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第49話 「異常な量の遭遇戦」




「4つとも満杯ですか!? 凄い戦果です!」


「もう持ち帰れないよ……困ったな……」


 エルマージは流石Bランクパーティだからか、3つもアイテムボックスを持っていた。

 それも上質のものだ。


 それが満杯となってしまうとは、本当に多くの敵を倒したということ。

 儲けは喜ぶべきことだが、今から帰るのは時間がもったいない気がする。






「嬉しい悲鳴だが、時間が余り過ぎだな」


「ここから一度帰って降ろすのは、時間ロスだけどしょうがないね」


「ああ。一度戻ろうか」


 エルマージも悩んでいるようだ。

 ここまで来るのに、数時間かかったからな。

 早朝から来ていたが、もうこんな戦果か。


 もう一度往復するとなると昼を確実に過ぎるが、昼食には丁度いいくらいかな。

 相談して取り決める。




「はい……あっ! わたしもう偵察に行きますね!」


「いつも大変でごめんねニンメイちゃん」


「いえ! これがわたしの仕事なんですから! では!」


 疾風のような速度で飛び出したメイド服の女の子。

 彼女も運動量が多いな。

 精神的負担も随一だろう。


 本当に斥候は大事だ。

 パラフィリオたちがあれだけ求めていたことも、今では少し共感できた。

 許したわけではないけどね。






「エルマージ。普段からこんなに魔物がいるものなのかい?」



「いや5分から10分の間に、数体だけ遭遇するくらいが平均的だろう。この頻度は私も経験がない―――――――」



「―――――――二人とも! 100体です! 100体以上はこちらに向かってます! 接敵まで20秒弱!」



 それは明らかに多いな。

 エルマージの話を聞いていたその時だった。


 焦った様子で忍者の女の子が、報告を告げた。

 その伝達内容は驚愕すべきものだった。




「なにっ!? とりあえず付与魔法をかける!」


「お願い!」


 突発事態にも全く焦らないエルマージ。

 僕のことも信用してくれているのだ。


 熟練の動作で付与魔法がかけられる。

 明確に上がった筋力で、僕は自宅の中から攻撃行動をとった。






「期待には応えないとねっ!」



 石を振りかぶって手から離し、的確に仕留めていく。

 秒間数発は大砲のような威力で着弾する。




「くっそ! 凄い数だ!?」



「体力が持たないかマノワール!」



「まだ余裕だけど、攻撃速度が敵の進撃に間に合わないかも!」



 これだけの敵がいるが、ダンジョンは道が狭いことから囲まれることはない。

 それが救いだが、それでも段々と仲間の屍を踏み越えて接近してくる。


 何十体倒しただろうか。

 合計数はパッと見ただけでは、大体の量すら判別できないほどだ。






「ようやく倒したぁ」



「……! 待ってください足音が! ちょっと見に行きます!」



「いや待ってニンメイちゃん! 私にも分かりました! 凄い数です!?」



 まずはニンメイちゃんが異常に気づき。

 そして獣人として優れた聴力を持つミーニャさんが、引き止めるべく叫んだ。


 身体強化されて、凄まじいステータスを持つ僕も気づいた。

 エルフも耳がいい事で知られており、エルマージも言葉はないが把握した様子だ。


 見るまでもなく大群だ。

 凄まじい咆哮がダンジョン内に響き渡る。

 僕の疑問の声に、無言で思案していたエルフの女性が答えた。






「何が起こっている!?」




「―――――――これは……スタンピード!?!?!?」










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 『異世界神様チート貴族転生したら、女装して女学園に通って悪役令嬢を誑かして婚約破棄させるように言われた。クラス転生していた悪役令嬢に男バレして追放されたがもう遅い。聖女(?)として復讐だざまぁ!』

テンプレ末期戦異世界チート転生女学園潜入もの書いてます。
こんなタイトルですが、神々の争いに主人公が巻き込まれるシリアス戦記です
 

 『追放ザマぁジャンルの研鑽について、また個人的対策案の成否に関する所感』

初エッセイです。本作品を基に書きました。
また初創作論です。
追放ザマぁジャンルを執筆する作者として、自分なりに反省点を交えた考察。
追放ザマぁの構造的問題への解決につながるかもしれないアプローチ。
新追放ザマぁシステム『連続追放』を通して分析することで、違和感なく楽しみながら完読できる小説を目指すという、ジャンル全体における質の向上を目標とする文章です。
皆さんの目で、お確かめ頂ければともいます。


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― 新着の感想 ―
[良い点] ニンメイちゃんの斥候能力は本当に高いですね! しかも可愛らしいので取り合いになるのもわかります。 パラフィリオの手に落ちなくてよかったと、改めて思いました。 それにしてもダンジョンの魔物…
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