第32話 「レベルアップ作戦によるマノワールの脱出」
無尽蔵であるかのように錯覚するほどの魔物たち。
一瞬たりとも気が抜けないし、移動する余裕もない。
「40……50体……出てくるのが落ち着くまで、逃げられないな」
今のタイミングで這い上がろうとすれば、背中から討たれてしまう。
この簡易自宅の中でなら、身体能力が上がったままで応戦できるのだ。
「でも……着実に楽になっている! またレベルアップだ!」
敵を倒せば倒すほどに、自分の存在格が上がっていることを感じる。
職業自宅警備員として、自分の家を警備しているときならば。
負けることはないだろう。
だがそれは職業バフがついている時だけ。
普段の超ゴミステになったら、どうなるかわからない。
「とりあえずは上げれるだけレベルを上げるんだ! うぉぉぉっっっ!!!」
ニンメイちゃんが心配だ。
でも僕が死んだら元も子もない。
だが僕を念入りに殺しに来たアイツのことだ。
ここまで追い込まれても、何をするかわからない怖さがある。
堂々巡りする思考回路。
しかし命がかかっていること、戦闘に意識を取られている事で、冷静さは保てていた。
「まだまだレベルアップできそうだ。とりゃっ!」
本来の自分よりも、圧倒的に格上の敵たち。
だからこそそれらを倒せば、それだけ強くなれる。
今や軽く土を握り締めただけで、岩石のように固くなる。
それを軽く放り投げただけで。ジャイアントバットは爆散する。
「ここまで強くなれるなんて……! もう少し敵を倒せば……!」
身体能力が劇的に上がっていることを感じる。
まだ足は折れたままで、碌に動かすこともままならない。
それからしばらく安全地帯から、敵を倒した。
永遠の地獄にも感じられる時間を、無我夢中でひたすら耐えた。
「疲れた……ようやく人心地ついたな」
精神的疲労が激しい。
かれこれ数時間はこうしていたから。
だが想定よりもレベルは上がった。
巨大蝙蝠ももう新手はいないようだ。
「ここまで上がったか。これなら……! アース!」
念のため頭上に足場を設置する。
これなら今の自分ならいけるという確信。
俺は片足だけに力を込めて、力一杯にジャンプした。
こうなったのも、ステータスに自信があったからだ。
「うぉぉぉぉぉ!!!!!」
全力でジャンプする。
視界がものすごい勢いで変化する。
着地した先は、足場を飛び越えて。
アイツに落とされた場所へ一足で。
「なんだ。足場なんていらなかったじゃないか」
これだけのステータスがあるからだ。
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【マノワール・オッサツイホ】
職業:自宅警備員
Lv :54
HP :322/698
MP :245/598
攻撃力:1269(×3) 実数値423
防御力:1767(×3) 実数値589
魔法力:1368(×3) 実数値456
素早さ:1203(×3) 実数値401
スキル
数学lv34
科学lv37
社会学lv24
礼法lv26
芸術lv17
舞踏lv15
製作lv35
建築lv42
土魔法lv47
投擲lx40
剣術lv23
体術lv13
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「行こう。ニンメイちゃん達が危ない」
僕は来た道をたどりながら、脱出路へと向かった。
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