第41話 「主人公の命を狙ったものの末路 新たなる謎めいた世紀の変態登場」
人外じみた美貌。
エルフという至上の造形美を誇る種族さえ、この金髪の美少年には霞むだろう。
声さえもが芸術品のような色気を放っていた。
まだ少年の面影を残しながらも、大人との境界線上にある危険な魅力を放っている。
その耽美な美貌には、誰もが目を奪われる。
もはや呪いの領域にまで達しているだろう。
「ママから貰った大事な名前を聞き給え!!! 僕はナルシオ!!! 世界で一番ママに愛された男さ」
薔薇を手に持った、気障な男。
単純な変態ナルシストであれば話は彼の死で終わりだが、そうでもないらしい。
パラフィリオはその名を知っていたようだ。
いやこのカース王国の人間ならば、誰もが知っているのかもしれない。
「英雄ナルシオ……!? なんでここに!?」
「学友である王女殿下に、急行してほしいと頼まれてね。ママからもお願いされたとあれば、断るわけにはいかないさ。セインセス様は勲章くれるって言ったけど、もうたくさんあるし別に興味ないんだよね……でもママに褒めてもらうために頑張るんだもんっ♡」
「噂に聞いた通りのキチガイ野郎だな。面は好みだから、黙らせてから犯してやる」
その性癖すらも知られるくらいの有名人であるらしい。
早口で母への愛を口にし、身悶えするナルシオ。
彼は一通り母に褒められる自分を想像したのか、気色悪く揺らしていた自らの身体を抱きしめていた腕を振りほどき。
雰囲気を一変させて、パラフィリオに語り掛けた。
豪奢な装飾が施されたレイピアを抜いて、美しい構えで対する。
「国家派遣されたギルド暗部でも、負けちゃったみたいだね。飛んできて正解だったよ。王女殿下はいつも当てて凄いなぁ……僕も君の名前は聞いたことあるよ。でも僕ほどじゃないってことを証明しようか」
「気色悪いこと抜かして、興ざめさせてくれるなよ。レイプゲームスタートと言いたいところだが、時間がない。リョナモードでカニバ惨殺開始だ―――――」
二人は激突する。
ギルド庁舎が震えるほどの打ち合い。
この国トップクラスの戦力の本気のぶつかり合い。
剣戟だけでここまで建物を崩壊させられる達人は、世界にもほぼいないだろう。
しかし勝敗は一方的に決した。
まるで限界が見えないほどの実力。
神々しいまでの羽根が舞い散る世界で、彼は勝利宣言をした。
「―――――物凄い執念だったなぁ。羽まで使わされるとは、この国の冒険者も捨てたモノじゃないか。僕の職業には負けるけどね。逃げ回られると本当に厄介だったけど、牢屋壊して討伐できたからいいか! ここにいた囚人はみんな死んじゃったけど、これも尊き犠牲なんだ。僕とママのために死んでくれてありがとう!!!!!!!!!!」
背中から美しい羽が生えたナルシオ。
先ほど飛んできたと言っていたが、この羽で飛行能力まで得ているのだろう。
もはや人外じみた圧倒的なまでの戦闘能力。
彼はいったい何者なのだろうか。
「だって僕の職業はマザコン! つまり僕は生まれた時からママの愛に包まれているんだもん! 今もママの愛を感じるよぉ……♡ マ゛マ゛ぁ゛~~~!!!!!!!!!!!」
激しく腰を揺らして、本気で天高く母への愛を吠えるイケメン。
中々見れない絵面である。
マザコン男の足の下で息絶えた、パラフィリオの骸。
その表情は屈辱に染まっていた。
変態は更なる変態に潰されたのだ。
因果応報という言葉が、この場には顕現していた。
第2章終了となります。
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