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第40話 「パラフィリオ脱獄とその職業の真価」




 パラフィリオは牢の中に捕縛され、大汗を掻きながら独り言を呟いていた。

 その内容から察するに、相当な真実がこの町には隠されているらしい。




「マズいマズいマズいマズい!? あれを見られたら、俺は終わりだ! クソッ! あのマノワール!!! 初めから犯してやるんだった!!!!!」




 そこに近づいてくる者がいた。

 パラフィリオは地獄の悪鬼のような目つきでそれを睨むが、すぐに満面の笑みへと変わる。

 この町の実態が、彼を自由にさせたからだ。




「脱出! よっしゃあ! 運命の女神はいつだって俺に微笑んで、股を開いているぜ!」


「パラフィリオさん……鍵を開けますね、次の見張りが来ますので失礼します」


「おおっ! でかしたぞ。お前には後でたんまりと褒美を与えてやる!」


 汚い笑みを浮かべるギルド職員。

 汚職がはびこるこの町では、自己利益こそが最も優先される判断基準なのだろう。






「―――――パラフィリオが逃げたぞ!」



「なんで牢を抜けられる!? 裏切者がいるのか!」



「このギルドの奴らだろう! 念入りに粛清が必要だな!」



 ギルド暗部の追手がすぐにやって来る。

 有能な彼らは、元よりここにいるギルド職員を信用していなかったのだろう。

 少人数の彼らは、数百人規模の職員をとても監視しきれなかった模様だが。




「もういい! 殺せ! 証拠を隠滅されるぞ!」



「仕方ない……! 殺害命令を下す!」



 ギルド長直下のギルド員たちは、みなBランク並の実力を誇る。

 ここに残っているのは数名だが、同じBランクの碌な武装もない冒険者など一ひねりだろう。


 それをわかっているからこそ、パラフィリオは全力で逃げる。

 立ち向かえば破滅だからだ。






「――――――俺の職業は性的倒錯者。あらゆる性的嗜好を網羅し、特有の職業補正がかけられた精神力においては、他の追随を許さない」



 彼の走るスピードはどんどん加速する。

 そして彼の股間部分の服の生地は、パツパツに張り詰めていた。

 若干湿ってきたズボンと、彼の表情は嫌悪感を催させる。






「この切迫した状況さえも、俺のマゾヒズムを刺激するぅ……♡」




 恍惚とした表情で、自身の土壇場すら楽しんでいる異常性癖者。

 この歪んだ精神こそが、彼の地位をここまで押し上げた原動力なのだろう。


 そして幸運すらも彼の味方だった。

 武器庫が見えると、彼はその内部に飛び込む。




「おっ! 剣発見。目についた奴を片っ端からカニバって、ステに補正付けるか。腹も減ったしな。ついでに甚振って更に倍率ドンだ」



 異常性癖とされる行動をとればとる程に、ステータスに補正がかかる職業。

 それは上昇志向と共に、多大な力をパラフィリオに与えていた。


 ギルド暗部の血だろうか。

 鮮烈な色の赤を口から滴らせて、充血した目で笑みを浮かべているパラフィリオ。

 彼の闘気は最大限に達しようとしていた。




 しかし上には上がいる者。

 この場には、更なる格上が存在していたのだ―――――






「―――――君がパラフィリオかい?」



「あ? なんだお前は」










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 『異世界神様チート貴族転生したら、女装して女学園に通って悪役令嬢を誑かして婚約破棄させるように言われた。クラス転生していた悪役令嬢に男バレして追放されたがもう遅い。聖女(?)として復讐だざまぁ!』

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こんなタイトルですが、神々の争いに主人公が巻き込まれるシリアス戦記です
 

 『追放ザマぁジャンルの研鑽について、また個人的対策案の成否に関する所感』

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新追放ザマぁシステム『連続追放』を通して分析することで、違和感なく楽しみながら完読できる小説を目指すという、ジャンル全体における質の向上を目標とする文章です。
皆さんの目で、お確かめ頂ければともいます。


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― 新着の感想 ―
[良い点] なんと。パラフィリオを脱獄させる汚職職員がいたとは衝撃です(;´Д`A ``` そういえば、マノワールさん以外の人にも、それぞれに個性的な「職業」があるんですね。 名前と行動から性的趣…
[良い点]  な、なんてヤバい職業なんだ……でも、これならパラフィリオの強さや行動にも納得ですね。
感想一覧
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