第30話 「ダンジョン攻略へ」
「おし。揃ったな。んじゃ行くべ」
「無理だ! 絶対に不可能だ!」
エルマージさんの抗議など意に介さず、僕達を強引にダンジョンまで引き連れてきたパラフィリオ。
腹をくくるしかないか。
「ヒヒヒ……」
「フッフッフ……」
「へへへ……」
パラフィリオ含めた男たち3人は、ニンメイちゃんの身体を嘗め回すようにニマニマと眺めている。
そしてそのうち2人は、僕の身体も嘗め回すようにニマニマと眺めてくる。
まさかこの中で狙うつもりか……!?
エルマージさんも同じように感じたのか、彼女を覆い隠すように進み出た。
絶対にニンメイちゃんと一緒にさせてはいけない。
実を言えば僕も守ってほしいけど。
「人数もいることだし、探索を中心とする。6人いるから3ペアだ。何かあれば逃げて合流を図れ。迎撃か逃走かは、その時に判断すればいい」
「勝手に判断しないことだぞパラフィリオ。いざとなれば私たちは、己の判断で逃げる」
「もちろんだエルマージ。パーティの意思統一を最優先にしなければ、戦いにならないからな。だがある程度は従ってもらうぜ」
やけに物分かりがよく、エルマージさんの発言に応えるパラフィリオ。
これだけ切り取れば、理想的パーティリーダーだが……
「んじゃ俺たちはペアだ。よろしくな」
「あぁ」
まるで好青年のように僕に話しかけたパラフィリオ。
何故か尻を優しく叩かれ、最後に撫でられる。
冷や汗が噴き出すが、ニンメイちゃんを守るために僕が我慢しなければならない。
もちろん警戒心は解かない。
そんな信用など微塵も持ち合わせていないからだ。
「取って食ったりしねぇよ。ここは敵地なんだ。プロは注意するもんだぜ」
「……」
「マノワールはあっちの方の警戒を頼む。俺は追い詰められないように、分かれ道を監視する。お前は初心者だからな。キツイ仕事はこっちで担当する」
「了解した」
「だがお前のミスでしくじったら、お前の乳首を食い千切るからな」
「ヒィッ!?」
笑顔で提案するパラフィリオ。
やっぱり食べようとしてるじゃん。
でも……こんな場所で自分の危険になることは、リーダーとしてやらないのかな?
疑念はあるけれども、彼の指示通りに動く。
恐ろしすぎる事言われたし。
何より僕は素人だし、どう動けばいいのかは自分ではわからない。
警戒を担当した先には崖があった。
下を覗き込むと、底が見えない。
ダンジョンの構造は複雑怪奇で、思いもよらない事ばかりが起こるものと予習した。
そこに魔物が湧いてくるのだから、色々なことに気を付けて探索するべきだと。
そんなことを考えていた時だった。
「――――――は?」
僕は後ろから背中を押された。
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