第48話 「好相性の4人パーティ」
いよいよダンジョン探索に、万全の状態で挑める。
そして敵と相まみえれば、僕たちの現在の強さが理解できた。
「いいぞマノワール! 戦闘は最高の調子だ!」
「エルマージのおかげだよ!」
彼女の付与魔法は、僕の身体能力をさらに増強してくれる。
本気で石を投げれば、敵は身体全体が爆裂する程で。
むしろ手加減が必要なくらいだ。
つまりこうして軽く投石しただけで、敵がどんどん狩れるのだ。
「今日は本当に調子がいいな! よすぎるくらいだ!」
「ニンメイちゃんの探索技術のおかげだよ!」
「えへへ。ダンジョンだからか、凄く見つけやすいんです」
可愛らしく笑うメイド服を着た、忍者職業の女の子。
頑張り屋なのに本当に謙虚で。
この子が仲間でよかった。
「こんなに楽な仕事で、いいのかニャ? 凄いレベルアップ量ニャ! ニャアンッ♪」
「エルマージの護衛をしてもらっているんだから、とても助かってるよ」
すこぶる機嫌がよさそうにミーニャさんは、可愛らしく喉を鳴らしている。
同時に尻尾が激しく揺れていて。
本当に愛らしいな……っとじっと見たら失礼か。
彼女がいるから安全を確保できて、攻撃に専念できる。
本職の前衛は大事だな。
安心感が違う。
「あっちから10体は来ます!」
「入れ食いだな! エルマージ! 頼む!」
「了解した! ストレングス!」
呪文と共に柔らかな燐光が、僕の身体を包み込む。
増強されて漲る力。
今だったら何でもできそうだ。
渾身の力を込めて、少し遠くにいる敵を狙って腕を振りかぶった。
手から離れた石は、魔物たちを一気に殲滅する。
半分は倒したが、まだ10体くらいいる。
数え間違いかな?
「あれっ!? 15体もいる! 申し訳ございません!」
「いいんだ! ダンジョンは入り組んでいるから、どこかからか合流したんだろう」
焦った声で謝罪するニンメイちゃん。
エルマージが励ましている。
初めてのダンジョン探索なのだから、仕方ないだろう。
でも今まで全く失敗しなかったニンメイちゃんが、ミスをしたなんて珍しいな。
でも関係ないことだ。
「全部倒せばいい話だ!!!」
僕はそう叫んで、石を掴んだ。
次々と投げつければ、その分だけ魔物たちは倒れていった。
すべて処理すると、息を吐く。
楽に倒せたな。
みんなのおかげだ。
「雄々しいじゃないか。流石は私が惚れた男だ」
「揶揄わないでくれよ。似合わないことを言ったけどさ」
エルフの女性は僕に向かって悪戯な笑みを浮かべた。
途端に羞恥心を思い出す。
たまに意地悪なことを言うんだよなこの方は。
そんなところも魅力的なのだが。
彼女にそう言われて嬉しくならない男なんて、ほとんどいないだろう。
「鈍感さんなんですから……もう一度行ってきますね!」
「お願いしますニンメイさん」
働き者のニンメイちゃんは、解せないことを述べる。
それに苦笑いしながらミーニャさんは見送った。
しかし鈍感とは?
これでも人の心の機微には敏感な方だと、自負しているんだけれども……
仕事だって人と付き合う事が多かったんだし。
「また新手です! 今度は20体! 約10秒後に接敵します!」
「やけに多いな」
「付与魔法の効果時間が無駄にならない! まとめてきて貰った方が助かる!」
「その通り! おりゃっ!!!」
まとめてきてもらった方が、魔力の節約になる。
僕の投擲武器は貫通もする威力があるのだから、後続の魔物たちまで破壊した。
しかし多いな。
やっと戦闘完了すると、僕たちは素材の収集に当たる。
その時に耳の長い身体特徴の女性は、動きを止めた。
使用人装束の少女は、怪訝な面持ちで質問する。
「大漁ですね! どうかしましたかエルマージさん?」
「私のアイテムボックスも満杯だ」
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