表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

240/241

第240話 「捕食」




 飢えていた時、幼い頃に行き倒れていた時に助けてくれた、変なお姉さん。

 あの頃のままの美しい笑みを浮かべていた。






「自宅警備員なんて空前のゴミステ人間を助けたのは、気まぐれだったけど。運命とは数奇なもの」



「そういえば僕が魔王様を守ったことにもなりますか。なんだか面白いです」



 あの頃は守られるだけだった僕。

 でも守れるようになったのか。

 

 僕一人じゃ絶対に勝てなかったけど。

 でもみんなの力で勝てたんだ。






「私より強いオスなんて見たことなかった。守ってもらったのは初めて」



「守れたなら光栄でございます」




 わざとらしく優雅に腰を折る。

 少しでも恩返しができただろうか?


 彼女は僕のことをじっと見ていた。

 何だろうか?

 顔に何か着いているかな?




 その時、彼女は唐突に口にしたのだ。

 妻がいる身に、投げかけてこないと思った言葉を。






「マノワール。私の番になれ」



「はい?」



 耳を疑った。

 僕に夫になってほしいという事か?

 何故いきなり? なんで僕?


 そして彼女は僕を押し倒して、腕を掴んで跨ってきた。

 物凄い力と気迫で怖い。






「力つよっ!? お姉さん痛いよ!!!」



「おねえさん……ゴクリ♡ 興奮させてくれる♡ 捕食してやる♡」



「いやぁぁぁぁぁっっっ!?!?!? 僕には妻がいるのにぃぃぃ!?!?!?」



「人間の王と魔物の王が結婚すれば、統治を一元化できる。なぜ気が付かなかったのか。42歳の子どもを犯すのは背徳感がある♡ あの時のショタを食い散らかしてやる♡」



 舌なめずりをする捕食者。

 ニンメイちゃんと同じくらいの年頃に見える彼女がすると、ひどく淫靡で倒錯感がある。

 僕は食べられてしまうのだと想起した。






「そんな表情をされるとますます疼く。他の女からお前を奪って、私を一番にさせてやる」




 彼女と話している時に自宅を作るべきだった。

 僕はマオにのしかかられて、無理やり―――――






「―――――妻たちに顔向けができない。今更だけどさぁ……」



「こうなるのではと前から思っておりましたし、なんなら私から提案しておりましたよ」



「諦めろマノワール。セインセスもこう言っている」



「お姉さんがそれ言います!?!?!?」



 それからしばらく時が経ち、妻の一人であるセインセスが自宅にて語り出す。

 彼女はそんなことを考えていたのか。

 わかっていたなら言ってくれればいいのに……


 マオお姉さんは僕の身体に猫のようにしがみつきながら、僕の顔を見上げて笑った。

 なんて女性だ。台風みたいに人を無理やり巻き込んでくるな。




 あれから時が経ち、素敵な変化が我が家にはいくつも訪れた。

 家族が増えるのだ。

 妻である彼女は愛おしそうに微笑みながら、腹部を撫でていた。




「時間の問題だって思ってましたからね」



「でもこれで最後ですよ!!! もう週に一人で割当もできなくなっちゃったんですから!」



 妻は9人となった。

 僕なんかでは1人の妻でも捨てられてもおかしくないのに、夫婦関係を築けているのは皆が素敵な女性だからだ。

 我慢を強いてしまっている事には、申し訳ない限りだが。






「でもようやくゆっくり過ごせますね」



「ああ。これが夢見ていたスローライフだ」









明日完結いたします。



面白い、または続きが読みたいと思った方は、


広告下↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓の☆☆☆☆☆から評価


またはレビュー、ブックマークしていただけると、モチベーションに繋がりますので執筆の励みになります!!!!!!!!!!






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。


旧作も読んでくださると嬉しいです!

 『異世界神様チート貴族転生したら、女装して女学園に通って悪役令嬢を誑かして婚約破棄させるように言われた。クラス転生していた悪役令嬢に男バレして追放されたがもう遅い。聖女(?)として復讐だざまぁ!』

テンプレ末期戦異世界チート転生女学園潜入もの書いてます。
こんなタイトルですが、神々の争いに主人公が巻き込まれるシリアス戦記です
 

 『追放ザマぁジャンルの研鑽について、また個人的対策案の成否に関する所感』

初エッセイです。本作品を基に書きました。
また初創作論です。
追放ザマぁジャンルを執筆する作者として、自分なりに反省点を交えた考察。
追放ザマぁの構造的問題への解決につながるかもしれないアプローチ。
新追放ザマぁシステム『連続追放』を通して分析することで、違和感なく楽しみながら完読できる小説を目指すという、ジャンル全体における質の向上を目標とする文章です。
皆さんの目で、お確かめ頂ければともいます。


一日一回投票いただけると励みになります!(クリックだけでOK)

小説家になろう 勝手にランキング
― 新着の感想 ―
[良い点]  遂に完結……既に完璧な成り上がりですが、最後に何を見せていただけるのかを楽しみにしています! 将来に渡る壮絶なざまあが展開される予感が……
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ