追放ザマぁの構造的問題への解決につながるかもしれないアプローチ。
新追放ザマぁシステム『連続追放』を通して分析することで、違和感なく楽しみながら完読できる小説を目指すという、ジャンル全体における質の向上を目標とする文章です。
皆さんの目で、お確かめ頂ければともいます。


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― 新着の感想 ―
[良い点] オツボッネさん、まさかのダンジョンコアを偽物扱いで没収しようとは!? 流石に無茶苦茶ですね(^_^;) エルマージさんもニンメイちゃんもついにキレましたか。 でも冒険者ギルドを追放されてし…
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