第43話 「新パーティの相性 泣いているオーエラ」
初めての三人での討伐依頼になる。
ニンメイちゃんとエルマージはなんだかゴキゲンで調子がいいようだ。
ああいうことを言うのはよくないのに。
癖にならないように、注意しなければ。
「さっきの一件は言い過ぎだよ。あそこまで言わなくとも」
「あんな人に引き下がる方がいけませんよ!」
「その通りだマノワール。みんながお前のように道理を弁えた、優しい人間じゃない。示威行為は大切なんだ」
「だからって……大丈夫かなぁ」
二人の言い分ももっともだけど、なんだか嫌な予感がする。
あの場で引き下がっても、イイ感じはしなかったけれども。
考えても仕方ないか。
目の前の仕事をこなしてからだ。
「とりあえず今日の仕事をこなしてからにしよう」
僕達は依頼先の森へと向かった。
恒例のオーク狩りだ。
「付与魔法は本当に相性がいいな!」
「ここまで威力が上がるとは……エルマージの技術あってのことだけど、凄い効果だ」
魔物の残骸を見つめる僕たちは、嬉々として戦果を喜ぶ。
エルマージの魔法と僕の自宅での強化は、相乗効果が抜群に見込めるのだから。
「だが敵が消し飛んでしまうと、素材の買取値も低下してしまう」
「余裕がある時は、もう少しパワーを控えめにするね」
「ああ。この辺の魔物じゃ、もうマノワールは敵なしだな」
安全に仕事ができるならば、それに越したことはない。
そして全力で働かなくていいなら、その方がいい。
「肩慣らしはこれくらいにしておこう。明日からに響く」
「わかった。それじゃ帰ろうか!」
「わたしたち息ピッタリで、凄いパーティですね!」
「ふふっ! そうだなニンメイ」
満面の笑みのエルマージ。
ニンメイちゃんに同意している姿が、微笑ましい。
帰って清算しようとギルドに戻ると、僕達のいい雰囲気は霧散した。
一人でポツンとしているオーエラさん。
肩を落として俯いていて、様子がおかしい。
「オーエラさん! どうしたんですか!?」
さめざめと泣き崩れる銀髪の受付嬢が見えた。
僕たちは急いで駈け寄る。
一体何が起こったんだ?
朝の一件でオツボッネに意地悪をされたんじゃ!
やっぱり逆恨みされてしまったんじゃないか。
「私……受付嬢から追放だって、オツボッネさんに」
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